CCP GamesのCEOであるHilmar Veigar Pétursson氏は、韓国の経済誌コリア・エコノミック・デイリーとのインタビューで
「ゲーマーは、オンラインゲームから生み出された物が、現実世界でも利用できることを望んでいます。オンラインゲームのコンテンツは、現実の世界で実用的な価値を持つものでなければならないと思います。ゲームで稼いだお金を使ってゲーマーが老後のプランを立てられるように、ゲーム業界は進化していくべきだと思います。」
SFサンドボックスMMO「Eve Online」で知られるCCP GamesのCEOであるHilmar Veigar Péturssonが、このゲーム内でのブロックチェーン技術の使用例の可能性についてコメントしたのは、これが初めてではないようです。
「私は、ブロックチェーン上に構築された経済は、独自のデータベース上に実装された経済よりも価値のある経済であると考えており、また人々が自分の資産を真に所有できるという考えを開くものでもあります。
ブロックチェーン上のアイテムを議論の余地のない方法で所有する事、、これはこれまでになかったことです。これほど強力な方法で所有権を付与することは、物理的な所有権でさえも、これまでになかったことです。
人々が本当の意味で理解するには何十年もかかるでしょうが、会社独自のデータベースでデジタルなものを所有するということは、“本当の所有“ではないため、いずれは嫌われることになると思います。」
Pétursson氏は、NFT(non-fungible token)やP2E(play-to-earn)の要素を、「Eve Online」に追加する具体的な計画はないことも明らかにしています。
「NFTやブロックチェーンは分散型システムをベースにしているため、CCP Gamesの運営と似ていることから、関連する研究は行っています。しかし、NFTやP2Eを全面的に導入するのは、少し早すぎると思っています。」
と述べ、全面導入するにはまだ時期早々とは言いつつも、ゲームへのNFTやP2Eシステム導入への模索はしているようです。
ゲームとNFT、ブロックチェーンに関しては、最近発表された「Ubisoft Quartz」や「STALKER Metaverse」などのNFTプラットフォームには大きな反響がありましたが、後者については、GSC Game Worldが急遽中止を決定した経緯があります。
しかし、「Play to Earn」(P2E)モデルは少し違います。P2Eゲームでは、ユーザーはゲームの仕組みに参加することで、実際にお金を稼ぐことができます。
代表的な例として、クリエイターが作成したボクセル作品をブロックチェーン技術で収益化できる「The Sandbox」や、ポケモンスタイルのゲームである「Axie Infinity」では、主人公のモンスター「Axies」を育成・訓練し、イーサリアム暗号通貨と交換することができます。
いくつかのレポートでは、フィリピンなどの国で、新型コロナウィルス感染拡大の中、多くのゲーマーが仕事をやめ、「Axie Infinity」に専念し、その過程でトップレベルのプレイヤーは、毎月数十万円稼いでいるようです。
inXile社の社長Brian Fargo氏が設立し、AMDのハードウェアを採用しているPCゲーム配信プラットフォーム「Robot Cache」も、CasperLabs社とのパートナーシップとProof-of-Stakeブロックチェーン技術により、今年はPlay to Earnの要素を追加したようです。
Play to Earn(P2E)モデルが大作ゲームに採用されると、ゲームの難易度バランス、ゲームプレイにも大きな変化が起きそうです。今後、プレイヤーがゲーム内で稼ぐ手段というスタイルが主流になっていくという方向性は、賛否両論ありそうです。従来の「ゲームは余暇で楽しむ」という部分から逸脱しそうな気もしますが、これも時代の流れなのかもしれません。🔚
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