【よく出来た冷却構造】XboxシリーズX|S用、純正Seagate製 拡張1TB SSDカードのTearDown(分解)レビュー記事が掲載される。

海外のゲームメディアVentureBeatのJeffGrubb氏が、マイクロソフトがSeagateと共同開発したXboxシリーズX、シリーズS用の純正1TBの拡張SSDカードのTearDown(分解)レビュー記事を掲載しています。

既に知られている事ですが、マイクロソフトもソニーも、次世代機PS5、XboxシリーズX、シリーズSのストレージ技術で両社とも、Xbox OneやPlayStation 4に搭載されているハードディスクや、SATA(シリアルATA)接続のSSDより桁違いに速い最先端のPCIe 4.0規格のNVMe M.2 SSDを使用しています。

しかし、このハードウェアには少なくとも1つの大きな欠点があります。それは、ハードディスクより容量比で見ても大幅に高価であることです。そのため、XboxシリーズXは1TBの内蔵SSDドライブ、プレイステーション5に至っては更に少ない825GBのSSDを内蔵しています。

Xboxシリーズ X、シリーズSでさらに容量を増やしたい場合は、前述のシーゲイト・ストレージ拡張カードを購入するために220ドル(日本マイクロソフトのページでは32,386円と記載。日本ではまだ販売予定なし)の費用がかかります。

PlayStation5の場合は、ソニーの認定した他社のNVMe M.2 SSDがPS5本体前面右側面にセットして使う事が出来ます。しかし、今のところソニーはまだ認定製品の詳細を発表していません。

Xbox純正のSeagate製の1TB SSDドライブはどうなっているのか興味が湧くところですが、完全にカスタムなSSDドライブなのか、それとも既存の技術を使用しているのか?また、ハードディスク・ドライブが1TBのストレージに220ドル(日本では日本マイクロソフトページで3万2386円と記載)もするとはどういうことなのか、VentureBeatのJeffGrubb氏が分解して検証しています。

XboxシリーズX、シリーズSに搭載されているNVMe M.2 SSDは、PS5同様にPCIe(PCI Express) 4.0の最新規格で接続され搭載されています。拡張SSDカードの大きさは本当にコンパクトなようで、プレイステーションやNintendo64のメモリーカードを連想するほどの大きさのようです。

ご存知の通り、高速なSSDはチップは高温になります。その為マイクロソフトのXBOXチームは、持つ部分だけがプラスチックになっていて、後は全てが金属製になっており、チップから発生した熱を金属ケース全体で放熱させる構造です。

そして、今年3月にデジタルファウンドリがマイクロソフト本社を訪れて、XboxシリーズXの本体内部の全てを公開された際に、この拡張SSDカードのスロット内部も公開されていました。それによると、拡張SSDを挿すメタル製スロット自体に2つの爪があり、スロット全体と爪で拡張SSDカードに触れる構造になっており、拡張SSDカードからの熱がメタルスロットに伝わり、本体の冷却構造と一緒に冷却されるという構造になっている事が判明しています。

つまり、拡張SSDカードの冷却も非常によく考えられた構造になっています。拡張SSDカードを開けてみると、サーマルパッドが両面に貼られており、金属製のカード本体ケースに熱がしっかり伝わる構造になっています。つまり拡張SSDカードの本体が金属ケースなのは、放熱を考慮しての構造な訳です。

          

チップはSK hynix製となっています。JeffGrubb氏は、「私はNANDの専門家ではないが」と前置きした上で、「これはSK Hynixの新しい4D NANDで、メモリ・セルを128層に積み重ねたものだと思います。Seagateはこのような小さなフォーム・ファクタの中に、1TBものストレージ・スペースを1つのチップに搭載することができたのです。」としています。

注目は、Phisonのコントローラで、JeffGrubb氏は「Phison E19T PCIe Gen 4コントローラは信頼性とスピード感のあるパフォーマンスで業界をいち早くリードしている。」と評価しています。リンク先のVentureBeatの記事では更にPhison製SSDコントローラの写真など豊富に掲載されているので、ご興味のある方はご覧になってみてください。

この様に、XboxシリーズX、シリーズS用の拡張SSDカードは、放熱性を第一に考慮し金属ケースにしているので、前述の4D NANDチップに加えて当然コストもかかるので高価なのかもしれません。

しかし、マイクロソフトは、今後純正だけでなくサードパーティ各社でXBOX認定の拡張SSDカードが出てくる事も仄めかしているので、今後は1TBだけでなく様々なバリエーションの容量も出てくると思われます。

XboxシリーズXはコンソール史上初で前例のない画期的な2分割マザーボードでコンパクト化し、ヴェイパーチェンバーで冷却する手法といい、今回の拡張SSDカードにしても、本当に細部まで冷却など配慮されてよく練られて設計、作られているなと再認識した次第です。正に技術の結晶と言えるでしょう。

これは同じく前例のない「液体金属」を使用した、PlayStation5にも言える事で両社のエンジニアリングの方々のノウハウ、先端技術とエンジニアの方々の血と汗の結晶の結果、両機が生まれたわけです。そんな開発者の方々の思いを念頭に置いて次世代機を待ち、手元に来たらそれを思いながら触れてみると、また違った視点で見る事が出来るかもしれません。🔚

via VentureBeat @JeffGrubb

2 件のコメント

  • 素晴らしい内容です
    ゲハ論争に終始するコンソールウォーリア共に辟易とした心が洗われます。
    先端技術とエンジニアの方々の血と汗の結晶であるPS5・Xbox Seriesを共に我が家に迎えたいです!!!!
    なのでXbox Series XはゲットしたのであとはPS5が抽選で受かるのを祈るのみです。

    • ありがとうございます。
      PS5の熱設計の鳳さんのコダワリ、思いを語るインタビュー記事を見て、
      そしてXboxシリーズXのXBOXチームの方々の話も事細かに知っていると、
      リスペクトしかないんですよね。。やはり両機ともに影の主役は開発チームの方達で、
      我々が想像出来ないような苦労をされて来ていると思うと、

      やはりその思いを感じながら触れたいなという気持ちになりましたw

      自分はPS5の抽選3回とも外してしまい、入手の目処は立っていません( ; ; )
      年内はもう厳しいかなと感じております。。⤵︎

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