Forbs紙がLGのOLED(有機EL)48CX(C10)のレビューをレポートしています。LGのCXシリーズはHDMI端子を搭載し、4K 120Hz入力、4K 120fpsにも対応し、AMD FreeSync Premium(FreeSync HDR)、G-Syncにも対応と、日本メーカーが次世代ゲーム機向けの機能対応に出遅れている中、デジタルファウンドリーでも次世代ゲーム機用オススメ4K TVとして筆頭に挙げるなど、海外でも非常に高評価されている4K 有機EL TVがLGのOLED CXシリーズです。
PS5とXbox Series Xが11月10〜12日に発売されますが、ほとんどのテレビブランドが私達ユーザーの期待を裏切りました。新しいコンソールが備えている次世代グラフィック機能のいくつかは、多くのテレビやテレビブランド(特に残念なのはソニーも含まれます)が、最新の2020年モデルでさえ追いつけないままになっています。
その状況下で、実際に次世代のゲーム革命を全面的に受け入れようと積極的に取り組んでいるテレビブランドは1つだけです。それはLGエレクトロニクスです。
2019年のLGの有機ELテレビは、最大4K解像度で120Hzまでの可変リフレッシュレート(Nvidia G-Sync VRRシステムとの互換性を含む)、自動低遅延モード(ALLM)切り替え、最大8K 60Hz、最新の高帯域幅HDMI 2.1ポートを最初に導入しました。
さらに、このサポートは、2019年の有機ELテレビで4つのHDMI入力端子すべてに採用されました。いくつかの微調整を加えたとはいえ、LGは2020年の有機ELテレビシリーズでもこれを継続してサポートしています。第一に、AMDのFreesync Premium VRRシステムのサポートの追加、第二に、2020年のHDMI 2.1接続で伝送可能なデータ帯域幅が、LGの2019年モデルで利用可能な最大48GBpsから40GBpsに減少したことは、かなり驚くべきことでした。
しかし、LGが2020年モデルのHDMIデータレートを引き締める理由は、実際に10ビットを超えるディスプレイがない時代に、48GBpsから40GBpsに減った分の8GBpsは12ビットのコンテンツ配信にしか適用されないからです。
しかし、4つ全てのHDMI入力(HDMI 2.1端子)がフルの48Gbpsではないものの、40GBのデータレートをサポートしているのは便利です。これは、ゲーマーがRTX30シリーズのグラフィックカードを搭載したPCと、PS5、XboxシリーズXの次世代機3台を同時に接続出来るので、かなり便利です。
MSi RTX 3090 Gaming X Trio 24G
有機EL(OLED)のTVは上位機種として位置しているので、今までは大型インチモデルしかラインナップされず、手頃なサイズである40インチクラスの機種はなかったのです。
LGに限らず、他のメーカーでも有機ELテレビは、55インチ、65インチ、75〜77インチ、86〜88インチのものしかなく、寝室、書斎、専用のコンパクトなゲームルーム、またはデスク上に置くにはサイズ的にも困難でした。特にPCゲーマーのように瞬時に画面全体を見渡したいというゲーマーには向いていませんでした。
そこに登場したOLED48CXは48インチの有機ELテレビです。既にレグザも発売しています。(しかしレグザはHDMI2.1端子は搭載されず、4K 120Hz入力は非対応)
現在の各社ラインナップの中でも最小の有機ELテレビとなります。美的観点から見ると、OLED48CXの画面サイズが小さいのは賛否両論あります。正面から見ると、コンパクトに見えますが、背面の接続端子部、スピーカー、ドライバー、プロセッサーなどを含む背面のがっちりとしたユニットは、大画面モデルのスリムなCXモデルに比べて、48インチと小さい分、背面パネルの多くの部分をユニットが占めて覆っています。
気になるのは、OLED48CXは画面を48インチに縮小したことでLGの2020年モデルのOLED画質に影響を与えたかどうか(ForbsのOLED65CXのレビューで詳しく説明)です。しかし、Forbsによると、「幸いなことに、大多数の点では影響はない。」との事です。
例えば、OLED48CXのコントラストは、ほとんどの部分で黒の色が実際に黒く見えます。その完璧な黒さは、潜在的には1ピクセルの光でも、そのピクセルの輝度が損なわれることなく、そのピクセルを強調することができます。これにより、周囲の黒さをより濃く調整する必要もありません(液晶テレビであればその構造上、グレーがかるなどほぼ確実に出てくる問題です)。
このピクセルレベルのコントラストは、HDRコンテンツでは特に見事に見えます。もちろん、HDRコンテンツの光の範囲がもっと広いことを考えると、このようなコントラストは、特に素晴らしいものになります。
大型のCXモデルと同様に、OLED48CXは、影のディテールを犠牲にすることなく、昨年モデルのC9よりもわずかに深い黒を実現しているようです。また、輝度は750~800nit(画面の10%をカバーするホワイトHDRウィンドウで)と、大型モデルに匹敵するほどの輝度を小型モデルながら実現しています。
強化されたカラー
OLED48CXのカラーは、2019年モデルのC9と同じように、画面全体の均一性の向上、HDRカラーブレンド精度の向上、より自然な肌色、明るい青空のような比較的鮮やかな色の再現性がよりリアルに見えるなど、小さな点ではありますが、非常に重要な改善を実現しているとの事。特に鮮やかな色再現性は、ゲームグラフィックスでは特に重要で、高く評価されています。
24fpsの映画を見ているときの動きは、以前のLG OLEDテレビよりも自然で改善しているようです。特に新しいCinema Clearモーション設定を使用する場合はそう感じるとの事。OLED48CXのゲームでの動きは、良い意味でより複雑で最大4K解像度と120Hz、VRR(可変リフレッシュレート)の両方をサポートしています。ゲーム体験をこれまでのテレビでは味わえなかった領域に持っていくことを証明する2つの機能を備えています。
LGのOLED CXモデルのこれまでの経緯は完全に順風満帆ではありませんでした。真の意味で「次世代」ゲームソースであるHDMI2.1端子を備えたNvidiaのRTX 30シリーズのグラフィックカードが最初に登場した際、C9とCX(C10)のOLEDシリーズは、nVIDIAのG-Syncとの互換性に大きな問題を抱えていました。しかし、LGは迅速にこれらの問題を解決するファームウェア・アップデートをリリースし、賞賛に値する結果となりました。
しかし、このOLED C9、C10シリーズでのG-Sync処理は、2020.10.28時点では、1つの問題があります。それは、比較的データ量の多いフィードでG-Syncを使用した場合、顕著なスタッター(カクツキ)が発生しています。
例えば、4:2:0 、8ビットの 3840×2160 4:2:0 フィードでは問題なく見えますが、10ビットにステップアップすると、水平方向の動きで明らかなスタッターが発生します。また、このスタッターは、8ビットと10ビットの4K 120Hzの「フォーマット」の4:4:4とRGBフィードの全てのG-Sync下でも発生します。
LGは近日中にファームウェア・アップデートでこのGSyncの問題を修正したいと表明しています。
最小の入力ラグ
ゲーム関連の良いニュースに戻ると、OLED48CXは、180度の視野角をサポートしているので、(友達と一緒に画面を分割してゲームをするのが好きな人なら)ゲーム用としても最適です。ゲーム設定での入力ラグの測定値もわずか13msと、テレビとしては際立って低い結果です。
YoutuberのLinus Tech TipsもデスクトップモニターとしてLG OLED48CXを使っているようで、以下のビデオで48CXの使用感と有機ELの応答性、高レスポンスについて解説しているので、興味のある方は見てみてください。OLED 48CXが気になっている方は必見のレビュー動画です。
そして、次世代Xboxやプレイステーション5の登場により、HDRゲームが世界的に普及することが予想される中、OLED48CXには、ソニーやマイクロソフトも参加しているHDRゲーミング普及団体HGIG(HDR Gaming Initiative Group)準拠の「HGiGモード」が搭載されているのが印象的です。(これはNANO CELL4K液晶モデルのNANO86やNANO91にも搭載)
このモードは、「プレイステーション」と「Xbox」の両方のゲーム機には、テレビのトーンマッピングシステムと干渉する可能性がある独自のHDR設定システムが搭載されていることを考慮して、画面のダイナミックHDRトーンマッピングを基本的に無効にしています。HDR入力時に、ダイナミックトーンマッピングの設定項目から変更出来ます。(NANO91にも搭載されています)
ドルビービジョン
最後に、OLED48CXのゲームに適した機能として、ドルビービジョンHDRをサポートしています。Dolby Visionはシーンごとに輝度設定出来るなど、HDR10より優れたHDR画像を提供できるようにします。また、Dolby Visionは、映画やNETFLIX、アップルTVなどで長い間大きな話題となっていましたが、Xbox Series X、PCでもゲーム用Dolby Visionを公式サポート(Dolby Atmosは既にサポートされている)することを約束しているため、ゲーム機でも大きな話題となることが期待されています。48CXではDolby Vision標準、Dolby Visionブライト、Doby Visionダークの3種類の画質モードがあります。(これはNANO91と同様です。)
残念なのは、おそらく、LGがドルビービジョンと同様に、シーンごとの余分な情報を追加することでHDR再生を向上させることができる「HDR10+」のサポートを受け入れていないことです。ゲームプラットフォームもまだHDR10+を採用しておらず、Amazonプライムビデオは別として、HDR10+自体のサポートもドルビービジョンに比べるとまだ限られています。どうやら主流はDolby Visionになりつつあるかもしれません。
48CXには、些細な事ではありますが、他にもいくつかの不具合があります。シフティング・ガンマ・レベル問題、非常に優れた新しいシネマクリアモーションモードを使用している場合でも、非常に高速で複雑な動きの領域では、いくつかの処理上の問題が発生することがあります。また、非常に暗い映画のシーンでは、突然、黒レベルがわずかではありますが、顕著な変動を示すこともあるようです。しかし、こういった問題はファームウェアで徐々に改善されていくでしょう。LGのファームウェア更新頻度は他のメーカーより多く、この様な改善に真剣に向き合っている姿勢は好感が持てます。
Forbsのテスターは、OLED48CXの比較的小さな画面は、大型のCXモデルと比べて、一般的な視聴距離からのネイティブ4K解像度を理解するのが難しい大きさということも指摘しておきたいとしています。
とはいえ、ゲーマーのように解像度を堪能できるほど近くに座っているのであれば、OLED48CXのシャープネスとディテールの描写は実際には優れているようです。実際、近くで見ると、ピクセル/インチのインパクトは、大型のモデルよりも実際に高くなっています。
レビュアーは、OLED48CXの最後のネガティブな点として、(すべての有機ELテレビと同じように)明るくて静止した画像に長時間さらされた場合、永久的な焼き付きに苦しむ可能性はあるとの事。
LGはこの問題に対抗するための対策を提供しており、すべての世代の有機ELスクリーン技術は、この問題が発生する可能性を減らすことができます。しかし、同じゲームを毎日数時間プレイしがちな場合は、同じ位置にUIが表示され続けることになり、少なくともこの焼き付きの事は心に留めておくべきだとしています。
しかし、全体的にOLED48CXの不具合は、その素晴らしい輝きによって打ち消されているようです。今まで見た48インチというサイズでこの画質、豊富な機能(HDMI2.1も含め)、そしてオーディオの面でも最高の「小さな」テレビで、ゲーム用のテレビとしては異色の才能を発揮するとしています。
内蔵スピーカーシステムは、映画やゲームの没入感をより良く引き出します。48インチのテレビから想像する以上に、映画や次世代ゲームを楽しむことが可能になっている様です。
LGのTVのスピーカー、実は何気に音が良くて、私も55NANO91でも驚いたくらいTVのスピーカーにしては音が良いです。しかも何気にサラウンド効果が高く悪くないんです。ラージスピーカー中心のDolby Atmos5-1-4システム組んで楽しんでいる私でも、これは意外と使えると思えるレベルです。もちろん感じ方は個人差あると思うので、一概にそう断じる事は出来ませんが、今までレグザ、ブラビアを10数台使ってきて、今もブラビアは85インチをメインで使ってますが、それと比較して少なくとも私は、LGのTVのスピーカーの音は意外と使えるレベルだと感じます。
しかし、現時点でOLED48CXの性能や機能とは関係のない、最後の問題点が価格だとしています。日本では55インチとの価格差は最安値同士で比べると24,000円の価格差が付いており、正当な位置付けになっていますが、海外では100ドル(約11000円程度)しか違わないので、環境が許すなら55インチの方が没入感という点でも良いとしています。
結論としてゲームだけでなくオーディオビジュアルあるにも興味があるという人は、より画面が大きく、没入感の高いOLED55CXへのステップアップを検討するかもしれませんが、OLED48CXは、これまでにないほどオールラウンドでエキサイティングなゲーム用テレビだと考えられるとしています。
環境的にデスクトップに置きたいとなると、55インチは大きいので48インチ、理想は43インチクラスですが、現時点で最小は48インチなので、そういう方には正に最適な次世代ゲーム機向けの4K TVと言えるでしょう。
OLEDは黒もしっかりと出ますし、コントラスト比も高く良いので映画など中心なら良いとは思います。
最近のOLEDは焼き付き防止機能やメンテナンスモードなど、対策は十分にされているものの、ビデオゲームのように、長い時間同じUI画面を表示し続けるゲーミング用途では、有機ELという原理上焼つくリスクはゼロとは言えないので、ゲームとPC用途でも検討しているのでしたら、個人的にはやはり焼き付きの心配のいらないNANO CELL液晶の4K液晶TV NANO91をオススメします。
NANO91は、55インチを私が使っている事もあり、既に何回か当ブログでもご紹介していますが、CXと同様に4K 120Hz入力、4K 120fps、ALLM(自動遅延)、VRR(可変リフレッシュレート)、FreeSync Premium、G-Sync対応とCXとほぼ同じ多機能です。しかし、HDMI2.1端子の4K 120Hz入力がHDMI 3と4の2端子のみなのは残念です。HDMI 1と2はHDMI 2.0ですので、この点ではOLEDのCXがHDMI 2.1端子はHDMI1〜4の4端子全てというのは大きいと思います。
ということで、一長一短ではありますが、HDMI2.1端子を備えた次世代ゲーム機、次世代グラフィックスカードRTX3000などに、現時点(2020.11.01) で最適な4K TVは、OLEDならLGのOLED CXシリーズ、液晶ならLG NANO91です。
via Forbs
【次世代機にオススメ4K TV】LG OLED CXや NANO91 4K液晶TVで見つかったFreeSync動作状況を表示する裏技+55NANO91 の紹介&簡易レビュー
RTX 3090のHDMI 2.1出力をLG NANO CELL 4K液晶TV NANO91のHDMI2.1端子に接続してみました。(Update:2020.10.28)
私はPS5発売に向けてテレビを新調したいと思い夏ぐらいからネットで情報を収集していてコチラのブログに出会い、1ヶ月ほど前にOLED48CXを買いました
コチラを見ていなければLGのテレビを買おうとは思いませんでした
本当に役立ちました、有難うございます
1ヶ月使った感想は予想以上に良いです
まず映像が素晴らしい、色(特に黒)が美しくネトフリやアマプラの4KHDRコンテンツは現実よりも美しいと思ってしまうぐらいです
私はプラズマが好きでずっとプラズマテレビを使っていたのですが、プラズマ派だった人は絶対に液晶ではなく有機ELテレビにするべきだと感じました
PS4を接続したらPS5になったのかと思うぐらいにゲーム画面が美しくなりPS5が本当に楽しみです(まだ予約出来ていませんが)
唯一の欠点は番組表です、この遅さは何なのでしょう
番組予約がここからしか行えないので本当に改善してほしい
ジャンル検索等も無いし、こういう所は日本のメーカーの方が優れていると感じます
音も良いし、総合的には本当に良いテレビで買って良かったと思っています
ご参考にして頂きありがとうございます。
お役に立てたのならよかったです。書いた甲斐がありましたw
私もブラビア、レグザばかりだったので、当初LGを買うのは抵抗がありましたし
不安でした。でも、調べるとLGしか4K 120HzのHDMI2.1に対応していなかったのと、
海外の評価が高かったので、これはとりあえず買ってみてダメだったら処分しようとダメ元で
買ってみましたw
プラズマの黒に慣れている方はOLEDにされた方が良いでしょうね。同感です。
LGのTVの画質はOLEDだけでなく、NANO CELL液晶もバカに出来ない高画質です。
予想外に画質良いですよね。正直、ブラビアやレグザにも劣らないレベルだと思います。
しかも機能の豊富さでは国内勢を圧倒していますよね。
私もPS5は3回抽選にハズレて結局確保出来ていません。。
間違いなく、PS5の出荷量は少ないと思っています。
Bloombergの減産報道は本当なんじゃないかとさえ感じるくらいに。。
SNS見ていても当選されている方が少ないのが分かるくらいですからね。。
おっしゃる通り、LGのTV番組表の起動はレグザやブラビア使ってきた私も非常にストレスになる
くらいに遅くて洒落になってないですよね。ひと昔前のPC並みの遅さで呆れていますw
よくこの出来で出荷したなと思うくらいのレベルで、これはホント、改善して欲しい唯一の不満点ですね。