新型のiPad mini(6世代目)には、先日発表されたiPhone13ファミリーと同じ、最新かつ最高性能のA15バイオニック・チップ(以下 A15)が搭載されています。この発表はある意味サプライズで、iPad miniのアップグレードを待っていたユーザーだけでなく、iPadユーザーからも歓迎されました。それもあって、ネット界隈では新型iPad miniイチオシで溢れていますが、Appleはこのタブレットの性能について明確な情報は説明していませんでした。
最新のベンチマークテストによると、新型iPad miniに搭載されているA15は、iPhone13より低クロックで動いているようで、“いくつかのテスト“では昨年のA14に負けているようです。
iPhone13のA15は「3.23GHz」で動作していますが、新型iPad miniでは、何らかの理由でクロックスピードを3.23GHzから2.99GHzに下げているようです。この周波数を下げたことで、iPhone 12 Pro Maxに搭載されているA14は、複数のシングルコアテストにおいて、新型iPad miniのA15より僅かな差で勝っています。
しかし、マルチコアのテスト結果では新型iPad miniのA15が2つのベンチマーク以外は全て勝っています。しかも負けた2つのテストも僅差の負けです。新型iPad miniのA15 は、クロック速度が低下しているにもかかわらず、音声認識マルチコアテストではA14に対して23%の差をつけています。
テキスト圧縮では、新型iPad miniのA15はiPhone 12 Pro Maxに14.9%の差をつけています。しかし、その他のテストでは、差はあまりありません。
Appleが今回のA15に大幅なCPU性能の向上をもたらすことができなかったのは、アップルの有能なチップエンジニアが会社を去ってしまったからではないかという推測を裏付けるものだと言われています。
Semianalysisによると、2019年にNuviaが設立され、その後Qualcommが14億ドルで買収し、AppleのチーフCPUアーキテクトであるGerard Williamsをはじめ、100人以上のAppleエンジニアがこの会社に移籍しているようです。
さらに最近では、Rivos Incという新しい高性能RISC Vのスタートアップ企業が設立され、そこには多くのAppleシニア・エンジニアの人が含まれているようです。これにより、アップルからの頭脳流出は続いているようです。
かつてAppleが、Intelをはじめとする頭脳を流出させ自社に獲得しましたが、現在はその逆現象が起こっているようです。
A11からA12では15%の向上しか得られず、A13からA14バイオニックでは8.3%の向上と弱くなっており、Semianalysysは「A16バイオニックがアーキテクチャの大幅な革新をもたらすことを祈っている。」としています。
このような経緯もあってアップルは、A15をスマートフォンに最適なチップセットにするために必要な人材が不足していたため、Appleに残された道は、細かな改良を加えることにして、Aシリーズの大規模テコ入れは2022年に延期されたようです。
結果、AppleはA15で全く新しい新設計コアを使用せず、A14の改良型を使用したとのことです。
とは言え、Appleのチップエンジニアは、A15に「いくつか」の変更を施しているようで、iPhone 13 Proに搭載されているA15チップは、GPUテストでA14チップを圧倒し、55%の性能向上をしています。
今後、A15を搭載したiPhone13ファミリー、新型iPad Miniが発売されれば、より多くの比較テストが出てくることでしょうけども、A15で本格的なCPU性能向上を期待するならば、iPhone13は見送った方が良いかもしれないとしています。
自分はiPhone 11 Pro Maxなので買い替えますが、iPhone12ファミリーのユーザーさんは、余程カメラ性能にこだわらない限りは、来年のiPhone14まで待った方が良いかもしれませんね。
新型のiPad Miniは、何より久々の大進化で、A15搭載、5G対応、アップルペンシル2にもしていますし、事実 最高性能のコンパクトタブレットで「買い」である事に変わりはないでしょう。2021 M1チップ搭載 iPad Pro 12.9インチ 1TBモデルを使っている自分でさえ、欲しいくらいですw 🔚
via Semianalysis
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