オランダの市場調査会社Newzooによると、2021年のゲーム業界は過去最高の収益を記録し、1,803億ドル(約20.5兆円)に達したと発表しています。これは、新型コロナウィルス感染拡大により世界中でロックダウンが起こり、家に居る事が多くなった事による“巣ごもり消費“の恩恵を受けた昨年より1.4%程度と僅かな成長ではあるものの、昨年の勢いが依然として衰えずに好調なセールスが続いた事が分かります。
Newzoo社は今年の初めにはゲーム業界が実際に縮小する(1.1%減)と予想しており、通期の収益を1,758億ドルと見込んでいたようです。アナリストの予想を上回る結果となったのは、主にモバイル部門の衰えない成長(前年同期比7.3%増)のようです。PC、ゲーム機市場も非常に好調で市場予想を上回り、それぞれ8億ドル(約913億円)、12億ドル(約1,370億円)の増収となりました。
Newzooはレポートで「今年は、AAAタイトルの発売が遅れ、新しい次世代コンソールの供給不足がいまだに続いているため、人々の消費機会損失で市場成長が2020年に匹敵することは不可能である。」と考えていたとの事。
しかし、「2021年に入って9ヶ月が経過した時点で、市場が再び成長することを実感した。」ようです。
「ゲーム市場は、かつてのように季節性のヒット商品を生み出すビジネスではなくなってきている兆候を示しています。新しいゲームコンテンツは、もはや新しいゲームや新しいハードウェアを意味するものではなくなりつつあり、新しいシーズンパスこそが収益をもたらす可能性が高い。」として“収益構造が変わりつつある“と指摘しています。
クラウドゲーミング市場も、今年は昨年の2倍以上の売上を記録するなど大きな成長を遂げているようで、Newzooは今後3年間、2024年には4倍近く成長すると予測しています。
Newzooはレポートで、「ゲーマーが入手が困難になっている様々なハードウェアのアップグレードに苦労し、少なくとも来年の2022年後半までは新しいコンポーネントの入手が困難になるため、多くの消費者が新作をプレイするための代替手段を探すことになる。クラウドゲーミングは、これらのプレーヤーにとっては完璧なソリューションだ。」としています。
他には、ゲーム業界のeスポーツやライブストリーミングの分野も2021年を通して拡大しているそうで、eSports収益は前年比14.5%増、ゲームのライブストリーミング視聴者数は2020年と比較して12.7%増、Twitchは2021年までに233億時間のライブビューイングを行い、同プラットフォームの歴代最高記録を更新したとの事。
Newzooでは、同年のゲーム業界の総売上高は2,188億ドル(約25兆円)、そのうちモバイル部門だけで1,164億ドル(約13兆2,850億円)になると予想しています。また、クラウドゲーミングは65億ドル(約7,418億円)、eSportsは16億ドル(約1,826億円)に成長すると予測し、かなり見通しは明るいようです。
コンソール(ゲーム機)市場は、ご存じのとおり半導体不足によって、ソニーもマイクロソフトも任天堂も、旺盛なコンソール需要に対して供給が追いついていない状況下です。その中でこの結果ですので、単価の高いコンソール供給が潤沢に供給されれば、更なる成長に拍車をかけた事は確かでしょう。
いずれにしろ、来年後半以降には次世代ゲームエンジンである「アンリアルエンジン5」を採用した次世代タイトルが出てくると思われるので、映像的にも大きく進化した次世代感のあるタイトルが増えてくれば、コンソールもゲーミングPC市場も更に盛り上がるかもしれません。🔚
via Newzoo
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