デジタルゲーム業界の動向を調査するニールセン社のSuperDataは、2020年12月の最新月次レポートを発表し、「サイバーパンク2077」はパフォーマンスに問題を抱え、特に前世代機であるPS4、Xbox One版などでクラッシュなど問題が多発し、前代未聞のPSNストアから削除、返金処理など大きな傷跡を残しましたが、蓋を開けてみれば、過去最大のデジタル・ローンチとなり、ゲームの返金延長は売上に大きな影響を与えなかった事が明らかになっています。
以下、ニールセンの記述です。
「サイバーパンク2077」はデジタル収益とデジタル販売本数に基づいた史上最大のゲームローンチを果たしました(1,020万本)。成功したマーケティング・キャンペーンと『ウィッチャー3: ワイルドハント』の評判により、コンソール機でのパフォーマンスの問題、広範囲にわたる不具合、PlayStation Storeからの無期限の削除などの問題があったにも関わらず、CD Projekt Redタイトルは記録を更新するために必要な宣伝を行いました。
PCでのデジタル販売のシェアが80%と非常に高く、これはプレイステーションで販売停止とコンソール版の全体的な状態が原因と考えられます。」
1020万本という推計には、返金されたデジタルコピーも含まれていますが、ニールセンのデータによると、返金がゲームの総売上に大きな影響を与えることはなかったと記載されています。
SuperDataによると、デジタルゲーム市場全体で12月の総売上高が120億ドル(月別の総売上高としては過去最高)、前年比で15%増という記録的な月となりました。モバイルの収益は前年比5%増、コンソールの収益は16%増。
しかし、PCゲームの収益は、主に『Cyberpunk 2077』のリリースのおかげで40%の急上昇となった様です。
これは、あくまで推測ですが、前述の通りコンソール版の出来に対して不安が広がり、PC版に流れたユーザーが多かったのと、更に、サイバーパンク2077は、nVIDIAの次世代グラフィックスカードRTX30シリーズの発売直後で、nVIDIAと技術提携されて開発され、レイトレーシングのショーケースタイトルとして開発された事もあり、購入したばかりのRTX 30カードでプレイしたいと思うユーザーが多かったのも少なからずあったのかもしれません。私はこれに該当すると思いますw
レポートでは、これまでで最高のデジタル月間収益を記録した理由として、好調なFortniteの収益(12月はマーベルコミックの期間限定イベントから始まり、1530万人の同時接続ユーザーがオンラインで参加した「ガラクタスとの戦い」などの大規模なイベントのおかげで、ゲームが8月以来の最高益を記録した)、
ロックスターのGTA Onlineが、ゲーム史上最大のアップデート「Cayo Perico Heist」をリリースした事も影響したとしています。ただし、プレイヤー数は11月の水準から46%増加したが、2020年初頭に達成された合計数を上回ることはなかったとしています。
『Among Us』は先月の驚異的なプレイヤー数から少し落ちたようですが、それでも2番目にプレイされたゲーム(Roblox)の約3倍の人気を誇っているようです。
更に、Nintendo Switchのゲームの売上を320万本と推定しています。
サイバーパンク2077、これだけの大問題に発展しながら、これだけの売上を達成したのは流石と言わざる得ないですね。現在、急ピッチでアップデート作業が全プラットフォームに向けて行われていて、先日も共同代表がビデオメッセージを公開し、一連の問題の公式謝罪と説明、そして今後のプランを明かしましたが、今後より磨きをかけて頂き、更に楽しめるタイトルにブラッシュアップして欲しいところです。
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