デジタルファウンドリーが、ソニーの主要なファーストパーティの開発者が、レイトレーシングなど最先端技術をどのように利用しているのかを解説した記事が公開されましたので、重要な箇所を一部抜粋して日本語訳でピックアップしたいと思います。
InsomniacがMarvelの『Spider-Man Remastered』とMarvelの『Spider-Man: Miles Morales』に搭載されているハードウェアによる加速レイトレーシング効果を初めて明らかにしたことで、いよいよPlayStation 5タイトルのローンチウェーブが見えてきたとしています。公開された映像での見られた大きな改善は、最も高い高層ビルから最小の水たまりまでの反射で明らかになっているようです。
ハードウェア動作のレイトレーシングは、次世代コンソールでの新機能で開発者が技術を得られるようになったばかりのもので、おまけに処理負荷も高く、妥協は避けられないとしています。公開されたスパイダーマンの映像から見るレイトレーシング効果は、PCで見られる類似のハイブリッド・レイトレーシングと比較して、非常に印象的なもののようです。
PS5のマーベル『スパイダーマン』には、30fpsの4K画質モードと、60fpsのパフォーマンス・モードの2つのモードが用意されているようです。4K 30fpsモードではRT反射が採用されていますが、レイトレースされたアンビエントオクルージョンを含めることも検討されているようです。
公開された映像を見る限り、60fpsのパフォーマンスモードはPS4のスパイダーマンで見られた画面空間の反射を踏襲しているようですが、カメラビューのディテールしか反映されず、多くのビジュアルの不自然さにつながっていることが大きな制限となっているようです。高層ビルの反射は、高さに応じて変化するキャプチャされたキューブマップに基づき、かなり粗いようです。
RTは画期的な改善ですが、RT反射の解像度が低いのは事実です。デジタルファウンドリーによると、メイン画像と比べて4分の1の解像度まで落ちているようです。画面上で見た特定のオブジェクトが反射で表現されていないことから、レイトレーシングではないという示唆につながるようです。
しかし、スパイダーマンで見られるのは、RTにはパフォーマンスに敏感な複数のステップがあるようで、開発者はレイトレーシングのためのレンダリング枠が制限されているというシンプルな事実のようです。これは当然、PS5のスペック(GPU性能やRT処理性能)にも関係しているかと思われます。
レイトレーシング処理のステップ自体をハードウェアで加速させても、GPUに大きなストレスを与えてしまい、妥協が必要になるようです。そのため、スパイダーマンの反射エフェクトは低解像度になっており、レイ(光線)カウントを大幅に削減して処理プロセス自体を大幅に高速化しているようです。
単純なシーンであっても、レイトレーシングの反射を4分の1の解像度に落とすと、RTX 2060 Superでは28%のパフォーマンスが向上し、より反射の多いシーンでは58%にまで上昇するようです。これは、スパイダーマンの反射がメイン映像と同じ解像度ではなく、大きく解像度を落としている理由だとしています。
特定のキャラクターやオブジェクトが反射で表示されない理由についても結果的に妥協してパフォーマンスの最適化という事になります。スパイダーマンでは霧や蒸気のような要素も反射しません。
結果的に、スパイダーマンは既存のゲームをより美しくするために、ラスタライズと戦略的で対費用効果の高いハードウェア加速レイトレーシングの組み合わせを使用しているようです。Insomniacの『Ratchet and Clank: A Rift Apart』や、カプコンの『Devil May Cry 5』のスペシャルエディションも同様の手法を採用しているようです。これらは、画質モード、パフォーマンスモードも用意されています。
『グランツーリスモ7』では、60fpsの目標を達成するために、低解像度レイトレーシング反射エフェクトと、チェッカーボードスタイルのエフェクトを採用しているようです。
2018年後半に、nVIDIAのTuring GPUがリリースされた時でさえ、まだファンタジーの領域にあるように見えたものが、この様に次世代コンソールでハードウェアで加速されたレイトレーシングを見ることができる事に興奮するとデジタルファンドリーは述べています。
そしてマーベルの『スパイダーマン』で見られるのは、まだほんの始まりに過ぎず、次世代の初期の第一世代であることも楽観視できるとしています。PCでレイトレーシングが登場して2年が経過し、nVIDIAのDLSSも進化しレイトレーシングパフォーマンスも大きく向上してきました。
コンソールの開発者が低レベルのアクセスを利用できるようになったことで、この技術が今後の次世代でどのように進化していくのかを見るのが待ち遠しいとしています。
とはいえ、次世代PS5でも妥協の連続ということが分かります。もちろん、CPU処理性能の大幅な向上や高速なSSDが標準装備になったこと、次世代アーキテクチャーによる性能向上の恩恵などなど、現行のPS4から制限が大きく取り払われたのは事実ですが、Xbox Series Xと比べると、PS5のGPU性能差、レイトレーシング処理性能差などが、後々制約になりそうな気もします。特にレイトレーシング反射の解像度差などで差が出てきそうな気もします。
しかし、こればっかりは実際のゲーム映像で比較してみないと分かりません。
来月以降(もう来月発売なんですね。早い。。)、PS5とXbox Series Xのゲーム映像、ロード時間の差など、どのような違いが出てくるのか、非常に興味深くもありますし、それを見るのが本当に楽しみです。🔚
via Eurogamer, DigitalFoundry
2060sのPS5と2080sの箱かぁ・・・・
マルチで結構性能差出たりするんですかね?
PS5はメモリ帯域448GB/sと10TFを考えると2080くらいですね。
XboxSeriesXは2080Superと2080Tiの中間のような性能。
マルチでの差はどうなんでしょうね、、
RT反射の解像度とか、フレームレートの安定度、動的解像度での安定度で
差が出そうな気もしますが、、
雲泥の差というほどの差は出ないと思っています。
両機種のファーストパーティタイトルでどれくらいの物を見せてくれるか楽しみですね。
スパイダーマンのは鏡の世界に低ディテールのオブジェクトを再配置しているように見えるけど
これもハードウェアレイトレーシング(?)の恩恵はあるんだろうか…
色々と負荷軽減の苦心している感じがしますね。
完全なレイトレは負荷的にも無理で、かなりレイを減らすなどしているようですしね。
レイトレーシング処理性能もXbox Series Xの方が上らしいので、
今後、発売されてタイトルが出揃うと色々と差が見えてくるかもしれませんね。