マイクロソフトとアクティビジョン・ブリザードは、両者の合併契約を2023年10月18日まで延長することで合意したようです。
今回の合意延長の動きは、690億ドルの契約を完了させるために、当初設定した買収完了期限が17日火曜日に切れたことを受けてのようです。
欧州委員会(EU)は5月にこの買収を承認し、先週マイクロソフトが米国の規制当局である連邦取引委員会との法廷闘争に勝利(FTAの再度の控訴も棄却)したことで、この買収は米国でも承認され、買収完了へ大きく前進しています。
しかし、英国競争市場庁(CMA)の承認はまだ得ておらず、これが買収成立への最後の大きな障害となっています。
マイクロソフトのブラッド・スミス社長は、
“アクティビジョン・ブリザードとともに、最終的な規制上の問題を解決するための十分な時間を確保するため、合併契約期限を10月18日まで延長することに合意しました。
我々は、ECおよびその他の規制当局と合意したすべての約束を守り、英国で提起された問題について、引き続きCMAと協力していきます。私たちは、この買収取引を成功させる見込みに自信を持っています。”
と述べ、大きな壁となっていた米規制当局の問題をクリアした事が大きかったようです。
アクティビジョン・ブリザードのCCO兼コーポレート・アフェアーズEVPであるルル・チェン・メサーヴェイ氏は、次のようにコメントしています。
“米国での最近の決定と40カ国での承認はすべて、この取引が競争、プレーヤー、そしてゲームの未来にとって良いものであることを証明しています。
世界的な規制当局の承認と、CMAが英国での懸念に対応する救済措置があることを認めたという両社の確信から、アクティビジョン・ブリザードとマイクロソフトの取締役会は、両社が10月18日以降までこの買収取引を終了しないことを承認しました。
我々は次のステップに自信を持っており、取引は速やかに成立すると確信しています。”
そして、Xboxボスである、フィル・スペンサー氏は
“マイクロソフトとアクティビジョン・ブリザードは買収期限を10月18日まで延長する事に合意しました。
我々は、この買収取引を成し遂げることに楽観しています。そして、より多くのゲームをあらゆる場所で、より多くのプレイヤーに提供出来ることに興奮しています。”
と述べています。
先週、英国規制当局(CMA)は、マイクロソフトからの新たな提案を検討するため、取引に関する最終決定の期限を8月29日まで延長しています。
マイクロソフトは、CMAの承認を得るために、英国のクラウドゲーミングの権利の一部を売却することを検討しているとも報じられています。
延長された合併契約には、8月29日以降に取引が終了した場合、アクティビジョン・ブリザードに支払われる分割手数料が30億ドルから35億ドルに、9月15日以降に取引が終了した場合は45億ドルに増額されることが含まれているそうです。
アクティビジョン・ブリザード社によれば、この合意にはマイクロソフトとの商業用Xboxに関する取り決めの修正も含まれているそうで、その金額は2023会計年度と2024会計年度のそれぞれにおいて最大2億5,000万ドルにのぼるそうです。
マイクロソフトからすれば、早めの合意をしたいところではありますが、増額がされようとも、なんとしてでもこの買収を成功させるというゴールしか見ていないという事ですね。
当初、設定されていた買収期限がスムーズに両社で延期が合意された事からも、残りの英国規制当局にも余裕を持って対応出来る目処が立ったことも大きいんでしょうね。
両者の関係者の言葉からも、この買収取引はほぼ成功する流れに向かっているとみて良いでしょう。
そして、ソニーも白旗をあげたかのように、マイクロソフトとCODの長期供給契約に合意したようですね。興味深いのは、以前マイクロソフトがソニーにオファーしていた時は、CODに加えてアクティビジョン・ブリザードのタイトルも含まれていたのが、今回の合意ではCODに限定されていることです。これが一体何を意味するのかですね。。
今回の買収阻止による裁判で、ソニーはあまり知られたくないような水面下の内容まで表に出てしまった事で、ソニーとしては正直デメリットの方が多かったのではないでしょうかね。。
いずれにせよ、まだ完了したわけではないですが、買収承認向けて大きく前進した事だけは間違いないようです。🔚
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