1977年製作されたダリオ・アルジェント監督作の「サスペリア」のリメイク、早速鑑賞。観た後の感想としては、「映画としては難解だが、映像も美しく面白い」かな?基本設定はオリジナルのサスペリアを踏襲してはいるが、あとはまるで違うと言った方がいいくらいに変わっている。リメイクではなく、「再構築」と言われているのも納得。
主演のティルダ・スウィントン、ダコタ・ジョンソンのキャスティング、そして脇を固めるクセのあるキャスト陣の面々が完璧なまでにハマっていて素晴らしい。これが異様というか、不気味で独特の雰囲気と世界観を作り出し、本作に大きく貢献している。特にティルダ・スウィントンの存在感は圧倒的。
更に驚いたのは、ティルダ・スウィントンはダンス教師のボス、マダム・ブランの他に心理学者のクレンペラー博士も演じている事。これは知らないで見たらまず気がつかないでしょうw
オリジナルのサスペリアでは舞台が完全なバレエ学校だったが、本作ではモダンダンス・カンパニーに置き換わっている。この変更は個人的には正解だと思います。しかし、監督のルカ・グァダニーノは大胆にリメイクしたなと。アルジェント版サスペリアを期待して観ると、本作は完全な肩透かしを食らうと思いますw人によっては「コレ、何が面白いの?」「意味不明。。」「これはサスペリアじゃない。」という感想もあるでしょう。実際、海外ではそういった感想も含め、賛否両論渦巻いたそうです。
勿論、お約束の残酷で目をそむけたくなる殺害シーンはありますが、圧巻は後半のダンス・パフォーマンスシーンかな。賛否両論のクライマックス怒涛の宴も凄かったが、見事な照明と目まぐるしく変わるカット編集、そして心を抉る強烈なサブリミナル映像とサウンドは映画館の大音量の音圧で聴いていると、まるでトリップした変な気分になるほど(自分はそうでした)。この場面は本当に圧巻で凄かったと言えます。
とは言え、これは完全に人を選ぶ映画と言えます。ダリオ・アルジェント監督は本作を観て激怒したそうで、その気持ちも分かるw それくらい「リメイク」というより、「哲学的な再構築」という言葉が正解な気がします。
本作が最高、好きだという方もいますので、人によって感想は変わるでしょう。正直なところ、152分(2時間32分)という長さは必要だったのか疑問かな?間延びした感はありましたし、2時間くらいでもよかったような。。自分は、アルジェント版の方が遥かに好きですね。でも、このリメイク版もブルーレイが出たら買いたいと思います。何回か見直して、特典映像で監督やキャストインタビューなどで理解を深めると、また違った印象になるかもしれません。賛否両論入り乱れたのが納得の問題作とも言えます。 🔚
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