LG OLEDのミドルレンジの2023年モデルC3の最新海外レビューを一部、ご紹介しておきます。
LG OLED 4K TVの良さは、国内メーカーと比較した場合、HDMI 2.1のフル帯域端子が4つあることです。
今年2023年モデルの国内勢のソニー、TVSレグザ、パナソニック、シャープのOLED(有機EL)モデルはいまだに変わらずの2端子なので、サウンドバーやアップルTV 4KなどでeARC端子を使われる場合は、実質1端子しかHDMI 2.1端子を使えません。その点でLGのCシリーズ、G、8KのZシリーズは大きな利点です。
LG C3 OLED(評価機は65インチモデル)は、LGの2023年のOLEDラインアップにおけるミッドレンジモデルで、エントリーレベルのOLED「B」シリーズLG B3 OLEDの上、「ギャラリースタイル」LG G3 OLEDと8K LG Z3 OLEDの下に位置しています。
ラインナップは42、48、55、77、83インチ(アメリカ)となっています。
LG OLED C3のようなOLEDテレビは、他のテレビに見られるLCDパネルとは異なり、バックライトがない自己発光型の有機ELです。OLEDの画素は、他の画素とは独立して個別に輝度レベルを変えることができるため、ほぼ完璧なコントラストで、深みのある黒を表現し、明るいオブジェクトの周囲に気になる白飛びやハレーションを起こすことはありません。
「C」シリーズは、「G」シリーズのほぼすべての機能を備えながらも、より安い価格帯に設定されているため、今までもLGの最も人気のあるOLED TVとなっています。
実際、G3に今年から採用された新技術マイクロレンズアレイ(MLA)を除けば、C3には2023年版のLG独自のスマートインターフェースであるwebOS、4つのフルHDMI 2.1帯域幅ポートなど、G3が搭載するすべての機能が備わっています。また、LGの最新の2023年版プロセッサであるα9 AI Processor Gen6を搭載しており、LGのBrightness Booster MaxとAI 技術による画像処理の向上、AI Soundで2チャンネルオーディオを仮想7.1.2チャンネルサウンドにアップミックスする機能など備えています。
【良い点】
・無限に近いコントラスト比により、完璧な黒を実現。
・素晴らしい反射処理
・広い範囲で正確な画像が保たれる視野角。
・HDRやSDRでのピーク輝度が非常に優れている。
【悪い点】
・アグレッシブなABLによって、大きな範囲で明るい部分がある場合、気になる事がある。
LG C3は、最も要求の厳しい購入者以外のすべての人を満足させるに違いない、素晴らしいテレビです。SDRとHDRの両方で非常に優れた輝度を持つため、SDRコンテンツからHDRの最新ヒット映画まで、あらゆるソースを見るのに適しています。画面反射の処理も優れており、更にピーク輝度も高いので、明るい部屋や眩しい場所でも問題なく対応できます。
しかし、市場にあるほぼすべての有機ELがそうであるように、このテレビは比較的暗い部屋に向いており、そこで有機ELパネルが持つ深い黒が、本当に最高のパフォーマンスを発揮します。
また、優れた応答速度により、スポーツやゲームなど動きの速いコンテンツのファンにも最適で、アクションが終始クリアで鮮明です。また、新たにDTSにも対応しており、ホームエンタテインメントセンターに最適なテレビと言えます。
LG C3は、卓越した画質を持つ優れた有機ELテレビですが、前モデルのLG C2 OLEDからは、ほんの少ししか進歩していません。
LG G3 OLEDのMLA集光層(マイクロレンズアレイ集光層)は採用されておらず、その結果G3が極めて明るくなるため、昨年までと異なり、今年のC3とG3には画質面で非常に大きな差があります。
理論的にG3は「マイクロレンズアレイ」技術の採用で、C3よりもはるかに明るくすることができますが、実際の使用では、真っ白な雲など明るい表示がされるような特定の状況を除いては、それほど大きな差は感じられないでしょう。2つのテレビの明るさの差はあまり目立たつ事は少なく、多くの人にとって価格差に見合うものではありません。
一方で、QD-OLED(量子ドット有機EL)パネルは非常に色鮮やかで、かなり明るい場面でも鮮明な色を出力できるため、他のブランドのOLEDと比較すると、画質に関してはソニーの2022年モデルのA95K OLED、サムソンS95B OLED、2023年モデルのサムソンS95C OLEDは、すべてC3よりもわずかに優れています。
【LG C2との比較】
LG C3 OLEDとLG C2 OLEDは非常によく似たテレビで、C3は前モデルからわずかに改善されています。C3の方が少し明るいのですが、これは実際に使ってみると目立ちません。また、C3は低解像度のシャープネス処理(アップコンバート)も優れており、DVDのレガシーコンテンツや低解像度のオンラインストリーミングは、C2よりもきれいに表示することができます。
C3のC2に対する最大の改良点は、DTSオーディオ・フォーマットのサポートです。ブルーレイやDVDのオーディオ・トラックにはDTSが使用されることが多いため、ホームエンターテイメントファンにとっては、より興味深いテレビになります。しかし、LG C3 OLEDは、HDRグラデーションの処理に問題があり、同じ色域で大きな変化があるシーンでバンディングが発生します。
【サムスン S95C QD-OLED】
サムスン S95C QD-OLED(2023年モデル)は、LG C3 OLEDよりも優れています。サムスンはC3よりも明るく、ゲームモードではLGよりも輝度を維持することができます。更にLGよりも色域が広く、明るく鮮やかな色を出力することができ、よりポップに見えます。また、HDRのグラデーション処理もLGよりはるかに優れているので、グラデーションのあるシーンで気になるバンディングも気になりません。
しかし、LGは低解像度のアップスケーリングでは優れているので、低解像度のコンテンツや低ビットレートのストリーミングコンテンツでより良く見えます。また、LGは2023年モデルからDTSを含むすべてのオーディオフォーマットに対応しているので、ホームエンタテインメントのセットアップに適した総合的なテレビと言えます。
という事で、今年2023年モデルのC3は、昨年2022年モデルとは異なり、G3に新たにマイクロレンズアレイ技術が採用された事で輝度が向上し、今年は昨年とは違う「差」が生じています。
レビューでは価格差に見合うほどの差ではないとの事ですが、他のレビューではやはりG3の明るさは評価されており「大きな変化」という見方もあるので、明るさを求めるのであれば、“LGのモデルの中ではG3が無難な選択”となりそうです。C3はHDRグラデーションのバンディング問題は引っかかります。アップコンバートの向上とDTSサポートはC3の長所と言えそうです。
色鮮やかな映像を求めるのであれば、やはりQD OLED(量子ドット有機EL)パネル採用モデルが良さそうです。サムスンは日本国内で販売されていないので、選択肢はソニーの2022年モデルのA95Kと2023年モデルで第二世代QD OLEDパネル採用で更に輝度が向上したA95Lとなりますが、残念ながら日本ではA95Lは発表されておらず、2022年モデルのA95Kが継続販売となっていますので、選択肢はA95Kのみとなります。
QD OLEDの大量生産が難しいらしく、供給問題から現時点で日本での発表はされていないという話もあります。遅れて、秋に発売とかもないんでしょうかね。。このあたり気になるところではあります。🔚
via RTINGS.com
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