【ネタバレ注意】『 ベター・コール・ソウル 』 シーズン6 第10話を観た感想と、見る前に見ておくべきエピソード2話。

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以下の文章には、「ベターコールソウル」と「 ブレイキング・バッド 」のネタバレになる内容が多くありますので、まだご覧になられていない方には、オススメ出来ません。その事にご注意ください。念の為、行間を空けておきます。

                 

                   

                    

                   

                   

                    

                   

                  

                  

                  

                   

                   

                   

                   

                    

                   

                    

ブレイキング・バッド 」の前日譚である「ベターコールソウル」も残すところ4話となりました。

「ブレイキング・バッド」後のエピソードは前日譚でもある「ベター・コール・ソウル」でも、一部描かれています。前日譚で親シリーズのその後が描かれるというのも今までにはないスタイルと言えますね。

ソウル・グッドマンは、「ブレイキングバッド」で登場した掃除機修理屋を表向きの仕事で、裏家業で敏腕夜逃げ屋をしているエド(ロバート・フォスター:残念ながら、2019年10月11日に脳腫瘍で死去)によって、ネブラスカ州オマハのショッピング・モールにあるシナモンロール専門店「シナボン」( CINNABON )で働くジーン・タカヴィックという人物になりすましています。

「ベター・コール・ソウル」の各シーズンの第1話冒頭(タイトルが出るまで)では、「ブレイキング・バッド」のその後のソウルが、ジーン・タカヴィックと名を変えて生活している姿を、モノクロで描いた数分間で始まります。

ジーンは、一人暮らしで「シナボン」の店長をしており、「ブレイキング・バッド」での事件の余波で指名手配され、懸賞金までかけられている自分の正体がバレないか、常に神経を尖らせて生きています。

今回のシーズン6−10を観るにあたり、出来ればシーズン4 第1話、シーズン5 第1話の冒頭シーンを見てから、鑑賞する事をオススメします。

なぜ見ておいた方がよいのかというと、6−10は初めて全編「ブレイキング・バッド」のその後のソウルを描いた「ジーン・タカヴィック」のエピソードで、以前シーズン4 第1話とシーズン5 第1話の冒頭で出てきたタクシードライバーのジェフが中心になる話だからです。

内容的には、シーズン5 第1話の冒頭でタクシードライバーのジェフに、ソウルグッドマンだった事がバレてしまい、夜逃げ屋のエドに電話し再度夜逃げを依頼しますが、自分でなんとかすると言って電話を切って終わりますが、6−10話は正にその後を描いた内容ですので、少なくともシーズン5 第1話冒頭は見ておくと分かりやすいと思います。

可能であれば、シーズン4 第1話冒頭とシーズン5 第1話冒頭の2つとも見ておくと、より分かりやすいかと思います。

しかし、ハワードやラロ・サラマンカ、キムが去った直後のエピソードに、なぜジーンのフル・エピソードをこのタイミングで持ってきたのか、、ちょっと戸惑います。

海外でも、賛否両論出ているようです。個人的には、このエピソードは過去のパターンからも、シーズン6の1話でも良かった気がしますね。。

わざわざこのタイミングでジーンのエピソードを持ってくるのは、何か意図があるのでしょうかね、、ウォルターとジェシーの登場を予告するためなのか、それともキム(キムはネブラスカのオマハで生まれ育っている)との再会の可能性でもあるのでしょうか、、もしくは、シーズン5第1話の冒頭で描かれたジーンのストーリーの続きを、このタイミングで描いて一区切りをつけておきたかったのかもしれませんね。

そうなると、次のエピソードからはブレイキングバッドの時系列に切り替わるというシグナルなのかもしれません。

シーズン4 第1話とシーズン5 第1話の冒頭を簡単に説明しておくと、ジーンにとって最悪の出来事が起こったのです。

タクシードライバーであるジェフ(ドン・ハーヴェイ)という男の存在です。彼は以前にアルバカーキで過ごし、テレビや看板広告でソウル・グッドマンを見たことがあるという、ちょっと威圧的なタクシー運転手で、ジーンがたまたま乗ったタクシードライバーがジェフだったのです。これはシーズン4 第1話の冒頭で描かれています。

そしてシーズン5 第1話の冒頭では、ジーンがショッピングモールで昼食中に偶然ジェフが通りがかり、寄ってきて「お前が誰か知っている。」と言い出し、TV CMでやっていた「ベターコールソウル!を言えよ。ほら、言えって。」と威圧的に強要し、ジーンは屈してしまい要求通り「ベターコールソウル」とポーズをつけてやってしまうのです。

ジーン・タカヴィック=ソウル・グッドマンだった事がジェフにバレてしまい、この潜在的な脅威にどう対処するか、、最終シーズンに残っていた問題の一つではありましたが、それが今週のエピソード6−10でその答えが明らかになっているわけです。

6−10でジーン(ソウル)は、今回手の込んだ巧妙な詐欺を可能にする自分の才能に頼ることになります。彼はジェフの母親マリオン(キャロル・バーネット)に、愛犬を探していると嘘の張り紙を作り接近し、母親のカートに細工をして動けなくして、ジーンが押して自宅まで送る事でジェフの家に入り込み、ジェフとその仲間を説得、ソウルが働くショッピングモールの店舗から数千ドル相当の衣服を盗難する計画を提案します。

この強盗計画は、周到に準備され完璧な計画に思われましたが、全て盗み終わりジェフが出て行くところで、ジェフが足を滑らし転倒して気を失ってしまいます。しかし、ここでソウルが機転を効かして監視カメラのスクリーンからモールの警備員の注意をそらした事で成功します。このシーンは6−10話のハイライトと言える場面で非常に面白く、ソウルの面影が出た瞬間でもありますw

犯行後、ソウルはジェフとその仲間に、2人の行った犯罪は連邦犯罪で起訴され10年以上ブチ込まれる可能性があると説明し、ジーン=ソウルの事は二度と話すな。そして、モールに来るなと言います。これは、ソウルへの脅迫者であったジェフが、逆にソウルに脅迫されるあるいは牽制されたとも言えるでしょう。

ジェフとその共犯者(共犯者の俳優は同じ)は、渋々ながらも素直に応じます。しかし、シーズン4、5第1話の冒頭で登場した最初のジェフとはまるで別人で違和感は感じますが、、

6−10話に出演しているジェフ役の俳優は、シーズン4と5の第1話の冒頭でジェフを演じたドン・ハーヴェイではありません。なぜ俳優が変わってしまったのでしょうか?

それは、ジェフ役のドン・ハーヴェイが他の番組との契約上の理由で、ベターコールソウル6−10話で再びジェフ役で出演できなかったと伝えられています。

6−10話でパット・ヒーリーが演じた新しい「ジェフ」は、威圧感のない、ちょっと間の抜けた別のキャラクターのように見えます。

ドン・ハーヴェイ版のジェフは、犯罪者、殺し屋、カルテル・ボスの護衛のようなどこか危険さを感じる印象でした。シーズン4第1話の冒頭では、バックミラー越しに後席に乗るジーン(ソウル)を見つめるジェフ(ドン・ハーヴェイ)の不気味で冷たい威圧的な目が印象的でした。ジーンもやや動揺する気持ちも分かりますw

6−10話「Nippy(迷子犬)」の序盤で、ソウルがジェフの母親(キャロル・バーネット)の家でジェフと顔を合わせた時、前回の威圧的なジェフの要求行為などもあった後なので、ソウルがジェフに対しての態度が、ちょっと腑に落ちませんでした。

ジェフ役の俳優が威圧的な風貌のドン・ハーヴェイから、一見大人しそうな外見のパット・ヒーリーに変わった事でリセットされてしまったのでしょうか?

結局のところ、ジェフはソウルを大きな麻薬殺人事件の関係者で、指名手配人物と知っていたのでしょう。正直、ソウルにかけられている懸賞金の方が高そうな気もしますが、、w

しかし、エア・ジョーダンやアルマーニのスーツを盗むというコソ泥のような行為は、このエピソードに登場する新しいジェフ役の(パット・ヒーリー)の気が弱く、やや小物に見えるキャラクターには、ぴったりなのかもしれません。

逆に、当初のジェフ役で威圧的な風貌のドン・ハーヴェイでしたら、このストーリーは合わないかもしれませんね。

そして、強盗計画が成功した後のジーン(ソウル)の恐怖とパニックに近い表情は、ジーンがこの計画を楽しんではいなかったことを示しています。あくまでもジェフの脅威の排除が目的で必要だからやったのであって、以前のように楽しんではいないのです。

そして、モール警備員のフランクの注意をモニターから逸らすために、ジーンが語った両親が死んだこと、兄、妻なし、子供なし、友達なしはすべて事実でした。。逃亡者の身でもあるジーンは完全な孤独なのです。

今回のエピソードで、ジェフの母親マリオンを演じた、キャロル・バーネットがお元気そうで何よりでした。現在、89歳だそうです。

そして、気になったシーンというか台詞があります。

それはジーンとジェフ、共犯者が、雪原で強盗の念入りなリハーサルをしている時に、ジェフがこの強盗計画はイカれた計画に思えると疑問を感じ始めます。

しかし、ジーンはイカれてる?イカれてるというのは「高校の化学教師がローンも払えず、お金に困って俺との所に来たが、1年後は札束に埋もれていた。それこそがイカれた話だ。」と言います。

そう、これは明らかに「ブレイキング・バッド」のウォルター・ホワイトのことです。ここでこの話が出てきたという事は次回への伏線かもしれませんね。

そして、エピソード最後は、派手な柄のシャツの上に派手なネクタイを自分に合わせ、いいなぁ、、と思いながらもシャツにネクタイかけたまま商品ラックに戻して去って行くところは、ジーンがソウル・グッドマンへの未練も感じさせますし、切ない最後のシーンです。

6−10エピソードは、たしかにゆっくりした展開でしたが、ジーン=ソウル=ジミーが、脅威から逃れ、再び第二の人生を取り戻して生きているのを見るのは素晴らしいことです。

ジェフの脅威を排除し、「シナボン」でせっせと仕事をしているジーンは仕事が楽しそうにさえ見えます。しかし、これだけシナモンロールが出てくると、あまり甘い物は食べない自分でさえ、「シナボン CINNABON 」のシナモン・ロールが無性に食べたくなりましたw

残す最後の3つのエピソードは素晴らしいものになり、長く私たち視聴者の心に残るものになると期待したいと思います。🔚

シナモンロール専門店「CINNABON シナボン」日本ホームページ

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