【ネタバレ要注意!】「 ベター・コール・ソウル 」シーズン6 13話、ジミーとキムの最後の瞬間が意味するものについて、キム役の女優レイ・シーホーンが語る。

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これから先の文章には、「 ベターコールソウル 」シーズン6 13話 (最終話)、「 ブレイキングバッド 」のネタバレとなる内容に多く触れてますので、ご注意ください。まだご覧になられていない方で、ネタバレされたくない方はここでストップされてください。

念の為に、行間を空けておきます。

                   

                    

                     

                 

                    

                   

                   

                    

                   

                    

                   

                   

                   

                        

                      

                       

                    

                      

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         

                    

                        

                   

                      

「ベター・コール・ソウル」で キム・ウェクスラー を演じている女優 レイ・シーホーン さんが、シーズン6 13話 (最終回) で「まったく違う」キムを演じるにあたり、どのようにアプローチしたか、そしてシーズン6 12話のバスの中で感情が爆発した場面、キムの告白をジミーへの「愛の行為」と捉えた理由について、AMC TALKで語っています。

「ベター・コール・ソウル」で念願のエミー賞ノミネート、そして「クーパーズ・バー」でのノミネートなど、長年に渡りファンや批評家から話題になっていた「ベターコールソウル」が実を結んだ結果です。

不思議な事に、「ベターコールソウル」はシーズンごとにエミー賞ノミネートはされるものの、なんと無冠が続いています。

今年のエミー賞主要部門では、主演男優賞でソウル役のボブ・オデンカーク、助演女優賞でキム役のレイ・シーホーンがノミネートされています。残念ながら、助演男優賞はノミネートなし。。今年こそ、「有終の美」でボブさんとレイさんのダブル受賞となって欲しいですね!

ちなみに、今年のエミー賞授賞式は、U-NEXTがレッドカーペット、及び授賞式を独占生中継されます。U-NEXTでは、日本時間9月13日(火)8時より、レッドカーペットから授賞式までのすべてをリアルタイムで生中継。その後も見放題、字幕付きでアーカイブ配信するとの事です。

“アカデミーに認められ、ノミネートされることはすごいことです。何百何千と放送されている番組の中で、私たちの番組が6シーズンでいつもノミネートされるのは、すごい事です。

ファンや評論家が、長年にわたって私を応援してくれたことで、多くの人が私に好意を示してくれたことは素晴らしいことでした。本当に、本当に素敵なことです。”

そして、ファンの間でいつも話題になっていた事は、「ブレイキング・バッド」の時間軸でキムは生きているのか、それとも死んでいるのか、それとも彼女は「ベターコールソウル」で生き残れるのかでした。

そして、最終話の13話でキムの運命がようやく明らかになったわけですが、それについて演じている本人のレイさんは、どう思っていたのかが気になります。

“キムの運命は、シーズン6当初 私もわからなかったんです。ピーター(・グールド)は、俳優に対して常に敬意を払ってくれて、彼らがいつ消されるか、いつ死ぬのかを知らせてくれます。彼は私にそんなことは言わなかったですね。

誰だって早々にこの世界から出たくないだけに、本当にドキドキしてしまいましたね。

たくさんのキャラクターがいて、ストーリー上のキャラクターが死ぬ必要があるときは、そういうことになるんです。でも、私はこの人たちを愛しているし、この役を演じることがとても好きなので、出来るだけ長くこの世界にいたかったんです。

キムが、シーズン6 9話でジミーの元を去ってから、再登場した時はフロリダに移住し、服装や髪型、生活スタイル、仕事、そして彼女の精神状態など、全く違うキムに変わっていましたが、その事に関しては

“彼女は、まったく違うキャラクターになっています。ウィッグをつけ、衣装を身につけると、やはり変わりますね。

そのウィッグはどうあるべきか、この衣装は何を語るべきかといった会話は、キムが法律から隠れているわけではないということを中心に行われました。

キムは正義から逃れようとしているのではなく、これ以上は注目されたくないという殻に閉じこもったような人間なのです。彼女はただ灰色になって、溶け込んで、本当に消えてしまいたいと思っています。そのことが、私にとって多くのことを教えてくれました。

キムは、いつからこんな風になってしまったのか、私たちは長い間話し合いました。彼女はフロリダでのこの生活に満足しているように見えるのか、それともすべてを抑え込もうと捥がく(もがく)キムの姿がそこに見えるのか?と。

そして、キムがジミーから電話を受けたとき、「ああ、私たちが知っている昔のキムの一部がどこかにあるんだ。」と分かるんですね。私は、この新しいキムを作るにあたって、まさに別人のような境地に至らなければならなかったのです。

それは、彼女が経験した絶対的な苦悩と痛み、そしてすべて(ジミー、法律、彼女の人生)を捨てなければならないという彼女の決断なのです。

彼女はそこから抜け出してきたわけではない、と私は思います。彼女は別の人格を作り上げ、私の人生はこれだけだ。と決めたのです。

ジミーからかかってきた電話で、キムは吹っ切れたのか行動を開始し、宣誓供述書を作成してハワード・ハムリンの妻シェリルに渡します。そしてシェリルはキムに「なぜこんなことをするのか?」と聞きますが、キムが明確な答えを出しませんでした。なぜ彼女はこういった行動に至ったのかが気になります。

“それがキムにとっての懺悔のつもりだったのでしょうね。私たちが知っている彼女の人生は、彼女が人生に望んでいたものよりもはるかに少ないものです。

ただ詐欺をするということではありません。世の中の役に立ちたい、法律を実践したいという意味です。そのすべてが彼女にとっていかに重要であったかを、私たちは彼女を見て話しているのを聞いたのです。そして、彼女はジミーを心から愛していたのです。そして彼女はそのすべてをあきらめたのです。

私は「フロリダ」をキムが太陽に近づきすぎた「イーカルス」のようなものだと考えたのです。彼女は自分の人生にもっと多くのことを望んでいるのです。

そして、ジミーがキムに電話してきて、キムはジミーに「自首すべき」と言います。それに対し、ジミーは「そんなに罪の意識があるなら自首したらどうだ?」と挑発します。もちろん、それは馬鹿げた話です。キムは『ブレイキング・バッド』時代のソウルがやったようなことはしていないんです。

彼女はFBIや法律から逃れるような立場ではありませんが、「自分がしたことを償うために、もっとできることはないのか?」と立ち止まって考えてしまうのです。

その中には宣誓供述書を提出し、その宣誓供述書が裁判所や法制度に出回ることで、ハワード・ハムリンの評判を晴らそうとすることも含まれます。そして、彼の未亡人シェリルにも伝えて、彼女が修復できるようにすることです。

シェリルから「なぜこんなことをするの?」と聞かれたとき、キムは答えられないと思います。なぜなら、彼女が悩んでいるのは、「どれだけがシェリルのための贈り物で、どれだけがキムのためなのか?これは本当に親切なことなのか?」と言う事です。

私はそう思いますけど、確信が持てないし、キムも確信が持てないと思います。でも、あのシーンでキムが泣いたりしないことは、とても重要だと思います。

“これは私がやったことで、あなたに伝えるためにここにいるのです。”

とね。そして、キムがその理由を述べたり、泣いて許しを請うのは間違った行為です。シェリルが怒ること、憎むこと、叫ぶ事などは許さないといけないし、それはキムの自業自得なんです。だから、彼女はシェリルの質問に答えないんだと思います。”

シーズン6 12話の前半、ジミー(ジーン)からの電話では、キムはほとんど何も言いませんでしたが、彼に自首するように言いました。しかし、ハワードの妻であるシェリルとの自白シーンでは、ジミーが生きているかどうかさえ知らないふりをして、彼をかばい、少なくとも彼を巻き込まないことを選択しています。

“キムがシェリルに今でも嘘をついていることがあるのは、とてもよくわかると思います。彼女は彼が生きていることを知っています。だから彼女の告白から、ジミーを告発することもいとわないと考える人がいるのはわかります。

でも、キムの告白にはジミーに対して法的な悪影響を与える部分はないんです。

麻薬カルテルの話とかお金の話とか、そういうのは出てこないんです。生きているかどうかもわからないと嘘をつくのは、私にはそれが愛の行為だと思うからです。

“私はまだ一線を越えられない” “彼からの電話を受けた” “逆探知してくれ “などとFBIに言うのはね。

このシーンはヴィンス(ギリガン)が見事に書き上げたものですが、彼女が彼に自首するように言ったとき、「あなたがどんな生活を送っているのか知らないけれど、この生活は続かない。」と言うんです。

これには本物の思いやりがあると思います。彼女はジミー(ジーン)の状況を知らないんです。彼は外で怯えているのか?彼はドブに住んでいるのか?カルテルに頭を吹き飛ばされるんじゃないかと怯えているのか?

キムは、ジミー(ジーン)がどんな人生を送っているのか本当に知らないので、「自首すれば良心の呵責がなくなるから。」というポリアンナ的なものではないと思うんです。

でも、彼女は私たちが見たジミーを知っていて、その人のことを思うと胸が痛むのだと思います。その人はまだ彼の中にいるかもしれないし、その人は彼がやったことを、何らかの形で償わずに生きていくことはできないのだと。彼女が探しているのは、かつて良心を持った人間です。それが彼女の探しているものです。

シーズン6 12話で、キムが帰りのバスの中で今まで抑えていた感情を爆発させます。女優としても難しいシーンだったと思われますが、このシーンについては以下のように述べています。

“俳優には常に危険と心配がつきまといますが、そのような感情に流されないようにしなければなりません。なぜなら、感情に流されてしまうと、冷静さを保とうとしている人ほど面白くなくなることがほとんどだからです。だから、そういう巨大な感情には、細心の注意を払いたいものです。

でも、台本をもらったときにヴィンス(ギリガン)とピーター(グールド)のところに行って話をしたんです。キムはずっとバラバラじゃないからと。そのため、現実の世界では、いつも吸い取っている人が、文字通りバラバラになるのを見る方が辛いということもあります。

キムは、第12話で起きたことだけでなく6シーズンにわたって見てきたすべてのこと、そして彼女がなりえたかもしれない悲劇、ジミーがなりえたかもしれない悲劇に対して泣いているのだと、人々に理解してもらうことにしたんです。影響を受けた人々の命と傷、壊された関係。それがすべてです。

胸のつかえが喉のつかえとなり、本当に飲み込もうとするときの感覚は、誰にでもわかるものです。正直なところ、知らない人ばかりのバスの中で、必死に自分を見失わないようにしただけなんです。そのバスのシーンをやる頃には、完全に孤独を感じていました。

ジミーとキムの悲劇について多くの時間をかけて考えましたが、恐ろしく悲しいことだと思います。だから、それが出てきたんでしょうね。”

最終回では、ジミーが嘘でキムをアルバカーキに来る様に仕向けます。そしてキムがアルバカーキに行くことを選んだのはなぜなんでしょう?

“怒って戻ってくるのでは!?法廷のシーンはそうやって演じました。私は人々がこれを理解してくれることを望みます。彼女はジミーを捕まえるのに手を貸さないことを選んだんです。彼女は電話を盗聴させジミーを引き渡すか、危険に曝したかったら そうすることも出来ましたが、そうしませんでした。

だから最後の一線を越えなかったんです。それこそが最後の愛の行為であり、彼がその一線を越えてしまうことは、とてつもなく辛く、腹立たしいことなのです。”

そして、ジミーが自分にとって最高の司法取引を獲得したにも関わらず、それを撤回して真実の告白をしました。

“私の意見では、彼女が彼に会うのは絶対にそれが最後ではないでしょう。本編が終わり画面が黒くなったとき、ひとつのことを考える人たちだけでなく、もうひとつのことを考える人たちが出てくるように、人々が頭の中で物語を続け、この物語がまだ軌道を描いて進んでいるということなのです。

どの方向に進むかは、さまざまな意見があるかもしれません。しかし、この番組が提起している行動と結果、自然 対 自然、道徳、無条件の愛といった、より大きな哲学的な問いに敬意を表しているため、とてもスマートな終わり方だと思います。私はまだこの13話のエンディングとその意味について考えています。

私はたまたま絶望的なロマンチストだから、わからないけど。でも、彼女は絶対にジミーの減刑の方法を考え出すと思います。でも、2人が幸せに暮らせるかどうかはわからないですけどね。でも、彼女は彼を愛していると思うし、彼を助けるつもりだと思います。”

「ベターコールソウル」が完結した事で、共同製作者のヴィンス・ギリガン氏は、「とりあえず、この世界から離れたい。」と言っていましたが、レイさんは本人は

“キム・ウェクスラーに再び会いたいか?答えは、いつでも!彼らが望むなら、いつでも、どこでも行きます。でも、それ以上にこの脚本家たち、スタッフ、そして出来れば、キャストの皆さんとまた別のプロジェクトで一緒に仕事ができたらいいなと思っています。

次のプロジェクトが何なのか、まだ正確に把握していない段階なので、これ以上は言えません。でも、この脚本家たちがまた私と仕事をしたい、と言ってきたら、私はいつでもどこでもただ現れるだけですw

「ブレイキングバッド」「ベターコールソウル」という稀に見る傑作ドラマシリーズの続きが、もう見れないのはファンとして本当に寂しい限りですが、ファンの心の中でその後ジミーとキムの動向があれこれ活発に議論されたり、シーン解析も進むでしょう。

そして一筋の明かりとして、レイさん自身もキムという役柄を気に入っている上に、共同製作者であるピーター・グールド氏も

“でも、もし戻ってくるとしたら、それは私たちがワクワクするようなものを手に入れたからで、もっと言いたいことがあるからでしょう。

それがあり得ないとは言いません。確かにあり得ることです。でも、少し休ませた方がいいような気がします。

確かに、絶対にないとは言い切れません。シーズン6 13話を見ると、キム・ウェクスラーはもっとやることがあるように見えますね、間違いなく。

と述べており、グールド氏も将来的には乗り気なようです。そしてAMCも門戸はいつでも開けてあると本作の続編、スピンオフを歓迎する発言をしていますので、状況さえ整えばいつでも始動する環境ではあります。

是非ともキムのスピンオフ?で、その後のキムとジミーも見てみたいですね。それまでは、この傑作ドラマシリーズを穴が開くまで何回もリピート鑑賞して、気長に待つ事にしましょう。

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via AMCTalk

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