ウォール・ストリートジャーナルが米ドラッカー研究所の研究者による分析(パンデミックが始まってから6月末までの数カ月のデータを対象)した米効率経営ランキングでマイクロソフトが1位になったと報じています。
現在、私たちの日常生活で欠かせなくなっているスマートフォンやクラウドサービス、スマートスピーカーなど、多くを運営している巨大IT企業が他を圧倒しているようです。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大が全世界で経済に広く打撃を与え、世界の人々の生活を一変させました。IT企業は2020年の「経営トップ250」でも上位を維持しています。「経営トップ250」ランキングは、経営学の第一人者、故ピーター・ドラッカー氏が提唱した原則に基づき、米クレアモント大学院大学ドラッカー研究所が毎年まとめている企業番付で、今年は886社を33の経営効率指標を使用して調査したとの事。
2020年ランキングで マイクロソフトが全ての主要評価項目で優れたスコアをマークし、アマゾンを抜きトップになりました。スコア項目は顧客満足度、従業員の関与と人材開発、イノベーション(技術革新)、社会的責任、財務体質の5つで構成されています。
マイクロソフトはイノベーションで高いスコアを獲得しつつ、企業文化や社会的影響を強化したことで首位になったようです。
マイクロソフトのイノベーション面では、研究開発費、特許出願件数、商標登録件数が増加しているようです。ドラッカーの研究者によると、商標登録件数の多さは、いかに多くの知的財産を商用化できているかを示す格好の指標。
マイクロソフトのケビン・スコット最高技術責任者(CTO)は、「我々はクラウドコンピューティング、人工知能(AI)やゲーム分野での過去1年の進展、持続可能性(サステナビリティー)や協業ソフトウエアへの投資もしています。私たちは世界が何を必要としているか見極めることに、絶えず注意を払おうとしています。テクノロジートレンドの方向性にも絶えず目を向けています。」と述べています。
クラウドコンピューティング市場でシェアを争っている(現時点ではアマゾンがリード)マイクロソフトとアマゾンは、いずれも新型コロナウィルス感染拡大による影響で、各企業が次々とリモート勤務へとシフトする事で恩恵を得たようです。新型コロナウィルス感染拡大抑制でオフィス閉鎖や「ソーシャルディスタンス」に対応する中で、企業が両社の製品を採用しています。
しかし、ランキングではアマゾンは4位に転落、アップルが2位、 IBMが3位、グーグルの親会社アルファベットが5位となっています。
ドラッカー研究所のファースト氏は、「マイクロソフトのランキングが素晴らしいのは、イノベーション一辺倒ではなく、全般的に優れていることだ」と述べています。
マイクロソフトの現CEOサティア・ナデラ氏は、クラウド事業に早くから成長の芽を見出し、マイクロソフト社内で成長させて来た現在の好業績の立役者でもあるわけですが、ナデラ氏がCEOになってからマイクロソフトは本当に変わったなと感じます。
クラウドの好業績、XBOX部門ボスのフィル・スペンサー氏の抜擢、昇格、スタジオ買収への多額の投資、オフィス365の全方位展開など、マイクロソフトが全体的に良い方向に向かっているなと感じるランキング発表結果でした。
via ウォール・ストリート・ジャーナル
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