フィル・スペンサー氏インタビュー「Xbox、任天堂、今後の目標」などを語る。

フィル・スペンサー氏のKotakuインタビューです。非常に興味深いこともを語っているので、重要な部分の日本語訳に私の意見を交えてご紹介します。

次世代ゲーム機の登場で今までと変わった点は、マイクロソフトとソニーがより多くのクロス・ジェネレーションのゲームを作ることを約束していることです。しかし、それがいつまで続くのかは不明です。

マイクロソフトは現時点では「Halo Infinite」が現行機のXboxOneでも発売される事をアナウンスしています。12月10日リリース予定の「The Medium」は、現実世界と精神世界の同時進行するゲームメカニックが現行機では再現不可能で、PCとXboxシリーズX、シリーズSの専用タイトルとなっています。

更に発売日はまだアナウンスがありませんが、SFホラーゲーム「SCORN」も現行機では60fps実現が無理だとして、PCとXboxシリーズX、シリーズSタイトルのみとなっています。

今までのマイクロソフト、ソニー、任天堂は新しい次世代機専用のゲームを、発売日に合わせてローンチ・タイトルを出していましたが、今回はそうではないようです。

Xbox Game Studioのマット・ブーティ代表は、MCVUKのインタビューで今後1〜2年に出てくるタイトルはXboxOneでも実行されると述べています。

ソニーは、従来の新型ゲーム機向けのゲーム制作に向けて、「出来るだけ早くPS5へユーザーを移行させたい。」とSIEジム・ライアンCEOは述べていたので、従来以上に次世代機へ脱却を推進しているように見えましたが、先日、『スパイダーマン:マイルズ・モラレス』と『Horizon Forbidden West』は、PS4とPS5の両方で制作されることが明らかになりました。

マイクロソフトは現在、「Everwild」「State of Decay 3」「Fable」「Forza Motorsport」「Avowed」をPCとXbox Series Xのみにリストアップしています。

フィル・スペンサー氏は、「ケースバイケースで考えていくことになると思います。前世代機に来るであろうゲームのロードマップについて、人々に透明性を持たせようとしています。」

そして気になるのは、年々膨らみつつあるゲームファイルのサイズです。次世代機で提供されているストレージの量からして、大規模なものになる可能性が高いでしょう。既に、現行世代のゲームデータのサイズは巨大です。Xbox Oneの『ギアーズ5』は63GB以上。マスターチーフコレクションは100GB、コールオブデューティーモダンウォーフェア2019になると、150GBを超えています。

そのようなゲームは、1TB程度ではあっという間に空きスペースを食い尽くすでしょう。次期Xboxシステムでは、よりグラフィックが高精細になりサイズは確実に増えると言われている中で、1TBだけでは明らかに足りないでしょう。

IGNのプレビューによると、XboxシリーズXの1TBは、購入時に使用可能なスペースは802GBのようです。XboxシリーズSは、XboxシリーズXの半分の容量である512GBなので、実際に使えるストレージスペースはかなり少ないかもしれません。

XboxシリーズXの4Kゲームのデータ容量が、どれだけ巨大なものになるかはまだわかりませんが、フィル・スペンサー氏はXboxシリーズSの購入者に一つ明るいニュースをくれました。それは、XboxシリーズSのゲームデータは、シリーズXのものよりも小さくなる可能性があると言い、開発者がそのようにパッケージ化するならばより小さくなり、低解像度のグラフィック・ファイルのおかげだと述べています。

スペンサー氏は、Xboxシリーズ S/X のユーザーは、新しいシステムのSSDの速度向上の恩恵は受けられないものの、付属のハードドライブから Xbox Oneのゲームを実行することができると述べています。新しいXboxとプレイステーション上の比較的限られたストレージは、より高速なSSDを提供するという点でトレードオフの可能性が高いことを認めていますが、より大容量のストレージ・ドライブは、より高価になるのは間違いありません。しかし、「高速SSDストレージのコストは、最終的にはいずれ下がるだろう。」と指摘しています。

マイクロソフトと任天堂の良好な関係

マイクロソフトと任天堂は非常に良好な関係です。昨年、マイクロソフトが出版した2つのゲーム、『CUP HEAD』と『オリ:くらやみの森』がXbox OneとPCから任天堂 Switchに移植されました。2019年以降、マイクロソフトは、会社のキャラクターであるバンジョーカズーイとマインクラフトのスティーブとアレックスの2つのセットを大乱闘スマッシュブラザーズに参戦させています。 フィル・スペンサー氏は常に任天堂を絶賛しています。

「任天堂とは非常に良い関係を築いています。市場を成長させようとするという点で 、私たちの仕事は非常に相乗効果があると思います。そしてそれを簡単に出来てしまいます。彼らとの会話はどれも本当にシンプルなものでした。任天堂の古川俊太郎CEOやNintendo of Americaのダグ・ブラウザー社長とは先週も話しました。」

明らかに前向きな関係性から、より多くのXboxゲームがSwitchに来る可能性があるとの期待が高まっていましたが、2019年8月には『オリとくらやみの森』が任天堂のマシンに来るというニュースを受けて、マイクロソフトは他のコンソールに自社のゲームをより多く出す「予定はない」との声明を発表しました。

しかし、その1年後には、もう1つのマイクロソフトの作品であるOriの続編である『Ori and the Will of the Wisps』がSwitchでも発売されています。フィル・スペンサー氏は「Oriの提供は開発スタジオの意向に沿ったもの」としています。開発スタジオのMoon Studiosは、マイクロソフトが所有しているスタジオではありません。その後、Moon StudioはTake Twoと契約を結んでいます。

フィル・スペンサー氏は、Switch向けにXboxのゲームをケースバイケースで検討するのは「持続可能とは思えない」と語り、「本当にサポートするためには、どこかで完全なXboxエコシステムが必要だと思います。それはおそらくXbox Liveや、Game Passなどのようなものを意味します。」と述べています。

マイクロソフトは、xCloudを介してより多くのデバイス上でゲームをプレイしてもらおうとしようとしています。米国では既にAndroidデバイスで利用可能で最近、サムスンのGalaxy Note 20の発表時にサムスンと提携し、Windowsとの連携機能や、大々的にxクラウドでのゲームパスをアピールし、購入オプションにゲームパスのバンドルパックを加えるなど、全面的にプッシュしていました。

マイクロソフトは、PCとiOSにも「xクラウド」を加えることも約束しています。Appleはその最後の1つに壁となっており、ゲーム・ストリーミング・サービスはストリーミング・ライブラリ内のゲームごとに個別のアプリで提供する必要があると規定しています。ところが先日、マイクロソフトがウェブブラウザを利用した回避策を試している報じられています。

日本でも東京ゲームショウ2020で、2021年前半にxクラウドのローンチが発表されています。これがiOSをウェブブラウザで行うものが含まれているのか、それともアンドロイドだけでスタートするのかはまだ詳しくは分かっていません。

Kotakuによると、フィル・スペンサー氏がXbox OneにxCloudを導入し、現在のXboxユーザーが、新しいXboxを買わなくても次世代のゲームをプレイできるようにすることを約束しているように聞こえたのは、とても新鮮だ。としています。

フィル・スペンサー氏は「Xbox Oneについて考えると、絶対に世代間の架け橋となり、人々にゲームをプレイさせることができる良い方法になると考えています。何年も先だとは思っていません。ただ、やるべきことをやっているだけです。私たちはどうやってするのかその方法を知っています。」

「私たちは、現在本当にXboxで遊んでいるアクティブ・プレイヤーの数を考えています。それは、さまざまなデバイスやゲームの数、プレイ頻度を意味します。それが私たちの原動力となっています。その実態レベルから見ても、私たちはこれまで以上に大きくなっていることがわかります。」

「現在の私たちの目標は、プレイヤーを中心に据え、プレイヤー体験を中心にサービスとゲームを構築し、私たちがゲームビジネスをしていることを、より多く知ってもらうことです。私たちは別のビジネスをしているわけではありません。違うビジネスになろうとも思っていません。これは、私たちが信じられないほど献身的に取り組んでいることです。」

ここ数年、特に次世代機XboxシリーズXの早い段階での発表と全貌の公開、そして発売1ヶ月以上前からメディアにXboxシリーズXの実機を配布して自由に使ってもらい、レポートさせている「透明性」「積極的な情報公開」、更にはフィル・スペンサーさんの常にゲーマー目線での考え方です。これは、彼自身が本当にゲームを愛し、楽しんでいるからだと思います。

これは本当に好感が持てますし、どこか温かみさえ感じます。マイクロソフト、つまりXBOXのゲームパスを筆頭に本当にゲーマーのことを考え、XBOXユーザーにとってありがたい、素晴らしいサービスを次々に打ち出している事も本当に称賛に値すると思います。

フィルさんの「プレイヤーが中心」この言葉に全てが集約されていると思います。フィルさんは、もうこのまま何年もXBOXのトップで居てほしい、他に代わりの人がいないと思えるくらい、本当に素晴らしいXBOX部門の責任者だと思います。このままずっとXBOX部門のトップで続けてほしいものです。🔚

4 件のコメント

  • 私もフィルスペンサーさんにはとても好感を覚えます。何より素敵なのが、彼が(Xboxのそれに限らず)ゲームを心の底から愛しているのが、言葉や行動を通して我々にも伝わってくるところ。そしてもうひとつ素晴らしいと思うのが、彼がライバルのゲーム機のことを決して悪く言わないどころか、積極的に誉めていること。これには心底感心させられます。今のXbox全体から感じられるそこはかとない暖かみは、きっと彼の個性によるところも大きいでしょうね。

    • おっしゃる通りですね。。フィルさん自身もゲーム好きだからこそですね。
      フィルさん、80年代後半?にプログラマーのインターンとして来てそのまま入社し
      そこから一環してゲーム一筋みたいですからね。
      マイクロソフトのゲーム事業にはほぼ関わってきているので、
      業界人脈も広そうですよね。そういう方なので、尚更に素晴らしいなと。

    • XboxOneXでは厳しいかもしれませんね。。
      やはりXboxSeriesXでないと難しいかもしれませんね。

      解像度を1080Pくらいに落とせば可能かもしれませんけどね。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    映画、海外ドラマ、音楽、ビデオゲーム、ガジェット、自作ハイエンドPC、車、バイク、政治、経済、株式投資、格闘技、70年代のTVドラマ、超常現象などが大好きな湘南在住の管理人です。東京に住んでいた頃は、ハイエンドオーディオ、ハイエンドホームシアターなど趣味で実践していました。現在は、ソニー4KブラビアX9500Gの85インチで洋画、海外ドラマ、ビデオゲームをYAMAHAのA3070AVアンプ経由で5-1-4 9.1チャンネルのDolby Atmos環境で楽しんでいます。映画やゲームレビューはこのシステムかサブシステムのLG 55インチNANO91 4K 120Hzで検証しています。様々な幅広いジャンルでの経験で得た知識、見識をレビューやエッセイも含め、色々と書き綴って情報発信していきたいと思っています。尚、当サイトで書く内容は、あくまで個人的な好みや価値観での意見を書き綴っていますので、あしからず。 YOUTUBEチャンネルでは、高画質をモットーに4K解像度のゲームプレイ、PCゲームのベンチマーク動画、グラフィック比較動画に加えて他に好きなものなど、色々と公開していきたいと思いますので、お気に召したらチャンネル登録をよろしくお願いいたします。  https://www.youtube.com/user/hidebusa720