超党派のロバート・ガルシア下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)とグレン・グロスマン下院議員(共和党、ウィスコンシン州選出)の2名が、民間航空会社に従事するパイロットやその他の職員による未確認異常現象(UAP、別名UFO)を目撃を、嘲笑や侮辱、報復など仕事に影響を一切与える事なく、安心して報告出来る体制を促進するための新たな法案「アメリカ人のための安全空域法」の導入を発表しました。
グロスマン議員は、下院監視・説明責任委員会の国家安全保障・国境・外交小委員会の委員長で、ガルシア議員は少数派筆頭委員の役職を務めています。同小委員会は2023年7月26日、UAPに焦点を当てた公聴会を開催しています。
この法案では、民間航空機の乗務員やサポートスタッフ、連邦航空局(FAA)の管制官、その他民間航空に携わる者は、標準化されたシステムを通じてFAAにUAP遭遇の目撃を報告することが奨励されます。
法案は、FAAに対し、レーダーデータ、パイロットと管制官の交信、「未確認の異常現象によって引き起こされる可能性のある生理的悪影響、計測器の混乱、干渉、相互作用」に関する日付、関連データの保存を義務付けます。
FAAはまた、このような事故が航空安全上に及ぼす脅威を評価し、すべての報告書を国防総省の全領域異常解決局(AARO)に提出することも求められます。
法案はFAA長官に対し、「一般市民を巻き込み、報告プロセスを公表するためのコミュニケーション戦略を実施する」よう指示します。
これは、UAP目撃した内容を報告する個人に対するスティグマ(嘲笑、侮辱)といった偏見行為を減らし、少しでも多くのUAP活動情報を収集する事を目的としています。
法案はさらに、UAP報告書の提出は、パイロットの「診断書発行のための精神的基準の評価(あるいは)能力評価のため」に使用してはならないと規定しています。つまりUAP(UFO)を見たからと精神的に不安定だとか異常という、民間航空会社上層部のUAPへの偏見のような誤った判断を無くす事です。
また、連邦政府機関や民間航空会社による、UAP報告書に基づく職場での報復行為(地上勤務にされるなどの冷遇)も禁止になります。
ガルシア議員は、リリース文で以下のように述べています。
“UAP目撃報告の透明性は、国家安全保障にとって非常に重要であり、だからこそ民間航空関係者が目撃、遭遇、その関連調査結果などを報告できる場を設ける必要がある。
この法案は、潜在的な脅威を徹底的に調査するために役立つUAP目撃情報に関して、空の最前線にいる人々に貴重な情報を提供する権限を与える重要なイニシアチブである。
アメリカ国民の大多数が、政府がUAPに関する情報を隠蔽していると考えている中で、我々の超党派の取り組みは、アメリカ市民の安全と安心をより良く守るために、UAPに関する連邦政府の透明性の必要性を強調している。”
この法案は、元海軍トップガン・パイロットで現在は「Americans for Safe Aerospace」エグゼクティブ・ディレクターであるライアン・グレイブス氏も支持しています。
“パイロットは訓練された空の監視者でもあるが、UAPを目撃したにもかかわらず、それを政府に報告する手段がなく、不満抱いている大手航空会社のパイロットから何十人もの話を聞きました。”
と述べ、民間航空機でも多くのパイロットがUAPを目撃、遭遇したにも関わらず、仕事への悪影響を恐れて沈黙せざるを得ない現状があったようです。
この法案は、国防総省のUAP調査統括部署でもある「AARO」を創設した法案の一部である「UAP定義」を取り入れたもので、この定義には未確認飛行物体、媒介物体、水中物体なども含まれているようです。
法案の全文(番号はまだ割り当てられていない)はこちらから見ることが出来ます。
今回の出来事に、元国防総省の高官で現在のUAP情報公開機運の流れを作った功労者でもあるクリストファー・メロン氏は自身のSNSで以下のように述べています。
“UAP の報告対象を民間航空にまで拡大し、それによって飛行の安全性と国防総省の空域認識を強化する法案を導入したことを祝福します。これは実装が簡単でコストもほとんどかからず、民間パイロットによる UAP レポートに関する偏見を軽減するはずです。”
そして前述した元海軍トップガン・パイロットで、UAPなどを目撃した軍、民間パイロットが安心して報告出来ることをサポートする「Americans for Safe Aerospace」のライアン・グレーブス氏は、
“本日、ロバート・ガルシア議員(民主党、カリフォルニア州選出)とグロスマン議員(共和党、ウィスコンシン州選出)が提出した超党派の「アメリカ人のための安全空域法」を支持できることを光栄に思います。
本法案は、広く信頼されているNASA航空安全報告システム(ASRS)を応用することにより、民間パイロットに直接的で機密性の高い報告するための手段を提供するものであり、同システムは報告書の公開データベースを公表しています。
本法案はまた
– UAP報告に対する嘲笑、報復、冷遇行為などからパイロットを保護する。
– FAAに対し、データの収集・保存、調査、AAROとの報告書共有を指示する。
– FAAに対し、報告を奨励するための市民参加戦略を策定するよう指示する。
以上の事が義務付けられます。
私、ライアン・グレイブス(@uncertainvector)は、7月に米下院監視委員会で証言した際、ASAに連絡を取った数十人の民間人パイロットを代表して証言し、議会に対しUAPの秘密報告するための手段と民間人パイロットの保護を提供するよう求めました。
私たちは、この法案がパイロットに対するUAP目撃に対する偏見をなくすための歴史的な前進であり、航空安全を向上させ、40,000フィートと宇宙空間の間のグレーゾーンにおける領域認識のギャップを埋めるための現実的な一歩であると信じています。
この報告メカニズムは、NASAのUAP独立調査チームの最終報告書でも支持されています。
私たちは、この法案が提出されるのを心待ちにしており、この法案を推し進めるために尽力するつもりである。皆さんもぜひこの法案を支持してください。”
と述べています。
過去にも、日本航空(JAL)貨物機のベテラン寺内機長が、アラスカ上空でジャンボ機の5〜6倍はあろうかという巨大な母艦UFO(マザーシップ)を至近距離で目撃、追尾されたことを明かし、結果的に寺内機長は地上勤務に降格されてしまった過去があります。
以下は当時寺内機長がFAAの取り調べで書いた直筆のスケッチと説明文です。
中でも興味深い証言が、「明るく光っていたものが近くまで来たときに見えたのは、無数のギアのような物が縦に数十段も重なっていて、そのギアのような物がそれぞれ時計回り、その下は逆時計回り、その下時計回りと交互に逆回転して高速回転しながら何かを噴射していた。」という証言です。しかもそこそこの距離でも熱を感じたそうです。
その異様で圧倒的なスケールの構造を見た寺内機長は
「これはもう我々のレベルではない、地球の次元の物ではない。」
と感じたそうです。
後にFAAのジョン・キャラハン氏が事件当時の実際のレーダー映像をビデオで撮影した映像が残っており、この事件を受けてCIAが秘密裏に会議を行い、レーダーデータなど全て没収し、「この事件もこの会議もなかったのだ。」と会議で威圧的に通達されたことを、当時会議に参加したFAAのキャラハン氏の証言もあります。
幸い、キャラハン氏が自身で撮影したレーダー映像のビデオは黙っていた事もあり、没収は逃れたようです。
これらの状況証拠、複数の当事者の証言から遭遇は実際に起きた事実で、米政府、CIAなどの諜報機関が水面下では事件を認識し動いていた事が判明しています。
今回の米国での大きな動きからも、日本でも民間航空会社のパイロットや職員、または自衛隊内部などでも、嘲笑や偏見、そして仕事への影響なく、安心して目撃した事を報告しUAP活動の情報を収集出来る体制を作るべきではないかと思いました。🔚
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