面白い作品なのに、なぜか未だにブルーレイ化されない作品、結構あるんですよね。
権利関係が複雑、大手が国内権利を抑えていて、そのまま塩漬けになっているとか、見落とされているとか、権利が高くて採算が合わないからなどなど、、様々な裏事情はあるんでしょうけど、中にはVHSビデオテープしか出ていない作品さえあります。
今回ブルーレイ化して欲しいピックアップ作品は「プラスティックナイトメア / 仮面の情事」（原題：SHATTERED）1991年製作の作品です。原題の「SHATTERED」は意味としては「〜凄いショックを受ける」「〜粉々に」「〜動揺する」などが、本作には合った意味だと思います。
こちらが当時の予告編
監督は、Uボート、ネバーエンディングストーリー、ザ・シークレット・サービス、アウトブレイク、エアフォースワンなどで知られるドイツ人監督のウォルフガング・ペーターゼン。
本作は、リチャード・ニーリイの原作小説を基に、ウォルフガング・ペーターゼンが脚本・監督を務めた1991年アメリカ製作のサイコスリラー映画です。
主演は「山猫は眠らない」「メジャーリーグ」で知られるトム・ベレンジャー、グレタ・スカッキ、ボブ・ホスキンス、ジョアン・ウォーリー、コービン・バーンセン。
ウォルフガング・ペーターゼン監督のキャリアを語る上では、伝説的な「Uボート」などが筆頭になってしまい、本作はほとんど脚光を浴びていないかもしれません。しかし、本作のベースとなった原作プロットの見事さ、そしてペーターゼン監督が手がけた脚本完成度の高さ、そして監督の優れた演出手腕が存分に発揮されていて、最後までどうなるのか分からない見事なサスペンススリラー作品に仕上がっています。
個人的にはもっと脚光を浴びても良いと思っているサスペンススリラーの傑作です。
【ストーリー】
大晦日の深夜、ダンはジュディスとドライブ中に崖の下に転落して瀕死の重傷を負った。無惨なダメージを受けた顔は、なんとか整形手術で元に戻ったが、失われた記憶はどうしても戻らない。ジュディスの献身的な介護でようやく退院したダンは、幸せな夫婦生活を取り戻したかのように見えた。
だが、ダンに不可解な謎が次々降りかかる。同乗していたジュディスはなぜ、かすり傷だけですんだのか？書斎に隠されていた妻が他の男との情事を隠し撮りされた写真は何のために誰が撮ったのか？記憶が戻らない状況で、徐々にダンの記憶が戻りつつある時、ダンの心の中にとんでもない恐ろしい疑惑が芽生えていくのだった。。。
ペーターゼン監督が原作小説の見事さに惚れ込んで自ら脚色、プロデュースしたそうで、主役のダンにはトム・ベレンジャー、美しいダンの妻ジュディスにはグレタ・スカッキ。謎の鍵を握る探偵クラインには存在感ある個性派ボブ・ホスキンスが扮しています。
この映画のポイントは、終盤で判明する驚愕の真相。そしてそこに至るまでの見事な伏線と、脚本、緊張感のある演出の見事さです。
私が初めてみたのは、数十年前。当時行きつけのレンタルビデオ店の映画通の店主さんと仲が良くて「とにかくこの作品をまず見て欲しいんだよ！」とイチ押しで薦められてみたのですが、とにかく終盤で判明する真相には唖然としたものです。
数々の驚くような結末の映画を見てきましたが、本作はその中でTOP1かTOP3に入る見事な出来の作品だと思います。
このような驚きの展開の映画でもありつつ、最後はハッピーエンドという結末なのも良いんです。ある意味、ホッとして終わる感じ。
どんでん返し的な驚きの結末の作品には、「ユージャル・サスペクツ」、「シックスセンス」がよく知られていますが、古くは「ゾンゲリア」などもありますね。
本作はそれに匹敵、いやそれを超えるほど本当に“隠れた傑作”と言える作品で、ウォルフガング・ペーターゼン監督のキャリアの上位で紹介されても良いのではないか？と感じるくらいの作品だと私は思っています。
ま、感じ方は人それぞれですが、少なくとも私はそう感じています。
残念ながら、本作はブルーレイ化はおろか、DVDは廃盤で入手困難になっている状況で、中古さえ簡単に見つからないので、あまり知られていない作品なのが残念。
サスペンス、スリラー映画好きな方で未見の方には、是非とも見て頂きたい作品です。
だからこそ、本作のブルーレイ化を切望したいですね。
4Kとは言わず、HDリマスターでDoby True HD、DTS HD MAトラックでも良いので、リリースして欲しいところです。🔚
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