【興味深い内容】XBOX20周年、ベセスダ買収、ゲームパス、クラウドゲーミング立ち上げなどを振り返る、XBOX関係者インタビュー

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GQによるXBOX関係者へのインタビュー記事「Xboxはどうやってゲーム機を超えたのか:フィル・スペンサーの数十億ドルギャンブルの裏側」が非常に興味深い話の内容で、非常に読み応えのある良記事でしたので、その中で関係者の興味深い発言をいくつかピックアップしてみたいと思います。

現在、ゲームパスが主軸になり、クラウドゲーミングなどで他のデバイスから自社のゲームをプレイ出来る環境になりつつあるXboxにとって、PlayStationはもう競争相手ではないのかもしれません。

ソニーは、そのPSコンソールでしかプレイできない専用独占タイトルゲームを、約8000円のフルプライスで販売しています。昨年、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのジム・ライアンCEOが「フェアな価格だ」と言っていました。

ゲームパスでは、どの世代のXboxゲームでも好きなゲームをまとめてプレイすることができます。しかし、その可能性を次のレベルに引き上げることができるのは、「Xbox Cloud Gaming」なのかもしれません。

「XBOXクラウド・ゲーミング」は、現在主流になりつつある映画やTVドラマの様にストリーミングであらゆる画面、デバイスでゲームをプレイするというものですが、このクラウドで快適なゲームプレイを実現するには、ただ観るだけの映画とは違い、非常に困難であることはこれまでに参入した企業が軒並み失敗している事からも明らかです。OnLive、Ouya、そして最近ではGoogle Stadiaでした。

GoogleのStadiaも、スタジオの立ち上げやゲームの契約に多くの金額を投入し、華々しく発表されましたが、1年半も経たないうちに頓挫しています。

マイクロソフトの場合は、Game PassとXbox Cloud Gamingによって、新作を含む何百ものゲームを、どこでもプレイできるようにした上で、最大でもGame Pass Ultimateの月額1100円程度のリーズナブルな料金で提供しています。

2016年当時、マイクロソフトのカリーム・チャウンドリー氏は、後方互換機能を開発していたそうです。「XBOX360用にデザインされたゲームを、XBOX360なしでプレイ出来るようにしました。では、次のステップに行くにはどうすればよいのか?コンソールゲームをコンソールなしでプレイするという事は、どういう事だろう?という疑問を持ち始めました。」と述べています。

そしてフィル・スペンサー氏に提案し、その当時はGame Passも開始された時期だったそうで、偶然にもよいタイミングで全てが重なったそうです。そして2018年に、Xboxは当初「Project xCloud」と名づけられたクラウド・ゲーミングチームを正式に結成したとの事。

クラウドゲーミングの可能性の素晴らしいところは、ゲーム機を持っている数億のプレイヤーではなく、他の様々なモバイルデバイスを使っている何十億人ものプレイヤーにまで対象が広がるからです。

サラ・ボンド氏によると、アフリカでは「グランド・セフト・オート」などのブランドを誰もが知っているそうです。しかし、アフリカの人達の誰もがそれらをプレイすることはできないようです。経済的な問題で人々の多くがコンソールもハイエンドのPCも持っていないからです。そんな人たちまでが、手持ちのスマートフォンやタブレットなどでプレイ出来るようになれば、大きな可能性も秘めています。しかし、それには高速なネットインフラも広く普及しなければならないでしょう。

マイクロソフトは今年にようやく世界中の何十億人ものiPhoneやAndroidユーザーに向けて、「Xbox Cloud Gaming」サービスをスタートしました。スペンサー氏によると、XBOXはテレビメーカーと協力して、NetflixやDisney+のように、テレビ内に「Xbox Cloud Gaming」アプリ内蔵し、XBOXがなくてもコントローラーさえあれば、TVから直接ゲームをストリーミングし、プレイできるようにすることも、近いうちに可能になると述べています。

この様に、ゲームパス、クラウドゲーミングの土壌が整いつつある状況で、その入り口となるゲームパスの契約者数を更に爆発的に多く獲得するには、やはりゲームパスの魅力的なゲーム・ラインナップになります。

マイクロソフトは数年前から次々と有力タイトルを開発している優秀なスタジオを買収しています。

その中でも、75億ドルという巨額でベセスダ・ソフトワークスの親会社であるゼニマックス・メディアグループを丸ごと買収しました。この規模の契約は、ディズニーがスター・ウォーズとマーベルの全フランチャイズに支払った金額を超えるものだそうです。この買収でXBOXは、ビデオゲームで最も人気のあるブランドタイトルを複数所有することになりました。

Dishonored、Doom、Quake、Wolfenstein、 Fallout、Starfield、The Elder Scrollsなどです。

「Starfield」はまだ開発中の新作ですが、他の作品群はビデオゲーム史に燦然と輝く名作タイトルばかりで、新作が出れば必ず話題になる作品ばかりです。プラットホーマーがこれだけの作品群を一気に買収して傘下にした事は、ビデオゲーム史上ないのではないでしょうか?

しかし、最近のフィル・スペンサー氏はカジュアルゲームのスタジオに興味があるとも発言していて、コアゲームの買収が続いた事もあって、今度はカジュアルゲームをターゲットにし、より多くのエントリー層を取り込みたい狙いもあるようです。

ゲームパスの加入者数がマイクロソフトの目標値に届かなかったという報道もあり、一時より伸び悩んでいる傾向にあるのかもしれず、コア層より膨大なユーザー数のいるカジュアル層を獲得する方向も検討しているのかもしれません。

Bethesda Game Studiosのゲームディレクターで現在「スターフィールド」を開発中のトッド・ハワード氏にとって、マイクロソフトの買収後も、環境的にそれほど大きな変化はないとの事です。それよりハワード氏にとって印象的なのは「Game Passは、ゲームデザインに対する考え方を変える最大の変化。」と述べています。

「ゲームパスは“クリエイター主導型“のプラットフォームです。Game Passの前は、このゲームを作りたいと思っていても、販売予測会議で『そのゲームを作れるかはどうかわからない。』と言われてしまうこともあります。しかし、Game Passでは、他の方法ではプレイヤーを得られないような多くの種類のゲームに、クリエイティブなキャンバスを提供します。」

と述べています。

どうやら、ゲームパス前提で開発する事で、今までは開発出来なかったような個性的で挑戦的なタイトルを作る事が出来るようになったようです。これは、フィル・スペンサー氏も昨年、メディアのインタビューで「マイクロソフト・フライト・シミュレーターや、Tell Me Whyなどはゲームパスが成長していなければ、開発にGOサインを出さなかったと思う。」と述べています。

関連記事:【フィル・スペンサー氏インタビュー】XboxシリーズX|Sは、マイクロソフト史上最大のコンソール・ローンチ。「TELL ME WHYやMSフライトシミュレーターは、ゲームパスが成長していなければなかったと思う。」

マイクロソフトのゼニマックス・メディア・グループ買収には、2002年当時、同社と非公式なパートナーシップが役立ったそうです。ベセスダは、Xboxをリード・コンソール・プラットフォームとしてゲームを開発していたとの事。

スペンサー氏は、ベセスダ買収の成功でHalo、Gears of War、Forzaといった一流のフランチャイズに加え、強力な独占タイトル群を確保することで、ゲームパスのラインナップを広げることに成功しました。

そして、2022年最大のゲームと言ってもよいベセスダのトッド・ハワード氏のチームが開発中の大作『スターフィールド』は、XboxとPCのみの発売となる事が確定しています。スターフィールドの開発を指揮するトッド・ハワード氏は「最終的な目標は、ゲームを起動したときに自分が移動したように感じられるようにすること。」と述べています。

スペンサー氏は「Xboxで出すためには、私たちが持っている完全なコンプリートパッケージを提供できるようにしたいのです。それは、『Elder Scrolls VI』を考えたときにも言えることですし、当社のどのフランチャイズを考えるときも、同じことです。」と述べています。この発言からすると、「Elder Scrolls Ⅵ」がXBOX、PCにターゲットを絞って最適化して開発するとも受け取れます。そうなると、「Elder Scrolls Ⅵ」がXBOX、PC独占タイトル(要はマイクロソフト独占)になる可能性もあります。

フィル・スペンサー氏の仕事はまだ終わったわけではないと、それだけははっきりしているようです。記事によると、更なるスタジオ買収の可能性、その他の大きな動きがまだある様です。『Halo Infinite』は、既にマルチプレイがリリースされ、更に12月9日には注目のシングル・キャンペーンも発売されます。

スペンサー氏は、Halo開発専門スタジオである「343 Industriesのチームが最高の仕事をしたと確信している。」との事です。「Halo Infinite」は「Halo 3」以来の大成功となる可能性を秘めていると言っても良いでしょうね。

『Game Pass』と『Xbox Cloud Gaming』の準備が整った事によって、これまで以上に多くの人が、Halo、Forza Horizonなどのゲーム、今後発売されるすべてのXbox新作ゲームをプレイできるようになります。

スペンサー氏とXBOXチームは、20周年を祝う一方で、未来に自身が関与していないことを自覚しているようです。「このXBOXチームが長く続くこと、このチームが持続可能であること、今の私にとってそれ以上に重要なことはありません。」とスペンサー氏は述べています。この発言からも、スペンサー氏が既に自分が身を引いた後、後継者がスムーズに継続出来るような地盤作りに取り掛かっているような気もします。。

この記事を読んでいると、スペンサー氏の後継者には後方互換やクラウドゲーミングチームを指揮している、カリーム・チャウンドリー氏が相応しい様な気がします。

そして、次世代ゲーム機(現行機)の開始から1年が経過した現在、記事によるとPlayStation 5の販売台数はXBOXを上回っている様です。そういった事を踏まえ、XBOXチームはこれまでと同じように、たとえそれが適切な時期ではないとしても、リスクを冒し、決断を下していく攻めの方向性は変わらないようです。

フィル・スペンサー氏は、「私が学んだのは、それをしない(失敗を恐れて断念する)のは非常に危険だということです。今日、その“種“を蒔かなければならないのです。なぜなら、その種はただ単に『起こる』ものではないからです。イノベーションはそう簡単に出来る事ではありません。」と述べ、リスクを取らなければ何も起こらないし、そうしなければイノベーションは起こせないとしています。

カリーム・チャウンドリー氏は「クラウドゲーミングは、何年も前に生まれたアイデアです。何度か試してみましたが、まだ準備ができていませんでした。過去に試したものの中には、業界の準備ができていなかったもの、ビジネスの準備ができていなかったもの、消費者の準備ができていなかったものなどがあります。でも、それはすべてやり残したことなのです。私はあきらめません。」 ようやくスタート地点に立ったクラウドゲーミングはまだまだ改善の余地はありそうですが、少なくともXboxクラウドゲーミングをプレイした限りでは、今までで1番まともにプレイ出来ていると感じます。

そして、クラウドゲーミングに関して、カリーム・チャウンドリー氏はユニークな提案もしています。それは、XBOXからもクラウドゲーミングが出来るようになったので、ゲームをダウンロードする前に、まずはクラウドでプレイし、気に入ったらダウンロードするという利用法です。

クラウドはゲームデータを時間かけてダウンロードせずに直ぐにプレイ出来るので、その利点を使って欲しいとの事。確かに、そうすればストレージの節約にもなりますし、ダウンロードしている間の時間の節約にもなります。これは積極的に活用した方が良いかもしれません・

外でのクラウドゲーミングに関しては、今後5Gエリアが徐々に拡張され、現在の4Gレベルまでエリアカバーが進んで整えば、数年後にはとんでもない可能性を秘めています。ソニーやセガがマイクロソフトとAzureクラウドで提携したのも、そういった数年先を睨んでいるからでしょうね。

ゲームパスも今後、マイクロソフトが買収した23ものスタジオの独占タイトルが徐々に発売され、ゲームパスの恒久リストにドンドン積み増しされて有力タイトルが増え続ければ、ますますその価値も上がりコスパも最強になるでしょうね。(というか、既にコスパ最強ですがw)

そして、TVにXBOXクラウドゲーミングのアプリが組み込まれ、手軽さが更に増せば、契約者数も増加するのは間違いでしょうし、そう言った将来を睨んだ環境作りとして考えると、マイクロソフトは一歩先を進んでいるような気がします。🔚

via GQ

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