そして本体のスチールブックもこれまた素晴らしいデザインで、劇中のシーンを上手く取り入れ、映画のイメージを上手く表現したセンスの光るスチールブックに仕上がっています。
そして3枚組みのピクチャーディスクもポストカード同様に、劇中に登場するイラストがデザインに採用されています。ディスクとマッチしたレイアウトのイラストがチョイスされており、見た目もバランスがよく飾っても見栄えのする出来です。
内容は劇場公開版の4K UHDブルーレイ版、劇場公開版に予告編集のブルーレイ、劇場公開版より23分長いディレクターズカット版に監督、キャストが解説したメイキング映像26分が収録されたブルーレイで全てDTS HDとなっています。
画質はノイズも少なく、白夜の透明感ある映像で、文句なく高画質。4K UHDだけでなく、ブルーレイも素晴らしい画質です。
同業者も感嘆レベルの仕上がりだそうで、私も納得の素晴らしい仕上がり。古くはVHSビデオテープ、レーザーディスク、そして初期DVDの頃から買ってきた自分からしても、数あるブルーレイパッケージの中でも群を抜いた出来栄えで永久保存版の完成度だと思います。
映画に関しては、ネタバレになるので詳細な言及は避けますが、監督のアリ・アスターによると、監督自身が「丁度、恋人と別れた直後で、この映画を失恋映画に出来るんじゃないかと思い、夏至祭というアイディアが魅力的に見えた。結果的にミッドサマーは自分にとってホラー映画ではなく、失恋映画であり恋愛の終焉を描いた映画なんだ。」と述べています。
映画を見ればわかりますが、なるほど大局的に見れば映画は関係が終焉間近のカップルから始まり、主人公の彼女の身内に悲劇的な出来事が起こり、崩壊寸前の彼女を見て別れるに別れられない彼氏が、気分を変えて立ち直ってもらおうと友人から誘われたスェーデンの夏至祭旅行に誘うことから物語が動き出し、結果的に恋愛の終焉で終わっている(ある意味究極的な終焉かw)のも確かです。彼氏にしたら、とんでもない幕切れですがwそう考えて見てみるのも面白いかもしれません。しかし、この新興宗教団体の連中の笑顔と友好的な対応の裏の行為といい、その感覚は心底恐ろしいなと。
本編ではショッキングなシーンが出てきますので、リアルでグロい映像が苦手な方には厳しいかもしれません。
劇場公開版とディレクターズカット版の23分の違いは、劇場公開版で説明の足りなかった部分が追加された23分のシーンで補足されており納得出来るので、ディレクターズカット版に方が私は好きでした。一緒に鑑賞した妻も同様でした。
結論は、やはりこの作品はアリ・アスター監督にしか作れない作品だなと。「ヘレディタリー継承」同様に、この独特な世界観と映像世界は彼にしか生み出せない世界。シンプルに例えるなら「ヘレディタリー継承」が「暗」、ミッドサマーが「明」と言えると思います。
ご興味のある方は是非ともこの究極の完成度と言えるパッケージを購入してじっくりと見てみてください。アップルTVバージョンでは特典映像はない劇場公開版の本編のみとなっています。
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