現在、『Perfect Dark』を開発中のマイクロソフトXbox Game Studio傘下のThe Initiativeスタジオですが、VGCによるとこの1年間「物凄い勢い」でシニアクラスのスタッフの離職があったようです。
VGCがLinkedInのプロフィールを分析したところ、『Perfect Dark』リブート版の開発に携わっているとされるコア開発チームの約半数にあたる、約36名のスタッフが昨年中に退職していたとの事。
その36名の中には、先日も海外で報道されたゲームディレクターのDan Neuburger氏、昨年報じられたデザイン・ディレクターのDrew Murray氏(現在はソニー傘下インソムニアックに在籍)、リード・レベルデザイナーのChris O’Neill氏、プリンシパル・ワールドビルダーのJolyon Myers氏、シニアシステムデザイナー2名、元God of Warデザイナーだった3名のグループなど、The Initiativeスタジオのシニアクラスのデザインチームのほとんどが辞めたとの事。VGCの記事に退職されたスタッフのリストが掲載されています。
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離職はデザインスタッフだけでなく、『Perfect Dark』シニア・ライター2人も最近離脱、プロジェクトのテクニカルディレクター、テクニカルアートディレクター、リードゲームプレイエンジニア、リードアニメーター、QAリードなどと共に辞めてしまったとの事。
LinkedInによると、The Initiativeスタジオは現在約50人以下で、ウェブサイト上で募集している職種は3つで、VGCの分析によると過去12ヶ月で約12人を雇用しているようです。
この大量離脱のタイミングは、昨年の2021年9月にトゥームレイダーのリブート3作品の開発で知られる「クリスタルダイナミクス」スタジオが『Perfect Dark』の共同開発者になると発表した時期と重なるとの事で、これに伴っての大量離職という事も考えられるとの事。
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複数の元シニア開発者へのインタビューでは、クリエイティブな自律性の欠如、開発の進捗の遅れが離脱の理由として挙げているようで、この大量離脱はあまり例を見ない「猛烈な速さ」での離職で、これによってプロジェクトは「大きな影響を受けた」との事。
The Initiaiveスタジオのボスを務める、クリスタルダイナミクスの元ボスでもあったダレル・ギャラガー氏は、
「現在のチームと新たに加わる人材には自信を持っており、新型コロナウィルスの大流行時には業界全体の需要増加で、人材獲得競争もあって人材確保に苦労しました。今は、かつての仲間たちの幸せを祈りつつ、早くファンの皆様と多くのことを分かち合いたいと思っています。」
と述べているようです。
VGCの取材によると、同スタジオトップのダレル・ギャラガー氏、先日離脱したゲームディレクターだったダン・ノイバーガー氏らと、シニアクラスの開発スタッフが、プロジェクトの方向性で対立したようです。
ギャラガー氏はクリスタルダイナミクスのトップ、ノイバーガー氏はディレクターとして『トゥームレイダー』のリブートという難しい仕事を大成功させ、クリスタルダイナミクスを軌道に乗せた経験から、今回の『Perfect Dark』のリブートも強い確信を持って挑んでいたようで、同様のやり方でスムーズに進めようとしたようです。
そのトップダウン的なやり方に多く集められた優秀なスタッフとぶつかった可能性が指摘されています。他にも開発の優先順位、チームの人員配置など重要な意見を聞き入れてもらえなかったようです。
VGCが取材した元社員は「開発進捗の遅さに対して、マイクロソフトがあまりにも寛大だったことに驚いた。」との事。マイクロソフトは過去の教訓から、傘下スタジオ独自の文化には干渉せず、各スタジオのペースを尊重する姿勢を重視していますので、The Initiativeスタジオのボスは、前述の通りクリスタルダイナミクスのボスだったダレル・ギャラガー氏なので、ノイバーガー氏と共に、クリスタルダイナミクスの色が濃くあるのかもしれません。結果的に、共同開発にクリスタルダイナミクスが参加した理由もそこにあるのかもしれません。
いずれにしろ、伝説的なタイトルのリブートであり、ファンの多い作品ですから素晴らしい作品に仕上がって欲しいなと、心から願っています。🔚
via VGC
こうなるとThe Initiativeを立ち上げた意味があるのか疑問に思ってしまう。
最初からクリスタルダイナミクスに開発させておけば良かったとのではと。
あとマイクロソフトはInitiative内の軋轢を把握していたのでしょうかね?
この惨事を見ているとマイクロソフトにActivision Blizzardの立て直しが出来るのか不安になってしまいました。
マイクロソフトが、スケジュール遅延に対して驚くほど寛大だったという証言からも
スタジオ独自の文化を尊重するあまり(悪く言えば極力干渉せずに放置?)
スタジオ内部の不協和音の対応が遅れたという見方も出来ますね。。
しかし、The Initiativeのボスであるダレル・ギャラガー氏の長年の相棒でもある
ダン・ノイバーガー氏(トゥームレイダーリブート2作のゲームディレクター)まで
辞めてしまったのはショックというか、驚きです。
もう、クリスタルダイナミクス自体を傘下に取り込んだ方が良いのではないかとw
ま、スクエニの傘下なので、そう簡単には行かないのでしょうけどね、、
仰る通り、このような状況でActivision Blizzardの巨大な組織の立て直し、大丈夫なのかな、、
と思ってしまいますよね。。現在、米規制当局がActivision Blizzard買収の審査に入っているようです。