PS5機構、熱設計の責任者「PS5の構成や、ハードの形状は2年前に決定。コスト削減の為に、とにかく液体金属を使いたかった。」

プレイステーション5の機構設計・熱設計の責任者で、PS2から設計に携わっている鳳 康宏氏が、日経X TECHのインタビューで、PS5で液体金属を採用した経緯、理由など大変興味深い内容を語っています。鳳氏は、先日公開されたPS5 のTear Down動画で分解をしながら解説していた方です。

鳳氏によると、最も重要な機能の多くは2年前に決定していたとの事。とにかく「液体金属をどうしても使いたかった。」ようで、それには「相当な決意と準備が必要だった」と述べ、液体金属は早い段階で採用を決めていたようです。

「液体金属を採用しなければ、PS5は更に大きく高価格になり、冷却ファンの音も大きくなっていた。」と鳳氏は述べています。ゲーム時の冷却ファンの音はPS5の方が総じてPS4よりも静かだとしています。

鳳氏は、PS5のSoC(システム・オン・チップ)は、ゲーム時は基本的にほぼフルパワーで動作するそうで、そのため、TDP(Thermal Design Power / 熱設計電力)の値とゲーム時の発熱量は「ほぼ同じ」だそうです。

鳳氏によると、電子機器の熱設計は、熱源に近い冷却に力を入れるほど、コストパフォーマンスが良いので、熱源のSOCを効率よく冷却出来れば、ヒートシンクや冷却ファンにコストをかけなくて済むようです。逆に液体金属ではなく、通常の「サーマルグリス」を利用すると、冷却性能が高い巨大で高価なヒートシンクが必要になり、コスト増に直結してしまうそうです。

この事から、コスト上昇につながる液体金属のTIMを採用しても、冷却にかかるトータルコストを削減でき、冷却ファンの回転数も抑えることができるので、騒音の抑制も可能になり、結果的にコストを抑えることが出来た。と述べています。

鳳氏は、技術者としては廉価版の機器ほど液体金属を使いたくなるそうです。結局、ヒートシンクがコストを圧迫するので、液体金属のTIMが威力を発揮するようです。

液体金属については、私も以前にインテルのCore i9の10コア20スレッドCPU 7900Xで、殻割(ヒートスプレッダを専用機械で外す。失敗するとCPUを壊してしまうので、難易度が非常に高い)をして、CPUとヒートスプレッダの間に液体金属を塗って5GHzくらいオーバークロックしていましたが、液体金属は名前の通り、導電性があるので扱いを気をつけないと、熱で流れ出て回路自体をショートさせてしまう危険があります。

ですので、PS5で液体金属を採用するとTear Down動画を見た時は、これは大丈夫なのかな、、と心配になったものです。

しかし、鳳氏は液体金属について、非常に興味深い裏話を明かしています。PS5では、液体金属のTIMが漏れないような密閉構造を採用しているそうで、「分解されて見られてしまうと分かってしまうが、特許を取得している。」そうで、液体金属のTIMの塗り方、量産工程ので製造上のノウハウなど、「見ただけでは分からないものがたくさんある。」と述べています。

しかし、液体金属でヒートシンクの大きさを抑えてコスト削減したとの事ですが、それでもあの大きさという事は、サーマルグリスだったらもっと巨大だったという事で、その事からもPS5のSOCが尋常ではない熱を放出している事も分かります。

PCのグラフィックボードの感覚からすれば、2GHzでもかなりの高クロックと言えるのに、PS5のGPUクロック2.23GHzは本当に驚くレベルの高クロックです。今回の鳳氏のインタビューからも、PS5のSOCの熱量は普通のレベルではない事が分かります。まだPS5本体は、確保出来ていませんが、早く実物を触れてみたいものです。。🔚

via 日経XTECH

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