XBOX部門トップ/フィル・スペンサー氏「今、ゲーム事業に対するマイクロソフト取締役会のサポートは、初代XBOXの発売時よりもずっと大きい」—噂の日本企業の買収観測は否定—

日本経済新聞がXBOXの記事を掲載、そこでフィル・スペンサー氏のインタビューが掲載されています。非常に興味深い内容になっています。

2014年の3月当時、前月の2月にマイクロソフトの前CEOスティーブ・バルマー氏から引き継ぎ、同社のCEOに着任したばかりのサティア・ナデラCEOが、マイクロソフト全従業員宛てのメールで「XBOXを1人のリーダーの下で束ね直す」と伝えたそうです。それがご存知、XBOXスタジオ部門で働いていた当時46歳のフィル・スペンサー氏でした。フィル・スペンサー氏はマイクロソフトで20数年間、ゲーム一筋で同社の様々なゲーム事業に携わってきた方で、自身も大のゲーム好きでもあります。つまり、マイクロソフトでのゲーム事業を見てきた人でもあり、ナデラCEOもXBOXを立て直すには最適な人物として抜擢したのでしょうね。

フィル・スペンサー氏によると、当時のXBOXチームの士気は落ち込んでいたそうで、2013年秋に発売した「XboxOne」の14年3月までの販売台数は510万台。ゲーム、映像、音楽、TVなど総合エンターテインメント機器としての方向性が、ゲーム機として中途半端な印象を与え、KINECTも標準同梱した事でコストを圧迫、肝心のゲーム機としてのスペックもPS4より劣ってしまい、更に価格も割高となった事で、同時期に760万台を売った「PS4」に数百万台の差をつけられてしまいました。

フィル・スペンサー氏は当時を振り返り、「とにかく、ゲームにフォーカスし、チームの自信を取り戻す事が最初にすべき事でした。」と述べています。

その後、XBOXはフィル・スペンサー氏のリーダーシップで、2014年9月にマインクラフトのモーヤンスタジオを25億ドルで買収、後方互換の実現、ハイスペック重視のXbox One Xの発売、後方互換に加えてリマスターレベルでタイトルをクオリティアップする「Enhanced」機能の実現、2017年6月には定額制「ゲームパス」の開始、2019年にはクラウドゲームサービスのテスト開始、そして数々のゲームスタジオ買収などで、スタート時に躓いたXboxOneを就任時からゲーム第一主義、ハードスペック主義の方針で、Xbox One Xという素晴らしいハードも生み出し、見事に立て直してきました。

そしてその結果、2017年6月に開始したゲームパスが2020年3月に1000万人突破、そして9月にはゲームパス加入者がなんと半年で500万人も増加し、1500万人を突破しました。しかもXBOX LIVEのアクティブユーザーが1億人を突破するという、王台も同時に達成しました。

そしてスマートフォンやタブレットなどでXBOXのゲームをストリーミングでプレイするXクラウドも海外でスタートしました。(日本では2021年前半にサービス開始予定)スマートフォン、タブレットを持っているなら、ゲームパスに加入すればXBOXのゲームが100以上も追加料金なしでいつでもどこでも遊べてしまうサービスでもあります。

このゲームパスが現在のXBOXの中心であり、ゲームパスの強化こそがコンソールプレイヤー以外のプレイヤーをゲームパスに引き寄せるので、スタジオ買収もゲームパスの恒久的なラインナップの強化のためなわけです。

フィル・スペンサー氏は「NETFLIXは、好きな端末で好きな作品を視聴するのと同じように、今後人々は好きな端末から、好きなゲームを遊ぶようになる。もはやゲーム機の販売台数ではなく、どれだけ多くのプレーヤーと接点を持てるかが重要になる」と述べています。

マイクロソフトのクラウドゲームサービス、Xクラウドはゲーム機やパソコンだけでなく、スマートフォン、タブレット端末など様々なデバイスで場所を選ばずにゲームを楽しめる方向性の戦略です。

NETFLIX、amazon Prime Video、hulu、Disney+、アップルミュージック、Spotifyなど映像・音楽配信サービスが幅広く楽しまれている現在、視聴者獲得で重要になるのはコンテンツという事です。オリジナル映画、ドキュメンタリー作品をハイペースで供給し急成長したNETFLIX、同社を追い上げるために21世紀FOX買収やスターウォーズブランドの大型買収しディズニープラスを立ち上げて追い上げるディズニー、ハリウッド人材を雇いオリジナル作品を量産しているアップルTVなどを見れば明らかです。

コンソール以外でもゲームがプレイ出来るクラウドゲーム時代が到来してもプレーヤーを引きつけるのは魅力のあるタイトルとなります。2017年6月に開始した約100種類のゲームをダウンロードして遊べる「ゲームパス」は、マイクロソフト傘下ではないタイトルの場合は、ゲームパスである期間が限られており、契約期間が超えると、ゲームパスのリストから無くなってしまいます。その事からもゲームパスのゲームリストに常に存在し、恒久的に遊べるゲームラインナップの拡充が重要になります。

マイクロソフトの歴史上、3番目に大きな買収金額となったゼニマックス・メディアグループ買収ですが、フィル・スペンサー氏によると「20年以上ゲームの世界にいることが僕らの優位性だ。」とゼニマックスの買収は、ベセスダ・ソフトワークスのトッド・ハワード氏ら同社幹部との長年の関係があったから実現したと述べています。前述の通り、フィル・スペンサー氏は、マイクロソフトに入社後、ゲーム一筋で20数年マイクロソフトのゲーム事業であるPC、初代XBOX、XBOX360、XboxOneの全てに関わってきた、いわば業界のベテランでもあります。そういった長年に培われた人間関係も重要だという事ですね。

買収に関しては「取締役会も驚くほど応援してくれた。今、ゲーム事業に対するサポートは初代Xboxの発売時よりもずっと大きい。企業としてゲーム事業にコミットしている。より多く、多様なプレーヤーを引きつけるため常に新しい作品を探している。」と述べており、マイクロソフトが社をあげてゲーム事業にも注力していることが分かります。これは、XBOXユーザーとすれば、素晴らしいニュースではないでしょうか?

ネットで噂になっている日本企業の買収観測は否定したようですが、協業には強い関心を寄せているようです。

ゲームパスの会員が1500万人を超えた20年9月から海外ではスマートフォン、タブレットなどで遊べるクラウドゲームの「Xクラウド」もスタート、11月10日からはゲームパスUltimate加入者にElectronic Artsの EA PLAYを追加料金なしで提供し、ライバル勢を突き放す強力な体制でスタートします。

そして、ゲームパスの加入者がどのゲームを多くプレイしているのかをマイクロソフトは注視している様です。

おそらく、先々にマイクロソフトがゲームスタジオの買収があるとすれば、現在のゲームパス加入者の需要にあったタイトル、もしくは更なる新規加入者を引き寄せる為の不足しているジャンルのタイトルを開発しているスタジオがターゲットになるかもしれません。

なにはともあれ、今回のフィル・スペンサーのインタビューの通り、マイクロソフトは社をあげて初代XBOXの時より、XBOX事業に注力していることが分かりました。これはXBOXユーザーにとっては本当に素晴らしいニュースであり、今後も何かを起こしてくれそうな期待感もあります。

マイクロソフト入社以来、ゲーム一筋で20数年以上もゲーム事業に携わり、ゲームを心底愛し、自身もゲーマーでゲームを深く理解しているゲーム業界のベテランのフィル・スペンサー氏が、XBOX部門のトップにいる事が素晴らしい事です。それこそがユーザー目線、ゲーマー視点でまた我々ユーザーを楽しませてくれるサービス、ハードウェアを生み出してくれているわけで、これこそが本当に重要な事なのではないでしょうか。🔚

via 日本経済新聞

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