Dead Spaceフルリメイク、オリジナルへの忠実度、3Dオーディオなどについて開発者が語る。『このゲームはDead Spaceファンへのラブレターであり、私達もファンの一員です。』

, , ,

2008年に発売されTPSモダンホラーゲームとして絶賛された「Dead Space」のフル・リメイク版をEAが正式に発表しました。開発スタジオだったVISCERAL GAMESも閉鎖された事で、「Dead Space」は完全に終わった。。と思われていましたが、それをひっくり返して見事に蘇ることになったのです。

本作は、Visceral Games(前述の通り現在は閉鎖)が開発し、「Star Wars Squadrons」を開発したEA Motiveが、PS5、Xbox Series X|S、PC向けに、ゼロからフル・リメイクする予定です。前世代のPS4、PS4Pro、Xbox One、Xbox One Sには対応しません。前世代機を切り捨てて、現行世代機をベースに開発する事で『Dead Space』を次世代機のパワーと最新技術でフルリメイクされる事になるので、これは大変素晴らしい事です。

EAは、リメイク版の雰囲気を伝える為に、実際開発中のイン・ゲームエンジンで動いている短いティーザートレーラーを公開しただけですが、IGN USAがシニア・プロデューサーのPhilippe Ducharme氏とクリエイティブディレクターのRoman Campos-Oriola氏にインタビュー、オリジナルに忠実且つ、現代的にするためのアプローチ方法、リメイク版に対するチームのビジョンなどについて語っています。

インタビューでは、最新の次世代技術を駆使して「USG石村」にかつてない生命を吹き込んだアプローチの仕方、開発プロセスにデッドスペースファンの意見を早期に取り入れたことなどについても紹介しています。

EA Motiveの担当者は、本作がオリジナルの『Dead Space』を単にブラッシュアップしただけの作品ではないことを明らかにしています。オリジナルのゲームを参考に、膨大な開発データを活用しながら、EA最新のFrostbiteエンジン(バトルフィールドなど)でゲームを完全にゼロから再構築しています。

しかし、クリエイティブディレクターのCampos-Oriola氏は、オリジナルゲームの最初のチャプターレベルデザインのデータを見て辿っていくと、その痕跡から当時の技術的な制約やその他の要因で已むなく変更した箇所が分かり、そしてその理由も分かったそうです。

「Dead Space」フルリメイクでは、ビジュアル、サウンド、ゲームプレイなど、すべての面で、これらのアセットをすべて再構築し、すべてのアニメーションを撮影し直しています。前述の通り、単なるリマスター、リメイクではなく、ゼロからのフルリメイクなのです。そしてPCやPS5、Xbox Series X|Sといった現行の最新ゲーム機を視野に入れ、アドベンチャーの再構築を行っています。

まだ開発は始まったばかりのようですが、EA Motiveスタジオは『Dead Space』のゲームプレイ体験を向上させるために、最新の技術を活用する方法をすでに考えているようです。

クリエイティブディレクター Roman Campos-Oriola氏

「スタート画面からエンドクレジットまで、完全にインタラクティブな体験を提供することで、没入感をさらに深めたいと考えています。お客様を体験から引き離すようなものは一切なく、カットもしたくありません。

PS5やXboxSeriesX|Sに搭載されている高速なSSDは、ローディングがほぼ発生しないことを意味しています。プレイヤーのゲームプレイ体験、カメラをカットするようなことは一切ありません。スタート画面からエンドクレジットまでシームレスにプレイすることができます。

開発初期の段階でチーム全員に伝えた目標として、私たちが目指しているのはコントローラーをゲームプレイ途中で置きたくないと思えるような没入感です。『Dead Space』は60~100時間もかかるようなゲームではありません。理想的なシナリオは、ゲームの世界に没頭し過ぎて、トイレに行くために立ち上がることもなく、一気にプレイしてクリアしたいと思えるものです。」

EA Motiveは、オリジナルの『Dead Space』のこれまでのものは維持しつつ、『Dead Space』の世界に集中させるための映像、GUIや能力を向上させることを目指しているようですが、今回のIGN USAのインタビューでは具体的な内容については言及していません。

ビジュアル、サウンド、ゲームプレイ、すべての面で、これらのアセット(データ)をすべて再構築しているようです。単なる移植ではなく、テクスチャーを高精細化したり、キャラクターモデルのポリゴン数を増やしたりするのでもなく、すべての要素を完全にゼロから作り直し、すべてのモーションアニメーションを作り直すなど、徹底しています。

クリエイティブディレクター Roman Campos-Oriola氏

「本当に重要だったのは、『Dead Space』のユニークなルックを表現できるかどうかでした。あの独特のSF的な外観ですが、硬質で汚れていてすべてが長い間使われてきたことを感じさせる独特な質感です。」

シニア・プロデューサーPhilippe Ducharme氏

「実は、初代ゲームのアセットからスタートしています。ティザートレーラーを作るために、そしてフル・リメイクに着手する際に、可能な限り多数のコンセプトアートなどオリジナルゲームのデザインを参考にしました。

私たちが行いたかった改善は、『Dead Space』のDNAの中にあるものであり、単に「テクスチャーの解像度を上げてポリゴン数を増やして、それを投入すればいい」というものではありませんでした。

私たちは、『Dead Spaceの感覚』を伝えたいのです。トレイラーでは、ボリューメトリック・エフェクトやダイナミック・ライティングが加わり、私たちが伝えようとしている『Dead Space』雰囲気に大きな要素を与えています。

皆さんが、『Dead Space』で耳に焼きついたお馴染みのサウンドをより良くし、没入感を高めたいと思いました。ドアの音、ヘルスバーの音、クリーチャーの音などです。」

開発者もオリジナルに忠実であること、オリジナルのゲームのレガシーを尊重している事が良く分かります。そして現行機に対応している「3Dオーディオ」についても語っています。

「3Dオーディオでは、音がどこから出ているのか理解する事ができます。廊下では空間の広さに見合った反響音がしますし、上や後ろの通気口などから音が出てくるのが分ります。これらすべての要素は、没入感を高めるために拡張することができると思います。」

クリエイティブディレクター Roman Campos-Oriola氏

「私たちにとっての基本は、『Dead Space 1』のストーリーです。ですから、デフォルトでは、それがベースとなります。しかし、そのストーリーはいくつかの改良を加えたいと考えています。フランチャイズを通じて進化した改良点やコンテンツの一部については、機能面からも導入を検討しています。また、マイクロトランザクションのような失敗からも学んでいます。今回のリメイク版にマイクロトランザクションを導入する計画は「絶対に」ありません。」

懸念されていたマイクロトランザクションはないと明言しているので、この点では安心。『Dead Space 3』のマイクロトランザクションや「スターウォーズ バトルフロント2」でのマイクロトランザクション騒動からさすがのEAも学んだようです。

EAチーフスタジオオフィサー/ ローラ・ミーレ

「私たちは、プレイヤーが求めている体験を提供するゲームを作りたいと考えています。それは、プレイヤーが別の世界に没頭できるような、ストーリー重視のシングルプレイの体験であることもあります。「Star Wars: Galaxy of Heroes」、「The Sims」、「Apex」、「FIFA」などのライブサービスで、新しいコンテンツやイベントを毎日提供してほしいというプレイヤーもいます。

私たちは、プレイヤーの皆様にEAのゲームや体験を選んでいただきたいと考えています。それには、プレイヤーの皆様がプレイしたいタイプのゲームを作る必要があります。1つのジャンルやモデルに絞ってしまうと、プレイヤーの数が限られてしまいます。私たちは、プレイヤーがプレイする場所でプレイヤーと出会い、驚きと喜びを与え続けるゲームでファンを感動させることに全力を尽くしたいと考えています。」

開発のお二方は、ただの忠実なリメイクという枠に囚われたくはないようです。その一例として「『Dead Space 2』で無重力区間での1からの大きな進化を1作目に応用できるのではないか?」とも述べています。

クリエイティブディレクター Roman Campos-Oriola氏は、より多くのプレイヤーに体験してもらうためにも、他の進化とともに、戦闘の中核となる敵をバラバラに切断する部分のメカニックを進化させていきたい。」とも述べています。

『Dead Space』でアイザックが直面する恐ろしいクリーチャーの手足を、プレイヤーが武器で自由自在に切断することができます。このメカニックは戦闘時に重要なシステムで、複数の敵が来た場合、スローで敵の攻撃を止めるか、敵の足を切断して近づいてくる速度を落とし、その間に他の敵を片付けるという多様な戦略性が派生します。

Ducharme氏とCampos-Oriola氏は、長年『Dead Space』の大ファンだそうで、その情熱はチーム全体にも伝わっているとの事。事実、Motive社のPatrick Klaus氏の『Dead Space』への情熱によって、このフルリメイク・プロジェクトに取り組むことになったそうです。Klaus氏が数年前に本社を訪れた際、この『Dead Space』のアイデアを提案したそうです。

Motiveスタジオは、昨年『Star Wars: Squadrons』で素晴らしい仕事し、アクションジャンルに精通していることから、今回の『Dead Space』復活プロジェクトには最適なスタジオだったと言えるかもしれません。

Motiveスタジオは、構想段階から『Dead Space』のファン・コミュニティのメンバーに声をかけ、「コミュニティ・カウンシル」を設立、自分たちが作っているフルリメイクの相談相手になってもらっているそうです。そしてファンの意見が開発プロセスを積極的に支援しているとの事。

シニア・プロデューサーPhilippe Ducharme氏

コミュニティ・カウンシル設立の目的は、13年前にフランチャイズが始まって以来、ファンに愛されてきたものに忠実であり続けることだと思います。そのコミュニティ・カウンシルからは、非常に有効な意見が寄せられています。彼らとは2~3週間ごとに会ってコンテンツを見せ、継続的な議論を行うようにしています。彼らは、我々が作っているものに、製作の非常に早い段階から、フィルターを通さずにアクセスしています。

通常の場合、ファンからフィードバックを受け取るときは、ゲームがほぼ完成した状態で、「これを知っていたらよかったのに、、」と思うものです。彼らが具体的に指摘するということは、それは良くないということなのです。

このゲームは、『Dead Space』ファンの皆さんへのラブレターで私たちもファンの一員ですから、このゲームを作る情熱がすべてに反映されることを願っています。

開発段階から『Dead Space』ファンの意見を構想段階から取り入れ、それを参考にしながら開発を進めているようで、出来栄えは安心出来そうですね。

このインタビュー記事を全文読んでみると、EAが『Dead Space』をまだ諦めていない事が分かりましたし、今回の『Dead Space』フルリメイクを絶対に失敗させたくないという想い、そしてファンからの声をよく聞きながらゲームデザインに反映させ、ファンが受け入れてくれるように慎重に開発を進めているという事も知る事が出来ました。

『Dead Space』の大ファンでもある私も、ますます本作への期待と同時に早くプレイしたいと気持ちが高まるワクワクした内容でした。別の記事では、『Dead Space』がリメイクで復活した背景には、カプコンがバイオハザードの往年の名作をフルリメイクで順調に成功させていることもEAを刺激したようです。

まだ開発初期のようで、発売まで2年、3年後になるのかはまだ分かりませんが、プレイ出来る日が待ち遠しいです。

🔚

【当ブログ関連記事】

【カプコンのバイオ・リメイクがお手本か】噂のDead Space復活は、フルリメイクになるかもしれない模様。

via IGN USA

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

映画、海外ドラマ、音楽、ビデオゲーム、ガジェット、自作ハイエンドPC、車、バイク、政治、経済、株式投資、格闘技、70年代のTVドラマ、超常現象などが大好きな湘南在住の管理人です。東京に住んでいた頃は、ハイエンドオーディオ、ハイエンドホームシアターなど趣味で実践していました。現在は、ソニー4KブラビアX9500Gの85インチで洋画、海外ドラマ、ビデオゲームをYAMAHAのA3070AVアンプ経由で5-1-4 9.1チャンネルのDolby Atmos環境で楽しんでいます。映画やゲームレビューはこのシステムかサブシステムのLG 55インチNANO91 4K 120Hzで検証しています。様々な幅広いジャンルでの経験で得た知識、見識をレビューやエッセイも含め、色々と書き綴って情報発信していきたいと思っています。尚、当サイトで書く内容は、あくまで個人的な好みや価値観での意見を書き綴っていますので、あしからず。 YOUTUBEチャンネルでは、高画質をモットーに4K解像度のゲームプレイ、PCゲームのベンチマーク動画、グラフィック比較動画に加えて他に好きなものなど、色々と公開していきたいと思いますので、お気に召したらチャンネル登録をよろしくお願いいたします。  https://www.youtube.com/user/hidebusa720