昨年から米ニュージャージー州からニューヨークにかけて、ドローン、未確認物体の目撃が多発していた騒動ですが、多くがドローンと思われましたが、正体は謎でFBIなど捜査当局までが正体不明で分からないとしていました。
ニューヨークポストの1月28日付の報道によると、昨日ホワイトハウスがトランプ大統領による真相を発表しています。
ホワイトハウスの報道官キャロライン・リービット氏は
「米国大統領から直接、11月下旬から12月上旬にかけて一種の集団ヒステリーを引き起こした一連のドローン目撃事件についてのニュースを受け取りました。様々な調査と研究の結果、ニュージャージー州周辺の上空大量に飛行していたドローンは、研究やその他の様々な理由により、FAA(連邦航空局)の許可を得て飛行していたものです。これらのドローンの多くは、個人の趣味や娯楽目的のドローンでした。好奇心から、時間が経過するにつれて状況は悪化しましたが、これは敵ではなかったのです。」
と説明。
リービット氏の読み上げたトランプ大統領による説明は、これらの飛行物体が敵国などから飛来して来たのではないかという市民の懸念を一時的に沈静化する事は出来るかもしれませんが、今回の説明では、それらの物体がどのような“研究”が行われていたのか、そして「他の様々な理由」については全く説明はされていません。
FBI、連邦航空局(FAA)、国防総省(DoD)、国土安全保障省(DHS)は共同声明で、
「現在までの目撃情報には、合法的な商業用ドローン、趣味のドローン、法執行機関のドローンのほか、有人の固定翼機、ヘリコプター、ドローンと誤って報告された星などが含まれていると評価している。」
としています。
しかし、今回のドローン騒動の中には、一部で異常な猛スピードで宇宙に飛び去ったような物体、猛スピードで加速して飛び去るなど、説明の付かない未知の物体も実際に撮影されています。他にも、ニュージャー州の市長が海から10数機の不明物体が出てきて猛スピードで飛び去ったことをNewsNationのニュースで証言しています。
説明通り、確かに撮影された多くの物体は安全のための識別灯を点滅させて飛んでおり、ドローンや民間航空機の誤認もあるのは事実。しかし、ヘリコプターは音が聞こえますし、ニュージャージーには米軍の基地もあり、住民は軍の航空機には見慣れているそうです。ですので、誤認するのはおかしい。その一部は前述の通り明らかにドローンではない異常な動きを見せており、UAP(未確認不明物体)と言わざるを得ないものが飛んでいたのも事実です。
識者の中には、UAPが各所に出現し始めたので、軍(政府、諜報機関)がドローンや航空機を飛ばし、全てをドローンという事で片付けようとしたのではないかという意見もありました。私は昨年多くの報道、映像を見て追跡していましたが、この意見が正しいというか理に適っていると思いました。
NETFLIXでドキュメンタリー番組が配信中のベテラン調査ジャーナリストのジョージ・ナップ氏は自身のSNSで今回の発表を皮肉を込めて以下のように述べています。
“(皮肉を込めて)透明性の新時代万歳だ。あの「謎のドローン」は、実はドローンだったことが判明したようだ。ということは、ラングレー空軍基地上空を我が物顔で17夜連続で飛び回っていたドローンや、数週間にわたって 3 つの米英の空軍基地上空に易々と侵入して飛び回っていた追跡不可能な謎のドローンも、全てFAA(連邦航空局)が許可していたということか?フウ、、なんという安心感だ。”
そして、更に皮肉を込めて
“トランプ・ホワイトハウスはドローンの謎を調査し、何もないと断言した。私は、次の靴が落ちるのが待ちきれない。 もうすぐだ – JFKに関する秘密ファイルが公開され、オズワルドがやったことを明らかにするだろう。”
この意味は、米国ではオズワルドが真犯人という説に説得力がないとも言われており、真相公開でも当局の見解の同じ発表をするだろう、という皮肉と怒りを込めた意味ですね。ジョージ・ナップ氏の言いたい事は、
「トランプ政権には、UAP情報公開など政府の透明性の進化に大いに期待をしていたが、結局は過去の政権となんら変わらない透明性などない隠蔽主義なようだ。これでは何も期待出来ん!」
という事です。
SNSや関連コミュニティでは、昨年11月〜12月にニュージャージー州の住民の多くが不安を感じ、多くの市議会議員などが真相を国や行政機関に要求している当時、政府やFAAがこの情報は党に把握していたはずで、発表しなかったのはおかしいと疑問に感じている人が多いようです。当時は民間航空機パイロットも異常な物体を見たようで、多くの音声通信記録がリークしています。
昨年末に多くの住民が不安を感じている事、多くの目撃情報が殺到した事で各市長や議員が抗議し、会議が招集されましたが、出席したFBI捜査機関と軍関係者は物体の正体が分からないと説明し、議員らが憤慨したニュースもありました。つまり、かなりの騒動になった後でも連邦政府、国防総省、国土安全保障省、FBI、そしてFAAまでもが物体は正体不明としていたのです。
マイク・マッコール下院外交委員長(テキサス州選出)は先月、航空機やドローンの多くは中国からの「スパイ・ドローン、航空機」だと思うと見解を述べていますが、正体が分からない物もあると暗に認めています。
「私の経験に基づく判断では、我々の軍事施設上空にあるものは敵対的であり、中国からのものである可能性が高いと思うが、我々は真相の答えを得ていない。その背後にいるのが誰なのか、おそらく政府も正体が分からないのだろう。」
ドローンはニュージャージー州だけでなく、ニューヨーク上空や米国内の他の地域でも目撃(全世界的に起きていたという意見もある)され、ヒステリーに近い状態を引き起こしましたが、連邦政府機関は心配する必要はないの一点張りです。
今回のトランプ政権の説明ではこれらの事を踏まえると説明になっていないのは確かで、前述した通り他の飛んでいたドローンや航空機を全て一つにまとめて、趣味や研究関連のドローンでした、で片付けようとしているように見えるのは確かです。
これは以前にNATO高官だったロバート・ディーン氏(ボブ・ディーン氏)がUFO情報を隠蔽する手法として明かしていたものです。つまり、一部の真相に多くの偽情報を混ぜて、結果的に偽物でしたと明らかにして一部の真相と共に全てを葬り去る「クラックポット」と呼ばれる手法です。
今回のドローン騒動がこれに当てハマります。上空にはリアルなUAPが多く出現し、否定しようがない状況になったので、当局がドローンを多く飛ばし、結果的にリアルUAPと当局のドローンと共に、全て航空機と星の見間違い、ドローンでしたと発表し、全てが見間違いで片付けられてしまうという事です。相変わらずな印象です。
個人的な見解では、前述の通りで、
・多くのドローンや航空機が飛んでいて、それが多く誤認されたのは事実。
・しかし、リアルな未確認不明物体も多く出現していた。
・結果的に他のドローンとまとめて全てが商用、研究目的のドローンだと断定して沈静化
これが真相ではないかなと思っています。疑う理由は、当時かなり大きな問題となってからも、FBIと軍関係者までが議員らに説明を要求され、正体が分からないと説明していた事です。今回の説明が真実なら、既にそう説明していたはずです。FAAも正体が分からない、ドローンではないと説明していました。当時の状況を知っていれば、今回の説明は矛盾点が多くニュージャージーの市民の多くは納得はしていないと思われます。
これは、コンスピラシー・セオリー(陰謀論的思考)ではなく、実際に起きた事実を全て見た上でのシンプルな結論です。
トランプ新政権には私も期待していましたが、今回のUAP騒動の発表内容を見る限り、ナップ氏と同様に「透明性」への期待の先行きは暗そうです。🔚
via NY POST
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