[Update 2024.11.03] PS5ProにPS4ゲームの映像を強化する「Enhanced Image Quality for PS4」機能が映像出力設定項目にあるのが判明しています。
11月7日にいよいよ発売される10万円超えのコンソール(ゲーム機)PlayStation 5 Pro ( PS5 Pro )。
価格は119,800円と、コンソールとしては前例のない高価格。私も発表前の推測で98,000円、高くても99800円くらいだろうと思っていたのですが、蓋を開ければなんとまさかの10万円を軽く超える12万円。
良くも悪くも衝撃的でした。しかも縦置きスタンド、ディスクドライブなし。とは言え、コストのかかるSSDは1TBではなく、2TB搭載している事が唯一マシだったかなと。
既に PS5 を所有していて、SSDを増設されている方からすると、1TBで価格を抑えて欲しかったという意見もありました。1TBであれば価格は11万円くらいになったかもしれませんしね。
しかし、私を含め現在PS5を持っていない方からすると、2TB搭載はありがたいかなとは思います。この辺りの印象は人それぞれですね。
価格に関しては、円安とそれに伴う物流コスト上昇などもあるとソニーの説明もありましたが、それでもコンソールとして見たら本当に高い!と感じるのは否めませんよね。
発表当初は非難轟々で散々な言われようでしたが、PS5 Pro でキャプチャされた動画や、インフルエンサーを招待してのPS5との比較体験会、そして東京ゲームショーの試遊ブースでの公開などがあって以降、AIアップスケーリング技術である「 PlayStation Spectral Super Resolution 」(以下、PSSR)の出来がかなり良い結果をもたらしているなどもあり、評価が徐々に改善しつつある感じです。
最近は、PC で PS5Pro と同じ性能のゲーミングPCを組むとなると、軽く12万円は超えておそらく20〜23万円くらいになることを考えれば、割安では?という意見も出てきています。
私も自作PC経験は何十年もあるので、これは事実そうだと思います。ま、PCはゲーム以外に様々に生産的なことも出来るので、一概に単純比較は出来ないのも事実。後は、専用コンソールならではの徹底した最適化による利点もあります。
様々なパーツが存在するPCに比べ、コンソールは数千万台が完全に同一スペックで、寸分違わぬ同じハードウェア構成なので最適化が強みという話、これも一理あるでしょう。
それにミドルクラス以上のPC、ハイエンドクラスになると、大量の電気を消費、熱も発生します。悪く言えば、反エコロジーとも言えます。
そんな PS5Pro ですが、12万円という価格のインパクトの印象が強いせいか、最近友人、知人から
「結局、 PS5 Pro って何が凄いの?PS5と比べて何が良いの?12万円もの価値あるの?」
という質問をされます。私は最近はこう答えています。
「PS5 Proは、60fpsの滑らかなフレームレートでも鮮明な高解像度を維持してプレイ出来る、ミドルクラスPC並のゲーム性能を持ったゲーム機。」
と。厳密に言えば、30fpsにはなってしまうものの、レイトレーシング(RTなど)が追加されるなど、他にも出来ることはあるのですが、一番分かりやすく、インパクトがある要素はコレだと思います。
PS5では、60fpsでプレイ出来るパフォーマンスモード、グラフィックの質感と解像度を重視した、クオリティモードが選べるタイトルがあります。
PS5の性能で60fpsのフレームレートを安定して出力するには、処理の負荷を減らして解像度を落としているタイトルが多く、他にも負荷状況によって解像度を変える可変解像度という手法もあります。
もちろん負荷の軽いタイトルでは、4K 60fpsが可能なタイトルもあることはあります。しかし、オープンワールドなど大規模な作品になると、負荷が重くなるので解像度を落とさないと、高いフレームレートが出せません。
そうなると、当然解像度だけではなくグラフィックの品質も犠牲になります。結局のところ、PS5では解像度を取るか、フレームレートを取るかという2択になっています。
しかしPS5 Proでは、AIによるアップスケーリング技術であるPSSRという技術、GPUユニットが67%増量され、約1.5倍のレンダリング速度向上で、レンダリング解像度、映像品質もそれほど落とさずに、PSSRで4K解像度にアップスケーリング出来るので、その結果PS5のクオリティモード品質設定のまま、60fpsが可能になったようです。これがPS5Proの主軸と言ってよいでしょう。
ソニーの調査では、グラフィックモードとパフォーマンスモードでは、パフォーマンスモードの方を好んで選択しているユーザーが多い事も判明しています。事実、私もパフォーマンスモードをチョイスしています。そういったデータから、PS5Proもその方向性になっているんでしょうね。
後は、PS5のクオリティモードでも採用されていなかったレイトレーシング(RT)が、PS5 Proでは30fpsのままではあるものの、PS5版より高解像度でRTが実現出来ているようです。
Alan Wake 2では4K解像度でRTが実現出来ています。ここでも強化されたRT性能+PSSRが効果を発揮した結果です。もちろん、GPU強化の恩恵でもあります。
しかし、RTに関しては感じ方が人それぞれだと思いますね。
RTの比較映像を見て、あってもなくてもあまり違いが分からないな、という人も実際います。まして動いているゲーム画面でRTによる恩恵をマジマジと実感出来る場面は少ないとも言えます。
個人的にはやはり「高解像度で60fps」の実現が、一番多くのプレイヤーに印象深く伝わると思っています。
しかし、将来的にPS5Proでも60fpsが難しいタイトルも出てくるかもしれません。デジタルファウンドリーではPS5ProはPS5と同じCPUなので、CPUがボトルネックになると思われるので、CPU負荷の大きいGTA6では60fpsの実現は難しいのではないかと推測しています。
PS5ProのCPUは互換性の考慮からPS5と同じCPUなんですよね。PS5Proでは10%ほどクロックアップは可能なようですが、それでもCPU能力向上は限られます。
とは言え、現時点(2024.10.23)では、PS5Pro Enhanced対応タイトルは、概ね60fpsで高解像度がメインになっているようです。
PlayStation公式ブログの開発者のPS5Proコメントの中には、60fpsを実現しつつRTなどのエフェクトを更に追加しているようなタイトルもあるので、PS5からはかなり向上したゲームプレイが出来そうで、PS5から買い替える価値はあると思います。
ただし、このような解像度向上の差は、24、27インチといった比較的小さいディスプレイ環境や、1440Pディスプレイですと、分かりにくいかもしれませんね。これはテック解析メディアのデジタルファウンドリーも述べています。
PS5Proの効果をフルに発揮出来るのは、PCモニターですと視聴距離にもよりますが、32インチ〜、4KTVですと42〜65、75インチの大型ディスプレイ、4K TV環境ではその向上がハッキリと分かるでしょうね。
事実、ソニーが開催したPS5Pro体験会でも、55〜65型の4K TVをメインで展示していたので、そういうことだと思います。
ということで、PS5 Proは間違いなくゲーム映像、ゲームプレイ体験を1段階上へ引き上げていることは間違いないと思います。
価格も12万円にはなりましたが、高解像度で60fpsが可能になり、30fpsではあるものの高解像度(4K)でRTが実行出来るようになっているので、ゲーミング性能に限れば、事実上PS5ProはほぼミドルクラスのゲーミングPCレベルのゲーミング性能は持っている事になります。
実際に、12万円でPS5Proのゲーミングパフォーマンスを発揮するPCを作るのは不可能です。そう考えると、ゲーム性能に限れば、「PS5Proはお買い得」ではあるのです。
もちろん、PCにはゲーム以外の写真編集、ビデオ編集などの生産的な作業が出来るので、そういった付加価値がPCにはあります。
結果的には
“高解像度で60fpsプレイを望んでいるならば、PS5Proは間違いなく買い”
と言えます。RTと高解像度で60fpsを望むならば、ハイエンドPC一択です。
最近、デジタルファウンドリーが公開した『Horison Zero Dawn』リマスターのPS5版が非常に美しいグラフィックとパフォーマンスを実現しているので、PS5 Pro ではどこまで向上するのか、これも非常に楽しみです。
60fpsで高解像度のRTは、タイトルによってはハイエンドPCでも難しい例もあり、これに関しては次世代機のPS6では実現するかもしれませんね。
ソニーは、PS5ProでRT機能を2〜3倍にまで強化しているので、次世代機のPS6ではGPUは当然として、おそらくRT機能を更に向上させ、ボトルネックになるCPUも当然強化されるでしょう。
コンソールも徐々に性能が向上し、価格もPCレベルにまで上昇してきているので、将来はHDMIだけでなく、ディスプレイポートも備えて、120Hz以上に対応し、ウルトラワイド対応なんて時代も来るかもしれませんね。🔚
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