ロイター通信の報道によると、LGディスプレイがサムスンエレクトロニクスに、有機EL(OLED)パネルを大量供給する契約を締結したようです。この事情に詳しいという匿名の3人の関係者が述べたそうです。サムスンとLGはノーコメントとの事。
この報道が事実であれば、サムスンとLGは、サムスンの量子ドット入りQLEDテレビと、LGの有機EL(OLED)テレビの争いで対立、競争してきた過去は水に流したようです。
報道では、LGディスプレイは2024年に200万枚の有機ELパネルをサムスンに供給、それ以降の年では300万枚、500万枚と出荷台数を増やしていくそうです。
サムスンへの最初の供給は、77インチと83インチの大型白色OLED(WOLED)パネルとなる可能性が高いそうで、この事からサムスンが海外で需要が高まりつつある有機ELの大型モデルのラインナップを拡充し、QD OLEDとWOLEDの2パネルラインナップになる可能性がありますね。
LGとサムスンの供給報道は、今回が初めてではないそうで、2021年に韓国の報道機関が非常に似た内容を報道しています。当時、サムスンが2021年にLGから100万枚のパネルを購入し、2022年にはさらに400万枚のパネルを購入するという憶測が流れていましたが、LGとサムスンの両社は、その報道を否定していました。
その後、サムスンは量子ドット有機EL(QD OLED)パネルを開発、サムスンのS95B、そしてソニーのA95Kにパネル供給し、高い評価を得ています。
しかし、QD OLEDは大量生産が難しいようで、LGのOLEDより高価です。この事からサムスンがフラッグシップモデルにはQD OLED、標準、エントリーモデルのOLEDとして導入する可能性があるのかもしれません。
これによって、近年勢いが増している中国勢「TCL集団」のようなライバルとの価格競争が激化する中で、サムスンがOLEDで事業拡大を目指す事が鮮明になったとも言われているようです。
ロイター通信によると、アナリストの意見として、LGディスプレイとって200万枚を超える大量のOLEDパネルの出荷は、少なくとも15億ドル(約2,000億円)の価値があるそうで、LGの大型OLEDパネルの全製造能力の20%~30%にも相当し、LGの有機EL製造工場をフル稼働させる大きな後押しとなると見られているそうです。
LGは多額の投資をした有機EL製造工場をフル稼働出来ずに苦労しているそうで、LGにとっても今回の供給契約は大きなメリットになるようで、お互いの利害が一致したんでしょうね。
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via REUTERS
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