パナソニック ビエラ 有機ELフラッグシップ 2023年モデル MZ2500(MZ2000)の気になる海外での評判は?

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ようやく日本でも5月11日に7月21日発売と発表されたパナソニック ( Panasonic ) ビエラ( VIERA )の有機ELフラッグシップモデルLZ2000の後継機であるMZ2500。

海外ではMZ2000のモデル名で発表されていますが、現在はまだ1月のCESで公開された実機のみの映像で、日本でも7月21日発売とまだまだ先ということもあって、実機の情報が乏しい状況です。

MZ2500(MZ2000)は、LGがCES 2023で発表したMLA(マイクロレンズ・アレイ)技術とブライトネス・ブースターMAX技術を組み合わせた「METAテクノロジー」を採用したモデルですが、パナソニックは独自のパネル・カスタマイズで知られる通り「マイクロレンズアレイ」パネルだけをLGから調達し、パナソニック独自にパネル直下にメタルシートを追加した「デュアルメタルヒートレス構造」と、MZ2500に最適化した新たな独自パネル制御技術「ブライトネス・ブースター」技術によって仕上げたものになるようです。

MZ2500関連の記事を読んでみると、同世代の「マイクロレンズアレイ」技術を採用した、LG OLED G3にはない独自の放熱構造をカスタマイズしており、G3よりパネルの放熱性能も向上している可能性があります。

このマイクロ・レンズ・アレイ技術の恩恵としては、マイクロメートルサイズの極小レンズを、1画素あたり数千個の凸レンズを隙間なく有機EL発光層と一体化し、パネル内で失われていた迷光を前面に取り出すことで輝度が大幅に向上し、更に視野角も30%近くも拡大するようです。

そして、今までの有機ELはピーク輝度が液晶より暗く、明るい部屋では有機ELは苦手とされていましたが、先に「マイクロレンズアレイ」技術を採用したLG OLED G3の海外評価は「明るい部屋での視聴」などで高評価を獲得していて、こうなるとMZ2500(MZ2000)も期待が高まります。

有機EL専用の映像処理回路「ヘキサクロマドライブ プラス」は、2023年モデルの「MZ2500」では色ごとの特徴を検出して補正を最適化することで、従来は色が濃すぎて階調が飽和していた映像も、鮮やかさを保ったまま階調を表現可能になり、鮮やかさに欠けた映像でも階調を保ったまま、より鮮やかな色が表現できるように進化しているとの事です。

HDRの高輝度時の色抜けも、シーンに応じてHDRトーンマッピング処理を動的に変化させる新技術「ハイブリッド・トーンマッピング」を採用し、高輝度域でも色鮮やかな映像を実現しているとの事。

私も発表当日の5月11日に速攻でMZ2500を予約した事もあり、個人的にも気になっているので、1月のCES2023でのMZ2000の海外評価はどうだったのか、色々とネットで調べてみました。

しかし、 パナソニックはアメリカでは現在TVを販売していないので、中々MZ2000の詳しいレビュー記事がなかったのですが、「Trusted Review」の記事が興味深い内容だったので、ご紹介したいと思います。あくまでも1月のCESでのプロトタイプでのレビューということは念頭においておいてください。


有機ELテレビの次の戦場が“明るさ”だとしたら、パナソニックのMZ2000は手ごわい存在になるはずです。CES 2023で初公開されたこのモデルは、パナソニックの現在の有機ELテレビの最上位機種であるLZ2000の後継機種です。

MZ2000は、少なくとも絵作りのチューニングに関しては、まだまだこれからですが、見せてくれたものは、非常にエキサイティングなものでした。2022年最高のホームシアター用有機ELスクリーンは、2023年に向けて有意義なアップデートを遂げようとしています。

外観上、MZ2000は昨年のフラッグシップモデルLZ2000と大きく差別化するものはありません。本体デザインも同じで、寸法も作りも変わりません。

前方にはおなじみのアレイ・スピーカー群、背面にはハイトスピーカーとサイドスピーカーが搭載されています。薄型ベゼルのセットは、中央の回転式ポディウムマウントに取り付けられています。リモコンも前年モデルと同じ、高級感のあるものを採用しています。

見た目こそ昨年モデルと変わらないですが、中身の性能には大きな変化がボンネットの下にあるのです。

有機ELパネルの構造変更により、HDRのピーク輝度を飛躍的に向上させたほか、オーディオや操作性にも磨きをかけています。

MLA(マイクロレンズアレイ)のメリットは、HDRだけでなく平均輝度レベル(APL)も向上させるため、どのような画質であっても全体的にパンチのある映像になります。そのため、明るい部屋での視聴では、MLAの有機ELがミニLEDの代替となることにも納得するでしょう。

MZ2000(MZ2500)の最も際立っているアップグレードは、LG Displayの第3世代MLA(Micro Lens Array)OLEDパネルと、新しい独自のデュアルヒートシンク構成のパネル放熱システムの採用です。

MLA OLEDパネルは、マイクロメートルの凸レンズの層で構成され、視聴者に向けた光の放射を最大化します。これにより、光がモジュール内で乱反射するのを防ぎ、輝度を大幅に向上させることができます。さらに、金属と非金属からなるパナソニック独自の二重構造熱管理ソリューション(パナソニックによると、LG G3でも採用されていない独自放熱構造)により、スクリーンから熱を効率良く放出することができます。パナソニックはこの有機ELの設計の総称を「Master OLED Ultimate」と呼んでいます。

【ピクチャークオリティ】

・明るさの向上

・明るい場所での視聴に適している

・より高輝度な色彩

画質性能の原動力となるのは、パナソニックのAIプロセッサー「HCX Pro」です。ピークホワイトのHDRは、昨年のLZ2000から50%向上すると言われましたが、この数値は実際にはどれだけドラマチックに見えるかを正しく評価するものではありません。しかし、我々が実際に見たデモでは、LZ2000と比べてハイライトの明るさは段違いです。

昨年のLZ2000は、Trusted Review Awardsを受賞しているだけのことはあるのですが、新モデルMZ2000(MZ2500)ではさらにパワーアップしています。漆黒の背景にライトで照らされたクリスタルの花瓶のデモでは、まるで画面から飛び出してくるような輝きがあり、HDRのハイライトが立体的な奥行き感を与えています。

パナソニックは、HDRのピーク輝度を2022年のLZ2000の1000nitに対し、MZ2000は1500nit弱としています。

平均輝度レベル(APL)を上げると、黒に近い部分、つまり真っ暗な部分と影の部分の間にある微妙な階調ディテールが失われることがあります。しかし、私が見た限りでは、この点は全く犠牲になっていません。このパネルでは、暗部の階調表現が芸術的に表現されています。

もう一つ注目なのは色再現性で、明るい原色の輝きが増しています。最終的なカラーチューニングは、ハリウッドで数々のメジャー大作を手掛け、数々の賞を受賞しているカラーリストである、ステファン・ソネンフェルド氏が担当します。

なお、視聴はすべてVivid(ヴィヴィッド=鮮やか)画像プリセットで行いました。今回のサンプルはまだプロトタイプであり、すべての画像モードが正しく設定されるまでにはまだ時間がかかります。しかし、現段階(1月上旬)の時点では非常にエキサイティングです。

【サウンド・クオリティ】

・約束された低音の改善

MZ2000の360度サウンド・システムは、少なくともハードウェア面ではLZ2000と変わりませんが、パナソニックは新しい「低音ブースター・アルゴリズム」によって、低音の改善を約束しています。この点については、最終的なレビューサンプルが届くまで待つ必要がありそうです。

【フューチャー】

・HDMI 2.1入力はいまだに2系統

・新たな「True Game Mode(ゲームプロ・モード)」

パナソニックは2023年の今年、ゲーム体験に興味深い改良を加え、ゲーム関連機能を更に強化する予定です。

ALLM(自動低遅延モード)、HDMI VRR(可変リフレッシュレート)、AMD Freesyncに加えて新たにNvidia G-Sync Compatible を追加しています。大型の有機ELゲーミングモニターをお探しのPCゲーマーには朗報でしょう。

また、本機では新たに「True Cinema(映画プロ)」のゲーム版と言える「True Game(ゲームプロ)」モードを搭載し、ゲームプレイに究極の色精度をもたらすようです。

このTrue Game(ゲームプロ)モードは、「Calman Color Software」を使用してキャリブレーションすることも可能です。Xbox Seriesコンソールで4K 120fpsの「True Gameモード(ゲームプロ)」を実行したところ、ディテールに優れ、バターのように滑らかで、本当に素晴らしい映像でした。

「True Game(ゲームプロ)モード」に合わせて、新しいゲーム用のオーディオプリセット「FPS」(左右の動きを聞き取りやすくするために音場を最適化)や「RPG」モードが用意されています。

「FPS」モードは、左右の動きを明瞭に聴き取りやすくするため、音場を誇張しているのがわかります。

「RPG」モードでは、少し音量が小さくなるものの、より明瞭になるようにセリフなどが強調されます。

その他、HDや低解像度のソースをアップ・コンバートする新しい「ストリーミング・リマスター・アルゴリズム」を搭載しています。

MZ2000は、少なくとも絵のチューニングに関しては、まだまだこれからですが、今回見たものは、非常にエキサイティングなものでした。

2022年最高のホームシアター用有機EL TVは、2023年に向けて有意義なアップデートを遂げようとしています。パナソニックMZ2000は、すでに2023年の必見テレビの1つです。間違いなく注目すべき1台です。


1月のCES 2023時点での海外メディアレビューではありますが、日本発売は7月21日とまだ先ですし、実機映像のレビューは1月時点のものがほとんど。日本発表時に実機が展示されていましたが、特に詳細なレビューもなかったようなので。。

しかし、昨日お笑い芸人のかじがやさんの運営するYOUTUBEチャンネル「かじがや電器店」で『MZ2500』の実機を前にしての紹介動画が公開されています。大まかな製品紹介ビデオという感じではありますが、MZ2500の実機の映像(デモ映像)も結構見れるので、現時点では貴重な情報源とは言えそうです。

そして、その他の海外メディアもファースト・インプレッションは昨年のLZ2000と比べて、とにかく明るくなっているというのは一目瞭然なようです。LZ2000でも高評価だった輝度が大幅に向上して暗部階調も変わらず優れたものだったようです。

他にもwhathifi.comのレビューでは、

“パナソニックのMZ2000(MZ2500)は革命というより進化を感じさせるが、特に重要な画質面では、「マイクロレンズアレイ」技術が有機ELのアキレス腱(弱点)を改善する効果があると思われ、非常に有望である。

デモでは、MZ2000のピーク輝度を1,456nits、横に置いた2022年製LZ2000のピーク輝度を1,000nits弱と測定している。

パナソニックが主張するように、本当に「最も明るい画像」であるならば、LZ2000(昨年モデル)をベースとした品質により、今年もテレビの頂点に立てるような競争力を維持することができるだろう。

もちろん、MZ2000は同じマイクロレンズアレイ(MLA)のLG、更にサムスン、ソニーのQD-OLED(量子ドット有機EL)と競合することは間違いなく、熱心なゲーマーにとって最有力の選択肢とはならないかもしれないが、初期の兆候としては非常にポジティブと言える。”

との事。

昨年モデルのパナソニックLZ2000は海外で画質面でレベルの高いライバルとの比較視聴でも、高い評価を得ています。

以下のYOUTUBEチャンネルHDTVTestの動画では、英国のテレビ・映画制作会社「Fulwell 73」の9人の映像プロフェッショナル審査員が、ポーランドのカラリストMacie Koper氏がキャリブレーションしたマスターモニターEIZO「CG3146」を中心に据え、左右には完全に覆面され機種判別が不可能な状態で並べられたLG、SONY、サムスンなどの有機EL TVを比較視聴審査した結果、パナソニックの2022年有機ELビエラLZ2000(2023年モデルはMZ2000=MZ2500)は多くの項目で上位にランクインし、最終的にベストTV 2022として1位のソニーA95Kに次いで僅差の2位に選出されています。

しかし、パナソニックはアメリカ市場から撤退以降、アメリカでは販売を再開していない事から、関連YOUTUBEのコメント欄でもパナソニックが米国市場に戻ってきて欲しいという声がありました。

MLAを採用した、LGのG3、サムスンの第二世代QD-OLEDの95Cモデルなどのレビューをみてみると、とにかく印象的なのが大幅に向上した明るさ。

今まで有機ELについては、暗い部屋では最高だが明るい部屋ではイマイチ、という時代は2023年モデルで終わりを告げようとしていると感じます。

日経のXTECHによりますと、METAテクノロジー採用の2023年パネルラインナップは

8K= 88型、77型(120Hz)

4K= 77型、65型、55型(120Hz)

WQ(3440×1440)= 45型(240Hz)

QHD(2560×1440)= 27型(240Hz)

となるようです。

この事から、近い将来に「METAテクノロジー」パネルを採用したPCモニターもリリースされそうですね。

『MZ2500』の製品版の実機レビューは、早くても7月以降でないとなさそうですが、海外レビューの評価の高さからも、期待して良さそうな内容になりそうです。🔚

via Trustedreviews , whathifi

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