Microsoft XBOX Game Studioがレッドラインを超えて自社ゲームをプレイステーションで展開し始めた事についての私感。

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先週、突如 Forza 公式 SNS アカウントが、『 Forza Horizon 5 』を今春に プレイステーション5 で発売予定である事を発表しました。

この発表は、ゲームコミュニティでも賛否両論、話題になり騒々しくなりましたが、発表の前にマイクロソフトのゲーミングのCEOフィル・スペンサーさんは、私たちのゲーム(マイクロソフト傘下スタジオ開発)にレッドライン(限界線)はもうありませんと明言していました。

つまり、これの意味する事は、「マイクロソフトのゲームは今や1プラットフォームだけではなく、より多くのプラットフォーム、より多くの場所でプレイされるべきで、より多くのプレイヤーにプレイして欲しい」という事です。

マイクロソフトがこのような大転換をした要因はいくつか考えられますが、まず一つはXBOXコンソールがXBOX360で大成功し、PS3にシェアでほぼ同等に追いついたのに、Xbox OneのKINECT戦略で大失敗し、シェアを大きく落としPS4の半分になりました。そして現行機のXbox Series X|Sは素晴らしいハードウェアにも関わらず、結果的に現時点ではプレイステーション5に半分かそれ以下と2世代に渡り、コンソール台数のシェアでは事実上、敗北を喫しています。

その事から、マイクロソフトは今までのコンソール販売促進戦略から転換し、月額のサブスクリプションサービス(マイクロソフト曰く、ゲーム版NETFLIX)を強化する戦略に変えました。それ以降、ゲームパスラインナップを強化するために、有力スタジオを次々に買収し、ゲームパスの恒久的ゲームリストを強化する事に邁進して来ました。その象徴的な3大買収がマインクラフトのモーヤンスタジオ買収、ゼニマックス・メディグループ(ベセスダを含む)の買収、そしてアクティビジョン・ブリザードの買収でした。

これらの買収でゲームパスのラインナップは、一気に豪華で多彩な物になりました。ベセスダタイトルやコール・オブ・デューティー新作( ブラックオプス6 )は、発売初日からゲームパスで遊べるようになり、ゲームパス契約者は1万円近くするタイトルを買わずに、追加料金なしでデータをダウンロードしてフルに遊べるようになったのは相当に大きい。

ゲームパスの契約者数は、当初こそ快調に契約者数を伸ばして来ましたが、徐々に増加ペースはスローダウンし、頭打ちになりつつあったようで、当初は契約者数をこまめに発表していたマイクロソフトも、具体的な契約者数はいつの間にか発表しなくなりました。これはコンソール販売台数も同様です。

一応、ゲームパスの契約者数に関しては「CODブラックオプス6」発売後、史上最高の契約者数になったという発表はあったようですが、具体的な数値は公表されていません。

あとは、年々増加する開発費の高騰です。以前は大作(AAA)でも100億円というだけでも大騒ぎなるほどでしたが、現在の大作は2〜300億円超えは当たり前とも言われています。宣伝費用を入れると更に膨らむ可能性さえあります。そしてそこに、コンソール市場の伸び悩み(頭打ち)も加わった事で、大作タイトルで1プラットフォームだけでは、利益を出すのが難しい状況のようです。 

結果的に、ソニーでさえ自社開発の独占タイトルをPCでリリースするまでになっています。しかし、ソニーの場合、プレイステーションはXBOXの倍以上のインストール・ベースがあるので、今のところはPC版は同時発売ではなく、1年以上経過してからPC版をリリースという状況です。

XBOXの場合はプレイステーションの半数以下のインストールベースしかないので、PC版と同時発売しないとやっていけないんでしょうね。そこにゲームパスが加わり、大型スタジオ買収を繰り返し、ラインナップを強化したものの、ゲームパス加入者の伸び悩みに直面、より効率的に利益を出すには、結果的にプレイステーション・プラットフォームでも発売する事になったと思われます。昨年は『インディジョーンズ:大いなる円環』、そして『Forza Horizon 5』です。

『Haloマスターチーフコレクション』が、『Forza Horizon 5』より早く、プレイステーションで発売されるという噂もあります。そして今年に発売される任天堂『Switch2』にも、『Forza Horizon 5』や『Haloマスターチーフコレクション』が発売されると噂されています。

おそらくですが、この流れ的に見ても間違いなく任天堂の 『Swicth2』で多くのマイクロソフト傘下のタイトルが発売されると言われています。

最終的には新作も同時リリースになるかもしれませんね。

最新のマイクロソフトのデヴェロッパー・ダイレクトでもマイクロソフトがテクモに持ちかけマイクロソフトがパブリッシングをしている『ニンジャガイデン4』そして『ニンジャガイデン2 BLACK』も各プラットフォームで同時発売ですからね。ですので、今後そうなる可能性が濃厚ですね。

もしかすると、HALOやGearsの新作もマルチプラットフォームで同時発売すら、今のマイクロソフトなら可能性あると思います。

そうなると、XBOXコンソールの存在価値、アイデンティーは無くなってしまうのではないか?という声もありますが、私はそうは思いません。

ゲームパスサービスを利用できるコンソールはXBOXだけですので、これは強みでしょう。

タイトルにもよりますが、マイクロソフト傘下のタイトルが好きなユーザーの場合、ゲームパスを満喫出来るコンソールはXBOXだけの特権なので、それが維持されている限りは、XBOXの存在価値が失われる事はないでしょう。

しかし、ゲームパスが非常に超お得なサービスだからと、多くのユーザーがXBOXコンソールを買うのか?です。ここ数年、ピークアウトしているとは言えXBOXの販売台数は大きな落ち込みが続いており、更にプレイステーションとの売り上げ差が更に広がっている状況を見る限り、必ずしもそうとは言い難い状況です。

フィル・スペンサーさんは、最近のインタビューで

“プレイステーションとXBOXは似たようなハードウェアになっているので、次世代XBOXではハードウェアのイノベーション(革新)を起こし、ハードウェアの差別化をして勝負していきたい。”

と述べています。

この「イノベーション」とはなんでしょう?既に噂になっていますが、それはXBOXとPCの融合という事のようです。つまりXBOXアーカイブにアクセスして遊べるし、PCゲームにもアクセス出来る「ハイブリッド・コンソール」。

これが本当に実現出来れば、これは大きな革新というか大変革でもあり、確かにプレイステーションとは明確な差別化がされる事になり、マイクロソフトの強みも活かせる事にもなり、シームレスに使えるとこれは、大きな成功をする可能性は大きくなります。

これを実現するには、膨大な労力とコストがかかりますが、実現すれば大きな変化が起きるかもしれません。現在、PCで起きているスタッター問題(特にUE5タイトル)などもそうですし、他にも解決すること事は多いですが、次世代XBOXには期待したいところではあります。

結果的に、「コンソール戦争」はもう終わりつつあるという声もあり、今後は「ゲームサービス戦争(ゲーム・サブスク)」という事になるのかもしれません。

いずれにせよ、マイクロソフトの次世代XBOXがどのような物になるかが今後非常に気になるところです。🔚

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