数週間前になりますが、『Diablo Ⅳ』を開発するマイクロソフト傘下スタジオでもある、ブリザードのSVP(シニア・バイス・プレジデント)でゼネラル・マネージャーでもあるロッド・ファーガソン氏が、自身のSNSで『Diablo Ⅳ』が「PS5 Pro Enhanced」(PS5 Proの性能を活かしより高品質に最適化)に対応する事を明言し、PS5Proへの対応が確定となりました。
これは、マイクロソフトのXbox傘下のスタジオ開発のタイトルで、PS5 Proへの対応が明らかになった初のタイトルとなります。
“最近、この質問をよく受けるのですが、『ディアブロIV』と『Vessel of Hatred』が「PS5 Pro Enhanced」になることを本当にうれしく思います!ハードな仕事をこなし、これを実現してくれた我々のチームをとても誇りに思います。 詳細は後日発表します。”
ロッド・ファーガソン氏は以前、EPIC GAMESで『Gears of War』1作〜3作の開発陣頭指揮を執っていた事があります。
『ディアブロⅣ』の「PS5 Pro Enhanced」対応確定のニュースは、非常にインパクトのあるニュースで、この流れから想像するに、現在マイクロソフト傘下でもある「アクティビジョン・ブリザード」の他のタイトルも、今後「PS5 Pro Enhanced」に対応する可能性が出来てきたという事です。
現在のマイクロソフトは、XBOXプラットフォーム・ホルダーというだけでなく、複数の有力なゲームスタジオを保有する巨大なゲームパブリッシャーでもあるので、PS5 Proへの対応をしないというバランスに欠けた事は、まずしないだろうと思っています。
そして「アクティビジョン・ブリザード」と言えば、まず浮かぶのは『CALL OF DUTY』シリーズですよね。
この流れからすれば、10月25日に発売を予定している『CALL OF DUTY : Black OPS 6』(以下、BO6)も「PS5 Pro Enhanced」に対応する可能性もあると考えるのが自然です。
PS5 Proは、11月7日に発売予定(30周年記念スペシャル・エディションは11月21日発売)なので、おそらく11月7日のPS5 Pro発売日には、DayOneパッチとしてBO6のPS5 Pro向けアップグレードパッチが配信対応される可能性が濃厚と言って良いでしょう。
そうなると、前述したようにマイクロソフト傘下の開発する大作タイトルが、自社のハードウェアであるXbox Series XよりPS5 Proでより高品質で安定したフレームレートで最高のゲームプレイ体験が出来てしまうという奇妙な状況になります。
テック系メディアのデジタルファウンドリーでもマイクロソフトスタジオがPS5Proをサポートする事について議論していました。
デジタルファウンドリーは、マイクロソフトがパブリッシャーという立場でもあるため、プレイステーションプラットフォームでリリースする以上、これは必然でPS5Proのサポートは仕方ない、やむ得ないだろうとのこと。
しかし、マイクロソフトは自社のゲームがPS5ProでXboxより優れた画質になることを、大々的には告知したくないはずで、PS5Proのサポートアナウンスはトレイラーもなく、マーケティングの中で埋もれるくらい控えめにするのではないかとも推測していました。
ま、実際奇妙なことですよね。マイクロソフトのゲームが、自社のハードウェアより優れた画質、優れたゲームプレイ体験を、ライバルのプレイステーション・ハードウェアに提供する、、こんなことは今まであまりなかったわけですからね。
そして、Xbox版、PC版で12月9日に発売予定の『インディアナジョーンズ:大いなる円環』もPS5版が来年春に発売予定となっているので、おそらく本作も「PS5 Pro Enhanced」に対応するでしょう。そうなると、インディアナ・ジョーンズもPS5 Proでは、Xbox Series Xより高画質でより高い安定したフレームレートでプレイする事が可能になるかもしれません。
マイクロソフトは、この2世代に渡ってソニーのプレイステーションの新型ハードウェア発売に合わせて、必ず対抗機種を出してきましたが、『マインクラフト』のモーヤンスタジオ買収に始まり、ベセスダ、そして「アクティビジョン・ブリザード」など巨額買収した今年は、ミッドジェネレーション・コンソールと呼ばれるソニーの性能が強化されたPS5 Proに対抗する、前世代の「XboxOne X」のような強化型XBOXコンソールは発売しません。
今のマイクロソフトは、XBOXコンソールに大きな注力はしていないようで、PCや幅広いハードウェアからゲームパスを通して自社タイトルにアクセスしてもらい、より多くのアクティブ・プレイヤーを獲得したい、つまりはゲームパスの契約者数を増やす事に大きくフォーカスしている事は間違いないでしょう。
事実、昨日は10月25日発売のCALL OF DUTYの最新作であるBO6が発売と同時に、クラウドゲーミングに対応する事を発表しています。このニュースは私も驚きました。クラウドゲーミングに対応するのは発売から少し経過してから対応というパターンでしたので、発売直後から対応ですので、いかに注力しているのか分かります。
これもゲームパス契約者を増やすためなのは一目瞭然です。目玉タイトルですからね。非常に影響力のあるCOD BO6の発売によって、ゲームパス契約者がどれほど増加するのか非常に興味深いですね。
しかし、マイクロソフトは「次世代コンソールは飛躍的な技術革新を実現する。」と明言しています。それがPCと絡んだコンソールという概念を取り払ってしまうようなゲーム機になるのか、それともAI技術を取り入れた革新的なコンソールになるのか、、いずれにしろ。「飛躍的な技術革新を実現」というワードは注目ですね。それがいつになるのかですね。来年2025年という噂もありますが、果たして、、
マイクロソフトは、直近コンソールから撤退はしないとしていますが、マイクロソフトのゲーム部門ボスであるフィル・スペンサーさんは、「強化コンソール(Xbox One XやPS4Pro、PS5Pro)は現状では必要と思っていない。」と述べています。
この事から、海外のXBOXコミュニティでは、「対抗機種を出さないという事は、XBOXコンソール戦略の大きな転換点かもしれない。」など、ネガティブな意見も出ています。
他にもフィル・スペンサーさんは、『インディアナ・ジョーンズ:大いなる円環』の発表直後は、「XBOXとPCのみで他のプラットフォームで発売の予定はない。」と明言していたにも関わらず、数ヶ月後にはPS5版の発売がアナウンスされ、フィル・スペンサーさんの発言のブレが色々と散見され指摘されていましたね。
海外関連メディアでもXBOXの方向性のブレに対し、否定的な報道も見られ、マイクロソフト寄りだったメディア「WindowsCentral」でもXBOXのブレる方針に対し、XBOXは彷徨っていると厳しい意見を述べていました。
『インディジョーンズ:大いなる円環』のPS5版決定の裏事情に関して海外報道では、「インディアナ・ジョーンズ」の権利保有者であるディズニーとの契約の影響もあるようです。
ディズニーからすれば、自社の金の卵でもあるブランドの「インディアナ・ジョーンズ」の大作ゲームをコンソール最大プラットフォームであるプレイステーションで出さないという選択肢は、ビジネス的観点からもあり得ないでしょうからね。
結果的に、マイクロソフトが強化型のコンソールを今年は発売しないとなった事で、今年競合相手がいなくなったソニーはPS5、PS5Proでファンの想定を超える強気の価格設定をしました。
もし、マイクロソフトが競合の強化型コンソールを発売する戦略を進めていれば、PS5 Proの価格はもう少し安く抑えられていた可能性も少しはあったかもしれません。 ま、これはあくまで「たられば」程度のお話ではありますが、、
次世代コンソール(PS6、XBOX)が出るのは、2027〜2028年と言われていますが、マイクロソフトはあと3年という期間、Xbox Series X/Sを発売し続けるのでしょうか?
マイクロソフトのXBOXは、Xbox One に続いて今世代でもPS5とのシェア競争は縮める事は出来ず、報道では倍近い(倍以上という報道も)差をつけられています。
個人的には、Xbox Series Xコンソールは、機能面も性能も外観も本当に素晴らしく非常に完成度の高いコンソールだと思っています。
「これだけ素晴らしいコンソールを作ってもプレイステーションとの差を縮められず、負けてしまうのならば、どんなコンソールを作っても、もう勝てないだろう。」
とさえ思ってしまいます。
クラウドゲーミングが時代と共に回線の高速化などで進化して行くと、いずれはハードウェアを必要としなくなる時代が来るかもしれませんが、それはまだ先のような気がします。
ハードウェア(コンソール、PC)を起動してプレイするスタイルは、まだまだ続くと思っているので、マイクロソフトにはコンソールの対抗機種は出し続けて欲しいですけどね、、
PS5Proに関して当ブログ記事でも書きましたが、ここ日本で12万円の予算でPS5Proと同じ性能のPCを構成する事はまず不可能で、対性能&コスパだけを考えれば、PS5 Pro が割安でお買い得なのは間違いないと思っていますので、私は現時点ではPS5 Proを購入する予定ではいます。
デジタルファウンドリーもPS5Proについて、AMDと共同開発した機械学習AIによるアップスケーリング技術「PSSR」がゲームチェンジャーになるかもしれないというのも気になるところ。PS5Proで開発中の開発者の
いずれにしても、性能向上した新型コンソールはワクワクする物です。
超お買い得な「ゲームパス Ultimate」の存在があるので、Xboxハードウェアから直ぐに離れる事はないですが、PS5Proは今後の「PS5 Pro Enhanced」対応タイトルのアップグレード内容の出来次第では、お手軽で高性能なPS5 Proは私個人にとってより大きな存在になるかもしれません。🔚
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