マイクロソフトは、ソニーがアクティビジョン・ブリザードと契約していた、既存のマーケティング契約期間を超えて、更に”数年以上 PlayStationで「Call of Duty」を提供し続ける”ことを確約したようです。
Microsoft GamingのCEO兼Xboxの責任者であるフィル・スペンサー氏は、今年初めにPlayStationの責任者ジム・ライアン氏に宛てた書簡で、この約束をしたようです。
これは、Microsoftのアクティビジョン・ブリザードへ687億ドルの(約8兆円)の買収提案取引が規制当局によって承認され、買収が成功したとしても「Call of Duty」がPlayStationプラットフォームから直ぐになくなる事はないことが、確定したと言ってもよいでしょう。
Microsoft GamingのCEOであるフィル・スペンサー氏はテックメディアの「The Verge」に対して、以下の声明を出したそうです。
“1月に我々はソニーに対し、現在のソニーとの契約期間を超えて少なくとも数年間、機能とコンテンツのパリティを保ちながらPlayStationへの「Call of Duty」提供を保証する署名入り契約を提供しましたが、これは通常のゲーム業界の契約期間をはるかに超えるオファーです。”
ブルームバーグは今年初めの報道で、Microsoftが “少なくとも今後2年間” は「Call of Duty」をPlayStationで発売することを約束しているとしていましたが、マイクロソフトは2月にCall of Dutyを “既存の契約を超えてPlayStationで発売し続ける “と公約していました。
この事から、ソニーの「コール・オブ・デューティー」の「既存契約」は、今年一杯までだった可能性もありますが、意外と早い段階でマイクロソフトはソニーに複数年の供給確約をしていたようです。
マイクロソフトが、アクティビジョン・ブリザードの買収提案が公になって以降、引き続き供給するとアナウンスはしていたものの、「Call of Duty」が買収成功以降はPC、XBOXの独占になるのではないかとプレイステーション・ユーザーが懸念するのも仕方ないかもしれません。
なぜならマイクロソフトは、ゼニマックス・メディア・グループ買収後に、PlayStationの「Deathloop」「Ghost Wire Tokyo」については、ソニーとの既存の契約上の合意を維持すると約束はしていましたが、結果的に「Redfall」と「Starfield」はXboxとPCの独占タイトルとなりました。
「スターフィールド」に関しては、以前にGameinformerが「マイクロソフトがゼニマックス・メディア・グループ(ベセスダも含む)を買収する数ヶ月前に、ソニーが「スターフィールド」時限先行独占契約をオファーし、交渉していた。」事も報じられているので、「スターフィールド」に関しては結果的にPC、XBOXの独占になったのは、そういう裏事情も関係しているのかも?しれません。これはあくまで推測に過ぎませんが、、
関連記事:【GameInformerジャーナリスト】「ソニーはXboxのゼニマックス・メディア買収前に、スターフィールドとの契約交渉をしていた。」らしい。
マイクロソフトがアクティビジョン・ブリザードを買収する事によって「Call of Duty」ブランドが与える影響と懸念は、英国の競争市場局(CMA)がマイクロソフトのActivision Blizzardとの取引をより詳細に調査する動きを見せたことにも大きく影響しているようです。
CMAは、マイクロソフトが「Call of Duty」や「World of Warcraft」などのゲームを支配することで、シェアを争うライバルに対して損害を与える可能性があるかどうかを判断するため、独立委員会を任命し、第2段階の調査へと移行しています。
こういった背景もあり、マイクロソフトは買収提案が当局に承認されるために、早い段階で独占などはせず、ライバル(ソニーのプレイステーション)に引き続き供給し、損害を与える事はない。という姿勢を明らかにしていましたので、今回の早い段階でソニーへの異例のオファーもそういった当局の懸念を払拭したい狙いもあるでしょうね。
しかし、ソニーは2015年から「コール・オブ・デューティー」のマーケティング契約、ダウンロード・コンテンツの先行独占、完全独占などを行なってきた経緯もありますが、とは言え、今回のフィル・スペンサー氏からジム・ライアン氏への異例の複数年ブランド供給の確約で、プレイステーション・ファンはしばらく安心して良さそうです。
来年の6月末までに買収承認の結果が出て以降、数年以降ではどうなるのかも注目されそうです。🔚
via TheVerge
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