LGの有機EL TV C1モデルは、優れたゲーミング機能、性能、画質、価格などの総合面で、昨年様々なメディアでベスト・ゲーミング4K TVにも選出されるなど、人気のモデルでした。
今年1月のCESで新たに、昨年までハイエンドモデルのGシリーズにのみ採用されていた輝度、色域が向上した「EVOパネル」を搭載し、初の42インチモデルまでラインナップした C1の後継モデル「C2」を発表しました。
私も現在、C1 48インチモデルを使用しているので、 C2は気になるモデルです。最近、モニターテックレビューで定評のあるRTINGS.comが C2のレビューを公開しています。
LG C2 OLEDは、全世界でも非常に人気の高いLG C1 OLEDの後継機種です。C2のような有機EL(OLED)テレビは、液晶TVのようなバックライトではなく、自ら発光もしくは完全に消えるため、完璧な黒を再現出来、ほぼ無限のコントラスト比を持っています。
そして、各ピクセルの明るさを個別に制御できるため、完璧な黒のすぐ隣に明るいハイライトを表示する事が可能になるので、直下型バックライト方式の液晶TVで見られるブルーミングやハロー効果が発生しないことも、大きなメリットでもあります。特に暗い部屋ではこれが顕著になります。
私も直下型バックライト方式の4K液晶TVからLG C1に買い替えて映画を鑑賞してみて、その効果を実感しました。
C2(2022年モデル)は、他のLG製テレビと同様に、「webOS」を採用していますが、2ユーザープロファイルを追加するなど、若干の改良がされているようですが、ガラリと大きく変わったわけではないようです。しかし、HDTV Testの検証によると、処理速度が向上しているようで、全体の操作レスポンスは増しており、C1に比べてアプリなどの起動もC2の方がより機敏である事が分かります。
注目のゲーミング機能では、GeForce Now、Stadiaゲームストリーミングに対応するなど、ゲーム機能が更に充実しているようで、更にLG OLED TV初の42インチ有機ELパネルを採用するなど、昨年モデルより幅広い画面サイズが用意されています。
RTINGSは、「LG C2 OLED」をほとんどの用途に対応する驚くべきテレビと称賛しています。
C2からより明るいEVOパネルが採用された事で、ほとんどの有機ELよりも明るくなった事で、明るい部屋でテレビ番組やスポーツ視聴、更に画角も広いので、広い角度に座席配置も可能、そしてゲーム機能も充実、更に入力遅延も少ないため、素晴らしいゲーム体験が出来ると高評価です。
LG C2のHDRでのピーク輝度は良好なようですが、同じ2022年モデルでG1の後継機種になる、LG G2 OLEDほどは明るくないようです。
特に、暗いシーンで小さな明るいハイライトのあるような映像を表示したときに、際立つようです。しかし、残念ながら C2は積極的に効くABL(Auto Brightness Limitter)により、大きな明るいシーンは小さなハイライトよりもやや抑えられて暗いままになってしまうようです。
通常のコンテンツを見ているときはあまり気にならないようですが、テレビをモニターとして使っているときは気になるとの事。ほとんどのシーンは適切な輝度レベルで表示され、ピーク輝度付近では滑らかなロールオフがあり、本当に明るいシーンの明るいハイライトは維持されるとの事。
プリ・キャリブレーションに関しては、C1とは違い箱出し状態でも素晴らしい精度を発揮、大きな問題はないようです。ホワイトバランスは素晴らしく、特に問題もなく、ほとんどの色が正確に表示されるとの事。
色温度はやや低くめで、画像はやや青みがかった色合いになるようです。ガンマは、暗い部屋でのターゲット値である2.2に非常に近いようですが、非常に暗いシーンでは少しつぶれ気味との事。
そして、D65ホワイトポイントにキャリブレーションしたところ、LG C2 OLEDはほぼ完璧な精度を実現したようです。ホワイトバランス、色精度ともにほぼ完璧で、目立った問題はなし。色温度はキャリブレーションターゲットの6500Kに極めて近く、ガンマも暗い部屋では申し分ないとの事で、 この点ではC1よりかなり進歩というか、改善しているようです。
UHDブルーレイなど、現在のほとんどのHDRコンテンツで使われているDCI-P3をほぼ完全にカバーしており、一部のコンテンツで使用されているRec.2020も十分にカバーしているようですが、緑やシアンの全領域を表示することは出来ないとの事。特に彩度の高いグリーンを表示する際のトーンマッピングはあまり正確ではないようで、HDRの色精度を重視するのであれば、 C2はあまり良い選択とは言えないとの事です。
焼き付きリスクは、有機EL TVなので、ゼロとは言えませんが、多様なコンテンツを見る分には問題になる事はないとの事。
2022年モデルでもあるLG C2 OLEDと、LG G2 OLEDに使われている新しいパネルは、焼き付きが起こりにくいとLGは宣伝していますが、それがどの程度違うのかは現時点で分からないとRTINGSは述べています。
スタッターに関しては、C2は画素の応答速度が非常に速いため、フレームレートの低いコンテンツを見るとスタッターが目立つようです。特に、映画のゆっくりとパンするショットでそれが顕著になるとの事。
VRR(可変リフレッシュレート)については、LG C2 OLEDは3種類のVRR(可変リフレッシュ・レート)技術すべてに対応しており、対応するあらゆるソースからほぼティアリングのないゲーム体験が可能になっているようです。
VRR機能は、非常に幅広いリフレッシュ・レート間で動作するため、フレームレートがかなり低くなっても、画面のティアリングは発生しないとの事で、これはゲーマーとしては大きなポイントと言えそうです。
ゲーマーとして気になる、入力ラグに関しても非常に小さいようです。(ゲームモード)120Hzソースでもハイエンドのゲーミングモニターほどではないものの、ほとんどのゲーマーにとっては十分と言えるレベルとの事。
最終的に、LG C2 OLEDは、LG C1 OLEDと比べると、どうなのか気になるところですが、RTINGSは、「性能はほぼ同じだが、全体的には C2がやや優れている。」との事。
特にSDRやHDRで小さな明るいハイライトを表示するときは、C2の方が少し明るいとの事。色域はC2の方が若干広いようですが、トーンマッピングが悪いらしく、制作者の意図をあまり尊重していないようです。
C2には新たにハンズフリーの音声コントロール機能を搭載するなど、スマート機能が若干向上しているようです。スマートインターフェースはユーザープロファイルに対応し、家族それぞれに合わせて使い分けする事ができるようになったとの事です。
C1を既に購入済み、もしくは C1を最近購入した方(私もそうですがw)は、それほど慌てて買い替えなくても良さそうな程度の差に感じます。
もちろん、厳密に言えば、EVOパネル採用で多少明るいのと、若干の色域の広さなどありますが、その差が気になるようであれば、買い替えても良いかもしれませんが、 C1が型落ちとなるので、コスパではC1が相当良くなりそうです。
なんと言ってもC2の大きな特徴はやはり、42インチモデルの登場でしょうね。デスクトップゲーマーに42インチモデルは、画面サイズ的にも最適ですし、ゲーミング性能の高さ、そしてHDMI入力4系統全てがHDMI2.1端子を採用しており、PS5、Xbox Series Xに加えて、ハイエンドグラフィックスカード搭載のPCなどもHDMI2.1で接続出来ます。国内メーカーの一部モデルでは、HDMI端子4つ中、2つしかHDMI2.1端子を採用していないモデルが結構多いので、その点も大きなポイントかもしれません。
私も42インチモデルは気になるところです。日本では例年のパターンからも、6〜8月に発表、発売されると思われます。🔚
via RTINGS.com
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