『 トップガン:マーヴェリック 』2019年予告編で削除されたトム・クルーズのジャケットの背中にあった日本と台湾の国旗が、最終バージョンで戻った理由。

      

実に36年ぶりとなる『トップガン』の続編『トップガン:マーヴェリック』。日本でも先週公開され、海外と同様にメディアもネットも絶賛の嵐で、私の友人も初日に見に行ったようで、「泣けるし身震いするよ!俺はもう1回観に行く!」と興奮して語っていました。

私も1986年公開時にトム(マーヴェリック)やヴァル(アイスマン)のカッコ良さ、ケニー・ロギンスの唄う数々の名曲、一般的には「Danger Zone」が知られていますが、個人的に好きな曲は「Playing with The Boys」でしょうか。

更に天才ハロルド・フォルターメイヤーの作った名曲「TOP GUN ANTHEM」は、今聴いても誰もが胸高まるサウンドでしょう。スティーブ・スティーブンスの唸るギターサウンド、ソロはいつ聴いても痺れますね。私は、正に当時をリアルタイムで楽しんだ世代なので、続編『マーヴェリックは』早く観に行きたいところ。

そんな傑作の呼び声高い『トップガン:マーヴェリック』ですが、今のところは中国での公開を承認されていません。同作はパラマウント・ピクチャーズの製作で、製作費は1億7000万ドル(約216億円)と、数あるハリウッド大作の中でもかなりの予算がかけられた作品でもあります。

1986年の「トップガン」の影響で、米海軍の無鉄砲な戦闘機パイロット、ピート・“マーヴェリック”・ミッチェルを演じるトム・クルーズが着用したG1フライトレザージャケットの姿にあこがれた若者が海軍への入隊者が急増した程の影響を与えたようです。

それほどの影響力のある作品の続編で、しかもトム・クルーズが引き続き出演する。。これほど事前に成功が確実と言える作品はないでしょう。

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、事情に詳しい関係者の話として中国のテンセントは、当初「トップガン:マーヴェリック」に12.5%の持ち分として数百万ドルの出資を提示したようです。

テンセントと言えば、ゲーム業界では最大のゲーム会社として君臨しており、アクティビジョン・ブリザード、UBIソフトの大株主でもあり、EPIC GAMESの買収などでも知られています。

1986年に公開された「トップガン」でトム・クルーズ演じるマーヴェリックが着ていた米空軍のG1フライト・ジャケットには、日本の国旗と台湾の旗などが並んだ大きなパッチが背中に付いていましたが、2019年に初公開された予告編では、日本と台湾の国旗はなくなり、別のデザインに差し替えられていたのです。

2019年公開版の予告編。(1:16秒あたりで問題のジャケットを着るシーン)

「トップガン」は、アメリカ海軍が協力したアメリカの愛国心魂溢れる映画にも関わらず、日本国旗と台湾国旗の削除は、ネットでもメディアでも大きな話題になり、米国の愛国心を称賛する映画なのに、中国の利益に屈して中国側の要求に応えてしまったと多くの批判の声、嘆きなど大きな反応がありました。

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事で述べている事情に詳しい人物によると、日本と台湾の国旗がなくなったのは、テンセントの財務担当者の提案で変更されたそうです。

「日本国旗と台湾の旗が映っていると、中国の検閲当局が中国での公開を承認しない可能性がある。」との懸念を示したようです。中国は、台湾の国家主権を認めておらず、日本とも長年、尖閣諸島を巡って緊張関係にあるので、中国側からしたら中国国内で公開する映画としては認められないという事なのでしょう。

しかし、「トップガン:マーヴェリック」の最終バージョンでは、日本の国旗と台湾の国旗のパッチの付いたジャケットがほんの一瞬、スクリーンに映っているようです。

日本と台湾の国旗が戻ったその理由として、ウォール・ストリート・ジャーナルは、「米軍を称賛するような米国の愛国心を煽る映画に関わったことで、中国共産党の政策当局者の怒りを買うことになるのではないか、との懸念をテンセント幹部が深め、続編から手を引いた。」という事のようです。

今回のテンセントのように映画の出資者が映画から完全に撤退することは異例のようです。結果的に、テンセントはその後、ハリウッドでの事業を縮小したようです。

トップガンのような素晴らしい映画に中国資本が入り込み、中国の主張で映画が修正されるなど、あってはならない事です。中国市場の市場規模の大きさから、収益上大事というのは分からなくもないですが、それでは中国の脅しに屈しているのと同じです。

最近も「スパイダーマン:ノーウェイ・ホーム」で、中国側が自由の女神のシーンを削除するよう要求され、ソニーがそれを拒否し、中国で公開されていない事が明らかになっています。

関連記事:ソニー、中国当局から「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の“自由の女神像”シーン削除要求を拒否していた事が判明。

パラマウントの幹部は現在、『トップガン:マーヴェリック』を中国市場での公開は予定していないようで、その分を米国で予想以上の興行収入を稼いで穴埋め出来る事に期待しているそうです。

これも、『トップガン』と『トム・クルーズ』という2つの巨大な「ブランド力」があるからこそ、見込めるのでしょうけど、今後はこういった中国の圧力に対してハリウッドは極力屈しないで欲しいですね。。

ちなみに、トム・クルーズは『トップガン:マーヴェリック』は「大画面と高品質なサウンドのIMAXシアターで是非観て欲しい。」と言っています。ですので、観に行くなら極力IMAXシアターで観ましょう。

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via ウォール・ストリート・ジャーナル

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