11月22日付の日本経済新聞電子版で、プレイステーション（PS5）が「品不足」と「XBOXの猛追」「パソコン・ゲームの台頭」の三重苦に直面、米国では米マイクロソフトのXBOXに販売台数で逆転され、オンラインサービスの会員数も減少、「ファン離れが懸念されるため、それを阻止するために増産を急ぐ。」と報道しています。
部品の供給網であるサプライチェーンが正常化しつつある7～9月期は、計画を上回る650万台超を生産したそうですが、11月上旬の都内大手量販店員の声として
「入荷したらすぐに売り切れる状況で、最近はもうPS5の問い合わせもほとんどなくなった。2年間も品薄状態が続いたので、PSファンの期待を冷やしてしまったのではないか。」
と述べ、嘆いていたそうです。入荷したらすぐに売り切れるという状況は、悪くはないと思いますが、肝心の商品が安定して在庫を確保出来ないので、発売から2年経った今でさえ、売りたくても在庫が足りないという状況のようです。
しかし、PS5の全世界販売約37%を占めるという、世界最大市場の米国でXbox Series S|Xに首位の座を奪還された事で、長年XBOXより大きくリードしてきた米国市場でその座が揺らいでいるのは、深刻かもしれませんね。
VGチャートのデータでは、PS5の米国での販売台数が発売1年目（2020年11月〜2021年10月まで）は493万台で、Xbox Series S|Xの366万台を上回ったそうですが、発売2年目（2021年11月〜2022年10月）は、PS5が425万台、Xbox Series S|Xが480万台となり、XBOXが約55万台ほどPS5を上回り、逆転されたそうです。
「週刊ファミ通」元編集長の浜村弘一氏は「おそらくマイクロソフトはXBOXの在庫を米国に集中させた。」と述べていますが、米国だけでなくここ日本でも数ヶ月くらい前からXbox Series Sの在庫がある事が多くなってきているので、これは米国だけに限らずマイクロソフトは、パーツ面で調達が困難で高価格なXbox Series Xより、より安価で調達もXbox Series Xよりは安定供給しやすい（と思われる）Xbox Series Sを多く出荷する事に集中した可能性もあります。
実際、XBOX部門のボスであるフィル・スペンサーさんは、「Xbox Series SがSeries Xより多く売れている。」と認めています。Series XやPS5より数万円以上安い上に、次世代機能はそのまま使えて、劣るのは出力解像度だけなので、その点でXbox Series Sは搭載ストレージこそ少ない（512GB）ですが、コスパを考えれば現行機で最高でしょう。
その結果、高価格なPS5より安価なXbox Series Sが多く売れた事で、PS5を逆転したのかもしれません。
しかし、NPDによるとソニーはキラーソフトと言える「God of War : RAGNAROK」を発売しましたし、『CALL OF DUTY : Modern Warfare 2 』の発売週では、プレイステーション5がXBOXを抜いてハードウェアセールスでは1位になっていますし、今後サプライチェーンも正常化しつつあるので、2022年11月〜2023年10月までの1年間の数字を見てみないと分からないかもしれませんね。
とはいえ、XBOXは前世代機であるXbox Oneの時と比べると、XBOXはプレイステーションとの差をかなり縮めた事は確かと言えそうです。
via 日本経済新聞
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