マイクロソフト、アクティビジョン・ブリザード買収承認に向けて、「オープン・アプリ・ストア原則」を発表し、先手。

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マイクロソフトの経営陣は、ゲーム業界の巨人であるアクティビジョン・ブリザードの買収計画に対し、オープンで「ユニバーサル」なアプリケーション・ストアを含む未来を約束することで、規制当局の厳しい監視の目を緩和させようとしているようです。

マイクロソフトは、Windows上のMicrosoft Storeと次世代のゲームマーケットプレイスに適用されるという「オープン・アプリ・ストア原則(Open App Markets Act)」を発表し、買収成功に向けて先手を打った格好です。

マイクロソフトが策定した“7つの原則“は、「セキュリティ」「プライバシー」「品質」「安全性」「説明責任」「公正さ」「透明性」を中心としたもので、即日これらの原則にコミットするとの事。

残り4つの原則は、「開発者がマイクロソフトの決済システムを使用することを要求しないこと」「自社のアプリストアに有利な条件を与えないこと」「異なる決済システムを使用する開発者に不利益を与えないこと」「開発者が顧客と直接コミュニケーションをとることを妨げないこと」など、アプリストアの利用方法を根本的に変えるものです。

これらは、アップルがEPIC GAMESと決済システム面で裁判で揉めている事などの影響から参考にしたと言えるかもしれません。あくまでも利用者側(開発サイド)に沿った公正さを明確にする事で、印象は良くなります。マイクロソフトは、アップルとEPIC GAMESの裁判に関して、アップルを批判しEPIC GAMESサイド支持を表明しています。

マイクロソフトも、ゲームパスをiOSで展開する際に、アップルのアプリ・ストアの原則の障害で衝突し、ブラウザ経由での手法に切り替えた経緯があります。

マイクロソフトのブラッド・スミス社長はブログで

「私たちは、Activision Blizzard社の買収について、世界各国の規制当局の承認を得るプロセスを開始するにあたり、マイクロソフトの役割と責任が大きくなることを考慮して策定しました。時間をかけて残りの原則のギャップを埋めることにコミットしていきます。」

と述べています。

マイクロソフトは、アプリ・ストアにおける相互運用性の原則を早い段階で約束することで、690億ドルで提案されているActivision Blizzard社の買収を承認を得ようとしています。

また、アップルとEPIC GAMESの争いなどから、アプリ・ストアの運営方法を変更する提案を検討している議員がいるそうで、デバイス間での相互運用性を確保する必要があるようです。

マイクロソフトのブラッド・スミス社長は、サティア・ナデラCEO、サラ・ボンドXbox担当副社長とともに行ったブリーフィングで、記者団に対し「Activision Blizzard社の買収により、我々はワシントンD.C.に来ることになりました。私たちは、“規制に対抗“するよりも、“規制に適応する“ことに重点を置いています。」と述べ、柔軟に対応していく考えを明らかにしています。

サラ・ボンド氏は、「ゲーム業界の構造、ルール、ビジネスモデルは、かつてのディスクパッケージを購入していたときのパラダイムに基づいて設定されています。それを変えるべきだと思いますし、私たちはプレイヤーを中心に据えるべきだと考えています。」と述べています。

米国では連邦取引委員会(FTC)がこの買収を審査しており、スミス氏によるとアクティビジョン・ブリザード買収は、世界17の規制当局の承認を得なければならないようで、乗り越えなければならない壁はたくさんあります。

AXIOSによると、先日米上院の司法委員会で承認された「オープン・アプリ・ストア原則(Open App Markets Act)」は、これらの「原則」の多くを法制化するものだそうです。マイクロソフトのスミス社長は、「法案が成立するかどうかにかかわらず、このような原則にコミットすることで、マイクロソフトは“正しい歴史の流れに乗りたい“」と述べています。

現在、マイクロソフトは、Xboxストアの売上の30%をマイクロソフトが徴収するという現行ルールの理由の一つとして、“ゲーム機の販売が赤字“であることを前提に正当化しているそうです。(ソニーは、既にPS5の販売で利益を得ているとしていて、ヒートシンク簡略したコストダウン版に切り替えたのも要因か)

マイクロソフトは、今回のアクティビジョン・ブリザード買収をなんとしてでも成功させたい意欲が、これらの先手を打った姿勢からも分かります。前述のように、今後は世界17もの規制当局の承認をクリアしなければならないので、これらの“オープン・アプリストア原則“策定のアクションからも、上手く立ち回っているという印象です。

マイクロソフトのアクティビジョン・ブリザード買収の承認は2023年6月30日までかかると言われています。

買収が成功すれば、『コール・オブ・デューティー』全作、『ディアブロ』などのタイトルがゲームパスの恒久的なリストに入り、新作は発売日と同時にゲームパスでプレイ出来てしまう可能性が高くなるので、「ゲームパス」ユーザーには非常に大きなメリットになりますので、是非とも成功して欲しいものです。🔚

via AXIOS

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