【これぞ次世代】EPIC GAMESがアンリアルエンジン5をPS5実機で動作するデモを披露。EPICティム・スウィニーCEOインタビューなど

EPIC GAME Sが昨夜、数多くのゲームで採用されているアンリアルエンジンの次世代版、ゲームアンリアルエンジン5をPlayStation5上で動作する驚異的な実機デモ映像を披露しました。

「Lumen in the Land of Nanite」というアンリアルエンジン5システムの名称「Nanite」とついたデモ映像では、トゥームレイダーのような遺跡を探索したキャラクターがやがて崖から高速で落下し、目まぐるしいスピードで空中を滑走し、着陸したかと思うとまた飛び立ち、最終目的地に到達するデモです。

このデモではダイナミック・グローバル・イルミネーション技術や3300万ポリゴンによる驚異的なディテールの1体の仏像、そして広場に鎮座する485体もの仏像が合計160億ものポリゴンで生成されている描画効率の技術、そして長距離LOD(Level of Detatil)とポップイン(遠景から近距離移動してオブジェクトが近づいた時にディテールが急激に変化したり、急にポンと表示される現象)が目立たない速度で描画されるエンジンのデモなどが披露されています。

岩肌や仏像の細部まで緻密でリアルなディテール、驚くべきスピードで動いているにも関わらずポップインがなく、詳細なディテールが遠距離から近距離になっても滑らかな表示を維持し、驚異的な長距離描画も驚くべきで、正にこれこそざが次世代、私が観たかったと思わせる映像です。ハリウッドなどのCG映画に使われる規模のアセット、膨大な100億を超えるポリゴンをNanite(アンリアルエンジン5のシステム名称)が劣化なしに2000万描画ポリゴン程度に変えるようです。要は今流行りの負荷軽減技術という物ですね。

公開された時間が深夜だったので、公開後に様々な海外メディアのレビュー記事を読んでみると、色々理解、見えてきたのでその点を踏まえて、 EPIC GAMESのCEOティム・スウィニー氏インタビューの抜粋などを交えて海外メディアの考察など含めて紹介していきたいと思います。自分の感想、雑感は最後に書く事にします。

エピックゲームズのCEOティム・スウィニー

「このデモのレベルのディテールを表示するには、いくつかの異なるコンポーネントが必要です。1つはGPUのパフォーマンスとGPUアーキテクチャで、驚異的な量のジオメトリを描画します。これには、非常に多くのテラフロップパワーが必要です。もう1つは、効率的にロードおよびストリーミングする機能です。

アンリアルエンジン5で動くこのデモは、次世代ストレージ向けに最適化されており現在のパフォーマンスの2倍で高速にロードできるようになっています。このジオメトリを取り込んで表示できるようにするには少しだけ高速なのではなく、本当に高速になっています。

すべてが同じシステムというわけではありませんが、次世代のSSDアーキテクチャと他のすべてを活用しています。ソニーのPlayStation 5の超高速な帯域のSSDシステムは、標準的なPCよりも遥かに優れたストレージシステムで素晴らしいですが、SSDを搭載したハイエンドPC、もしくは市販のNVMe  SSDを使用すれば、これと同様の素晴らしいパフォーマンスも得られます。

「私たちが今日披露した主な機能は、全ての次世代ゲーム機(Xbox Series X)で動作します。ただし、次世代機とのパフォーマンス比較はありません。パフォーマンスの比較を共有することはできませんが、Nanite(アンリアルエンジン5システム)テクノロジーを使用したマイクロポリゴンジオメトリとLumenを使用したリアルタイムのグローバルイルミネーションで、非常に信頼できる機能だとお分かり頂けたと思います。」

アンリアルエンジン5は、2021年初頭に最初のパブリックリリースがされ、Fortniteが2021年の後半にUE4からUE5に移行します。ただし、UE4とは異なりエンジンの新しいイテレーションは、過去からの完全な断絶ではなく、 UE4と同じシステムターゲットを備えているため、最も高性能なPCから古いAndroidおよびiOSデバイス、Switchを含む最新世代のゲーム機も含め、どれでも実行できます。しかし今日明らかになった本格的な次世代ゲーム機と同じレベルの忠実度は、デバイスの性能に依存されます。

ティム・スウィニーCEO「旧世代のプラットフォームとの互換性を維持するために、この次世代コンテンツパイプラインを使用して、アセットを構築したり、最高レベルの品質(次世代ゲーム機で直接実行する映画レベルの品質)でインポートしたりします。このエンジンは、数年前のiOSおよびAndroidデバイスに至るまで、すべてのコンテンツで実行できるようにコンテンツの解像度を落としたりするためのスケーラビリティポイントも提供します。したがって、コンテンツを一度構築すれば、どこでも展開でき、これらすべてのシステムで同じゲームを構築しても、グラフィックの忠実度が若干異なるだけです。」

最後にデジタルファウンドリーのレポートでは、

エピックのCEOティム・スウィニーは、 SSD帯域幅の超高速である必要性を主張したソニーのPlayStation 5で実機デモを行っているにもかかわらず、複数のシステムでの新しいテクノロジーの相互運用性への強い取り組みを強調しました。

MicrosoftはDirectX 12 Ultimateを開発し、これにはPCでのストレージの処理方法の抜本的な刷新も含まれています。EPICは1つのシステムの強みに大きく依存しているわけではありませんが、 インタビュー後にEpic Gamesは次世代プリミティブシェーダーシステムがUE5で使用されていることを確認しています。

PS5にとって次世代プリミティブシェーダー、これが大きいですね。

まとめ

・アンリアルエンジン5は2021年初頭にプレビューとして利用可能になり、フルリリースは2021年後半とかなり先。対応ゲームが出るのは2021年末〜2022年以降?

・アンリアルエンジン5のデモは、PS5だけでなく、Xbox Series Xでも動作し、PCでも市販のNVMe SSDであれば、同様に動作する。

・アンリアルエンジン5はアンリアルエンジン4以上にマルチプラットホームを意識し、幅広いデバイスに対応。

・PS5の実機デモは負荷に応じて解像度を落とす動的解像度で主に2560x 1440Pで動作ハードウェアレイトレーシングはなしでの動作。

・アンリアルエンジン5でハリウッドCG映画に使われるアセットが使える時代が遂に到来?

・アンリアルエンジン5のダイナミック・グローバル・イルミネーションはゲーム世界に飛躍的な変化をもたらす。

・アンリアルエンジン5のポリゴン描画効率化(劣化なしで100億超→2000万)は驚異的。

しかし、さすがソニーのマーケティング戦略の巧さは、マイクロソフトより長けているなと感じさせてくれる実機デモでした。

ただし、EPIC GAMESが明かした内容によると、PS5実機デモは負荷に応じて解像度を下げる動的解像度で実行され、デモの場面のほとんどが1440P(2560×1440)で実行、ハードウェアレイトレーシングはなしで動作していたとの事。

アンリアルエンジン5はハードウェアレイトレシーングに対応してるのに、ハードウェアレイトレーシングに対応しているPS5の実機デモでなぜ使われなかったのか、この点は理由が気になります。ティム・スウィニーCEOもこの事に関しては細かい言及はしていません。

そして、ティム・スウィニーCEOはアンリアルエンジン5のデモ解説で、多くのテラフロップパワーが必要と発言しているので、PS5より2〜3テラフロップの高いパワーを持つXbox Seires Xの場合は、PS5の2560x1440Pより高い解像度でこのデモを動かす事が出来るかもしれません。

ただし、PS5でここまでのレベルが実現出来るという事にワクワクします。これならソニーのファーストスタジオが開発するスパイダーマンは凄いことになりそうですし、ホライゾン・ゼロ・ドーンの続編、ゴッドオブウォーもディテールがヤバイ事になりそうです。

でも、アンリアルエンジン5のフルリリースは2021年後半と1年以上も先で、アンリアルエンジン5を採用したゲームが出てくるのは下手すると、2022年以降?かもしれません。そうなるとかなり先の事になってしまいます。

とは言え、昨日のアンリアルエンジン5のデモ映像のゲームコミュニティに与えたインパクトは私も含め非常に大きく、PS5=スゴイ!というイメージをこれで一気にコアゲーマーから一般層にまでインパクトを残したのは確かです。

この素晴らしいプレゼン見た後に、先日のマイクロソフトのインサイドXBOXの内容は酷いとしか言いようがない事は明白です。その点でマイクロソフトはやらかした感じですね。マイクロソフトはせっかく今まで先行で情報を公開してリードしていた分を、昨晩のアンリアルエンジン5のデモをPS5で動作して実機映像で見せた事で一気にひっくり返された感じです。これで、ソニーに次世代機イメージ戦略では大きな遅れを取ったのは事実でしょう。

7月のファーストパーティ披露のイベントではこれに劣らないインパクトある実機プレイ映像を見せないと、いくら実機パワーが勝っても今世代と同様にXBOXはPlayStationに追いつく事は出来ないでしょうね。その点でも昨晩公開されたアンリアルエンジン5のデモをXbox Series Xでより綺麗に動かす映像を見せるか、それに匹敵する実機ゲームプレイ映像を見せないとダメではないかと。

更にソニーのPS5には、XboxSeriesXにはないより高精度なプログラムが可能なリニアモーターを採用したハプティック(触覚)によるゲーム内プレイヤーの擬似体験が出来るDual Senseコントローラーもあります。この利点は大きく、新体験というポイントではPS5がリードしている点でもあります。技術的な事をあまり気にしないライトゲーマーからしても触覚によるDual Senseコントローラーの体験は大きなアピールポイントになると思います。

マイクロソフトは、今後のゲームプレイ映像の公開の仕方を再検討せざるを得ない状況になったのは確かです。次回のオンラインイベントでしっかりと仕切り直さないと、発売前で勝負ありという事になってしまいます。 マイクロソフトは気を引き締めて仕切り直して欲しいですね。 🔚

EPIC GAMES Unreal Engine 5日本版公式ホームページ

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