3月5日ロサンゼルスで開催されたAlienConで、国防総省のUAPタスクフォース(UAP対策本部)の元責任者だったジェイ・ストラットン氏と、2019年に国防総省のUAPタスクフォースのチーフ・サイエンティストを務めたトラヴィス・テイラー博士の2人が、2019年7月にアメリカ西海岸沖の海軍艦船8隻の船団の周囲を飛び回った謎の物体群について、公式調査の秘密を明かしています。
ストラットン氏とテイラー博士は、「調査によってロシアや中国が信じられないようなブレイクスルーとなるドローン用バッテリー技術を実現しているのではないか、と本気で危惧した。」と語っています。
ストラットン氏とテイラー博士は、この話を明かした事で機密情報が漏れることはないと明言しましたが、これまで公開されたことのない公式調査の詳細が明らかにされました。
昨年2022年5月、半世紀ぶりUFOに関する公聴会が行われ、ストラットン氏とテイラー博士の上司であるスコット・ブレイ海軍情報部副部長は、今回のストラットン氏とテイラー博士の話とはまったく違う内容の説明を議員らにし、映像を否定しています。
彼らは、かつての上司であるスコット・ブレイ海軍情報部副部長と、ロナルド・モールトリー国防次官(情報・安全保障担当)が下院情報委員会で証言しているのをTV中継で見たそうで、ブレイ海軍情報部副部長は議員らに、米国西海岸沖の海軍の艦船USSラッセル付近で、明らかに三角形の形状で点滅する飛行物体を、緑色の暗視カメラの映像をスマートフォンで撮影した2019年7月の動画を説明し「物体はドローンであり、その三角形に見える形は実は物体そのものの形状ではなく、カメラのレンズのフィルターによってそう見えているに過ぎない。」との見解を示しました。
その映像は、ストラットン氏とテイラー博士とその事件を調査し、高官向けにまとめた2020年のブリーフィングで、甲板上の水兵が撮影したビデオを使ったそうで、国家安全保障上の問題を引き起こした本物のUFO事件の1例として説明したそうです。
しかし、国防総省は公聴会でのロナルド・モルトリー国防時間とスコット・ブレイ海軍情報局副局長が行った証言を支持すると述べています。
テイラー博士とストラットン氏は、当時ラディアンス・テクノロジーズのランチルームで歴史的な公聴会を見ていたそうです。
“公聴会で、ラッセル事件のことを話し始めた時、私は彼らにそのような説明はしていないのです。私たちが言ったことではない。あの公聴会を見て、トラヴィスと私は本当に、本当に動揺した。”
と述べています。
“当時、米海軍空母打撃群(キャリア・ストライク・グループ)の司令官から『ジェイ、UAPが出たぞ』というメールが来たのです。”
*UAPとは政府用語の「Unidentified Anomalous Phenomena(未確認の異常現象)
“早速調査を開始し、データ収集し、目撃者と会話を始めるために、1日以内にヘリコプターで各艦に行き、すぐにデータをワシントンにすべてを持ち帰らせました。”
ドローンの誤認という単純な誤認ケースとは異なり、複数の米艦船に約100個もの物体(中には本当に「三角形」の物体もあった模様)が「群がる」衝撃的な出来事で、アメリカの敵国が新たにブレイクスルーとなる画期的なバッテリー技術を解明したのではないかと心配になるほど、その物体群は長い距離と時間を飛行していた。”
と述べています。
この事件は驚いた事に、何時間も続いたそうで、しかも1ヶ月間に渡り繰り返し起きたそうです。
ストラットン氏は、元海軍情報部の高官で、2スター提督に相当する階級であり、物体が米国のものではないと判断できるほど、高いセキュリティ・クリアランスを持っていたそうです。
それだけに、公聴会での事実とは違う説明にストラットン氏は
「私が用意したであろうレベルのブリーフィングと準備がされていなかっただけでしょう。」
と述べましたが、テイラー博士は
「一年中練習してプレーオフに臨み、42対0で負けたような気分だった。公聴会での説明は本当に奇妙で、事実とは異なる。腹の底から蹴られたような気分だった。」
と述べ失望した事を吐露しています。
この事からも、調査にあたった当事者である両氏が証言した事で、公聴会で海軍情報部副部長が議員らに説明した内容は、虚偽だったという事になります。
どうやら、半世紀ぶりにUAP公聴会が開かれたにも関わらず、未だに真実を公表しようという姿勢ではないようで、隠蔽体質が根強くあるようです。
パネルトークでは、ストラットン氏、テイラー博士も「三角形に見える物体」の形が、カメラのレンズ内のフィルター形状によってそう見えたものだという説、あるいは有名なUFO論者のミック・ウェストが主張している、夜空の星がピンぼけになっただけだという説を力強く否定しています。
“私の最初に取得した博士号は光学科学と工学でした。画像を取り込んで逆フーリエ変換したところ、動いている1つの物体は星ではなく、他の物体は動いているのに、完全にピントが合っていないことがわかったのです。近くで見ると、三角形のような形をしています。それを熱分析すると、三角形の角にそれぞれ明るい斑点があることが分かりました。それが何なのかは分からないが、ただ、それぞれの角に明るい斑点があることだけは確かです。”
と述べ、詳細な画像分析の結果、物体の一部は実際に三角形だった事を述べています。
議会公聴会数日後に、海軍はブリーフィング・スライドを公開し、その物体が「クアッドコプター型UAS(無人航空機)」であり、近くの香港籍の貨物船から来た可能性が高いと示唆しました。
情報公開法に基づき公開された海軍の文書によると、この物体の能力は、高度21,000フィート(約6400メートル)で滞空可能で、4時間以上の飛行、1回の飛行での長距離移動、そして海軍の対ドローン兵器の効果がないことが明らかになったそうです。
海軍の文書によると、香港の船「バス・ストレイト号」は、いくつかのUAP事件が発生した際、約100マイル(約160Km)離れたカリフォルニア州ロングビーチに停泊しており、UAP大群の発生源であるとした事に、疑問を呈しています。
テイラー博士はAlienConの聴衆に対し、
“政府のNDA(秘密保持契約)の関係で、「バス・ストレイト号」のことはあまり話せません。”
と述べたそうです。
テイラー博士は
“物体が米国で最高の小型無人機を凌ぐ驚異的なバッテリーパワーを持っていたか、もしくは米海軍空母打撃群の誇る超高性能レーダーに検知されなかった船から発射されたドローンか、そのいずれかでしょう。これは、閉鎖された軍の演習場で起きたことです。つまり、空域は飛行機が飛び交うこともなく、船が動き回ることもないのです。
私たちは、ドローンの最適なバッテリーライフサイクルについて分析を行いました。クアッドコプターや、その他の超効率的で軽量なドローンに搭載して飛ばした場合、バッテリーが切れる前に近い場所から離着陸出来る場所が必要で、そうなると制限エリアの外である必要があるのです。そこで気になったのが、同業他社が開発したバッテリー技術で、私たちが持っていない技術のものがあるのかということです。”
とテイラー博士は述べています。
“もしかしたら敵国の潜水艦が近くにいたかもしれない、と思う人もいるでしょう。しかし、敵国の潜水艦が米国にあそこまで近づいたにも関わらず、気がつかなかったのならば、私は今までのすべての仕事に失敗したことになります。海軍情報部がそんなことをさせるはずがありません。もしそうなったら、その時点でデフコン4か3(警戒体制)に移行しているはずですが、そうはなりませんでした。”
とテイラー博士は述べています。
テイラー博士は、2019年から2021年まで国防総省のUAPタスクフォースでストラットン氏のために密かに働きながらも、ヒストリーチャンネルの「スキンウォーカーの秘密」のTV番組では実践的な科学者として出演し実験をサポートしています。
このように、議会の公聴会で事実とは異なる報告がされていた事は驚きと同時に、今後の報告も本当なのか?となってしまいます。
やはり、内部告発者が出てきて決定的な映像などの証拠をリークしない限り、また有耶無耶にされて収束してしまう事だけは、ない事を祈りたいところです。🔚
via mailonlineNEWS
hidebusa様、興味深い話題ありがとうございます
2019年にカリフォルニア沖で訓練中のイージス艦に群がった100機余りの物体は中国の偵察ドローンだと国防総省は結論付けたようですが、視界の悪い夜間で移動する軍艦を長時間監視し続けることなど出来るのでしょうか?
アメリカ軍は訓練中の軍艦の真上を飛び回るドローン群に指をくわえて眺めている事しか出来なかったのでしょうか
テイラー博士も指摘されていますが近くに発着母艦がいるはずですがそれも探知できないほどアメリカ海軍のイージス艦は無能なのでしょうか
おそらく、物体がレーダーをかいくぐるようなクローキングデバイスを
搭載していたとしか思えないですよね。。
テイラー博士は立場上、NDA(秘密保持契約)の縛りがあると思うので、
直接的な言及が出来ないので、暗に匂わす事でガチの未確認物体だった事を
知らせたかったのかもしれません。(ブレイクスルーなバッテリー技術への言及も含めて。)
そして米海軍の対ドローン兵器も効果がなかったようですしね。
逆に、敵国へのメッセージという説もありますね。
未確認物体の多くが、実は極秘の米空軍?の兵器で、
米国は既にここまでの技術を保有しているんだぞという威嚇というか
静かなる警告というか、、
色々と推測出来ますよね。。
とにかく、近い将来真相が明らかになって欲しいです。