Xbox SeriesXプログラムマネージャージェイソン・ロナルド氏インタビュー。Xbox Series Xのクロック、SSD、冷却構造、HDMI 2.1、レイトレーシング、コンソールの今後について語る。

マイクロソフトのXbox Series Xプログラム管理マネージャーで関連メディアにもよく出ているジェイソン・ロナルド氏ですが、スペインの関連メディアXatakaのインタビューに応じ、Xbox Series XがPS5がアプローチした可変クロックではなく、固定クロックにした理由、SSD、冷却構造、HDMI2.1、レイトレーシングについて語っています。wccftechでも可変クロックについての部分が取り上げられていて、非常に興味深い内容でしたので、合わせて掲載します。

マイクロソフトとソニーの次世代機「XboxシリーズX」と「プレイステーション5」の発売まであと5ヶ月余りとなりました。最終的にはまだ私たちの手元には届いていませんが、マイクロソフトとソニーが採用している根本的に異なるアプローチのうち、どちらがより成功を収めるのかが気になるところです。

例えば、マイクロソフトがゲーム機のクロックを固定にしてどのような悪条件下でも12テラフロップのパワーを安定して発揮するよう設計したのに対し、ソニーはGPUに可変周波数(可変クロック)を使用する選択をしました。

PS5の10.28 TFLOPsという数字は、あくまでダウンクロックが行われていない場合の「ベストケースのシナリオ」数値にしか言及していないため、 The Vergeなど一部のテックメディアはソニーは誤解を招くような決定をしたのではないかとも言われています。

XboxシリーズXのプログラム管理マネージャージェイソン・ロナルド氏

『我々は、より高いTFLOPSに到達するためにPS5と同じアプローチ(可変クロック)を簡単に使用することができましたが、それは開発者がゲームを最適化することを難しくしていたでしょう。』と述べています。

私たちは、特定の数字を「追い求める」のではなく、プレイヤーに可能な限り最高の体験を提供するために、開発者の体験もより最適化することに注力しています。私たちは常に、一貫して『持続的なパフォーマンス』について話してきました。強制クロックや可変クロックを使うこともできましたが、12テラフロップより高いテラフロップパワーを誇ることができたとしても、開発者がゲームを最適化するのが難しくなってしまいます。つまりそれは重要なことではありません。重要なのは開発者が構築できるゲーム体験です。

また、XboxシリーズXのNVMe SSDの性能が公式発表のNVMe SSD仕様ではプレイステーション5よりも劣ると言われています。(PS5 5.5GB/秒、Xbox Series X 2.4GB/秒)

実際の事(動作)としては、数字(2.4GB/ 秒)を超えています。Sampler Feedback Streaming (SMS) は、テクスチャをロードし、SSDドライブをマルチ物理メモリとして機能させ、マシン自体が持っているメモリ以上に追加されます。また、Direct Storageと呼ばれる新しいAPIを使用することで、NVMeコントローラに低レベルで直接アクセスすることができ、I / Oオペレーションの管理をより効率的に行うことができます。」

via wccftech

以下ではXatakaでのジェイソン・ロナルド氏のインタビュー内容を中心に紹介していきます。やや重複する内容もありますがご容赦を。

Xbox Series Xプログラムマネージャー ジェイソン・ロナルド氏ですが、話によると可変クロックにする事で、12テラフロップス以上のパワー数値を得られるが、開発者がゲームの最適化が難しくなってしまうとの事。可変クロックには良い事ばかりではないようです。

Microsoft XboxSeriesXプラグラムマネージャー ジェイソン・ロナルド氏
   

Xbox Series Xがデジタルファウンドリーによって詳細仕様が公開された際、XBOXハードウェア開発チームが強調していたのは、どんな悪条件下でも固定クロックで安定して12テラフロップスを発揮するとしていました。

ジェイソン・ロナルド氏はXbox Series XでXboxOneやXbox360、初代XBOXのゲームをプレイする時でもほぼフルパワーで動作するとしています。

「過去のゲームで解像度が動的にスケーリング(処理の負荷に応じて解像度を下げたりする)されているタイトルの場合は、常にそのタイトルの最高のターゲット解像度で動作しますXboxシリーズXが過去作をプレイする際、ゲームが速く動作しすぎて、遅くしなければならない場合もあるかもしれませんが、常に元のゲームデザインに忠実、且つ理想の状態でゲームを動作させるという考え方です。そのため、私たちは何十万時間もの時間をかけてゲームをテストプレイしています。つまり、プレイしたすべてのゲームが明らかによく機能しているということです。」

という事で、固定クロックは決して低い能力ではなく、PS5より30%も強力な処理能力を持つXbox Series XのGPUを、安定して持続的に能力を発揮するという大きなメリットもあるという事のようです。

SSDについて

そして、Xatakaのインタビューでジェイソン・ロナルド氏はXbox Series XのSSDについて聞かれると

「まず、Xboxアーキテクチャの哲学は、SSD単体そのものよりもはるかに大きいです。NVMe SSDに加えて、I/Oサブシステムの性能を最大限に引き出すために、専用のハードウェア解凍ブロックを用意しています。それがなければ、CPUコアの半分以上を使い切ってしまう可能性があり、明らかにそれをしたくなかったのです。CPUに影響を与えないようにするために、専用のハードウェアを構築しました。そうすることで、ゲーム開発者はCPUのコアに独占的にアクセスできるようになり、SSDの性能を最大限に引き出すこともできます。

また、ダイレクト・ストレージと呼ばれる新しいAPIも提供しています。NVMe SSDコントローラへの低レベルの直接アクセスを可能にし、I/Oオペレーションの管理方法を大幅に効率化することができます。

その上にもう一つのコンポーネントがあります。いわゆるSFS(Sampler Feedback for Streaming)と呼ばれるもので、これは私たちが没頭しているゲーム世界をストリーミングし、より高いビジュアルレベルを表現することになるので、一部の開発者はこれをターニングポイントと認定しています。この技術はマシン自体が持っているGDDR6メモリと同様に、SSDをバーチャルメモリーとして機能させ更にテクスチャをロードすることを可能にしています。」

PS5単体のSSD性能との比較では、Xbox Xシリーズは不利な立場に置かれているように見えました。これらの数字によると、ソニーのコンソールストレージシステムの転送速度は基本的にMicrosoftのSSDの約2倍になりますが、ジェイソン・ロナルド氏の解説ではどうやら違うようです。

マイクロソフトがXbox Series X専用にSeagateと共同開発したコンパクトな1TBのNVMe SSD。
  

そしてXbox Velocity Architectureについて語る際に残る疑問の一つは、その恩恵が最終的にXboxシリーズXだけでなく、PCの世界にも届くのかどうかということです。

ジェイソン・ロナルド氏は、「マイクロソフトではPCとコンソールの両方で開発者がより簡単に開発出来るようにしたいと考えています。コンソールのエコシステムには革新的な分野があり、それらの側面はPCで今後より前進していくでしょう」。

「XboxベロシティーアーキテクチャーやDirect Storage APIのようなものは、我々がPCに持ってくる予定のものです。PCハードウェアエコシステムがこのレベルに到達するためには時間がかかります。」と述べた。ロナルドにとっては、「開発者が自分たちのゲームの異なるバージョンを作って欲しくない」という結論は明確でした。選んだ端末に関係なく、できるだけ多くのプレイヤーにリーチできるようにしたいと考えています。

冷却構造

そしてXbox Series Xの冷却構造について質問されたジェイソン・ロナルド氏は、「機械工学チームと彼らが考え出したデザインをとても誇りに思っています。彼らは本当にXboxシリーズXを最も効率的な冷却システムを持っているように設計しました。」

2枚に分割されたXboxSeriesXのマザーボード。間にアルミブロックを挟み、冷却効果を高めるという画期的な構造でゲーム機としては史上初。 
   

「このような小さなフォームファクターの中で、たった1つの大きなファンで途方もないエネルギー量をこうして実現しています。そしてマザーボードを分割するという選択をしたときに、本当にインスピレーションを受ける瞬間があ里ました。我々は、これまでにこのようなデザイン(マザーボードを分割する)をしたことがなかったため、さまざまな課題を抱えていました。しかし、そのインスピレーションと革新の瞬間は、私たちが考えもしなかったことを可能にしてくれました。」

レイトレーシング

Jason Ronald氏は、「コンピューティングは非常に複雑なタイプのものなので、最初からハードウェアの能力を持っていることは素晴らしいことです。」と説明しています。Xbox Series Xにはレイトレーシング専用のハードウェア(DXR(Hardware Accelerated DirectX Raytracing))があり、GPUに負荷をかけないようになっており、ロナルド氏にとってレイトレーシングは「デジタルグラフィックスの聖杯」なのです。開発者がどのように活用していくのか、非常に興味深いものになりそうです。

ロナルド氏は、「最初は影の改善、照明パターンの改善、反射などが見られるでしょう」と述べ、これらの技術のサポートが徐々に増えていくことを指摘しています。例えばマインクラフトでレイトレーシングをサポートすることで、PCでは既にあったようにゲームが変貌していくという話もしていました。

この技術は、映像環境だけでなく、音響環境にも応用されます。ロナルド氏の説明によると、いわゆる「空間オーディオ」は、ゲーム体験の向上にも大きく貢献する、最も話題の少ないセクションの1つだという。(因みに空間オーディオは、先日、アップルもiOS14でAir Pods Proが対応することが発表されています。)

「ステージの周りに光線を放ち、このコンクリートの壁から音がどのように跳ね返るのか、あるいは濡れた床からどのように音が跳ね返るのかを判断することができます。そのステージで持っている音響を変えてしまうのです。」

マイクロソフトが公開したギアーズ5ステージでの空間オーディオ反響シミュレーション。
  
  

「この技術は長期的なコミットメントであり、この世代を通してイノベーションの分野になるでしょう。」と述べています。最初は人々がすでに知っている技術を見ることになるでしょうが、ロナルドにとっては以前のコンソールで起こったことのように、「時間が経つにつれて、徐々に新技術がゲームに導入されて進化していくでしょう。私が最も興奮しているのは、技術的なことであり、ここからどこに向かって進んでいけるのかということです。

HDMI2.1コネクタの秘密の革命

あまり触れられていませんが、新しいXboxシリーズXのキーポイントの一つが、HDMI 2.1コネクタになります。今回の対応により、このような分野では今まで見られなかった数々の特典を利用できるようになります。

HDMI2.1が、次世代ゲーム機における役割について聞かれると、ジェイソン・ロナルドはその重要性について、マイクロソフトではこの規格を開発している団体であるHDMIフォーラムなどと連携しており、非常に真剣に取り組んでいるとのこと。

実際には、最初から将来のテレビがコンソールの視覚的な可能性をフルに活用できるようにしたいと考えていたそうです。

「”HDMI 2.1 “では、ゲーム性を重視した機能が多数追加されています。自動低遅延モード(Auto Low Latency Mode)や、私がゲームをプレイしている間、ユーザーがオプションメニューに行き、いくつかのモニターに存在する伝統的な映像オプションで「ゲームモード」を選択することなく、TVが自動的に可能な限り低遅延モードに設定することができます。」

ロナルド氏が説明したように、HDMI 2.1には他にも関連する改善点があります。例えば、Xbox Series Xは最大120 FPSのフレームレートをサポートしておおり、可変リフレッシュレート(VRR)のサポートのように、私たちがしばらく前からPCで見てきたもの(NVIDIA G-SYNCとAMD FreeSyncの両方がそのオプションを提供)が、コンソールの世界では提供できていませんでした。

VRR(可変リフレッシュレート)の図解。 (Image:HDMI org.)

60fps以上で動くゲームはあるかもしれないが、120fpsで安定して動くことはできない。90fpsくらいでは動くが、醜いティアリングの影響で苦しむのは避けたい。しかしVRRサポートがあるHDMI 2.1端子搭載のテレビに接続したXboxシリーズXは、それらの問題を全て自動的に解決してくれます。

Image:HDMI Forum.

しかし、HDMI2.1端子を搭載したテレビを持っていないゲーマーはどうなのでしょうか?ジェイソン・ロナルドは「今後もそういったプレイヤーのために素晴らしいゲーム体験を提供していきます」と心強く語っています。

これらの機能の多くはオプションなので、120FPSでプレイすることが気になるかどうかはプレイヤーの判断に委ねられます。他の人はHDRのサポートや解像度を重視するかもしれません。ロナルド氏は、「柔軟性がキーである」と説明しました。「今日のエコシステムにも、7年後、10年後のテレビにも、最高のゲーム体験を提供する準備ができていると確信しています。」

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最終世代のコンソールになるのか?

多くのアナリストは、XboxシリーズXとPS5が、会社が発売する最後の「伝統的な」ゲーム機になると考えています。多くの人は、未来はビデオゲームのストリーミングとクラウドプレイにあると主張しています。ロナルド氏は、「最高のゲーム体験は、ソファに横になっている間、リビングルームにあるローカルデバイスによって常に提供されると信じています。」

ロナルド氏にとって、ビデオゲームのストリーミングプラットフォームは、旅行や移動をするすべてのユーザーにとって素晴らしいものです。「旅行にコンソールを持って行って、税関を通って、ホテルのテレビに接続するのはあまり楽しくない」と冗談を言っていたw その選択肢はクラウドゲーミングによって解決されており、特に「スマホを手に取って、離れた場所でゲームを続けることができる」という場合には、その選択肢が必要になります。

「PCを買わない人、ゲーム機を買わない人、テレビを買わない人もいるかもしれないけど、『Halo』が何なのかは知っている」という明確な現実がありました。彼らは『ギアーズオブウォー』を知っていて、それらのゲームをプレイしたいと思っています。

XboxシリーズXはクラウドを念頭に置いて設計されており、実際に同じXboxシリーズXのハードウェアがそのプロジェクトxCloudサービスのサーバーに組み込まれることが確認されています。開発者は、クラウドをより普及させるためのハードウェア、機能、ツールの共通セットを持つことになります。

コンソールがすぐに消えるとは思わない。

将来的に、クラウドが重要なのは明らかだが、ロナルド氏は「将来のコンソールについては後で判断することになるが、コンソールがすぐに消えるとは思わない。」と明言しています。

via Xataka

ちょっと長くなりましたが、マイクロソフトXBOX Series Xのプログラム管理マネージャーでもあるジェイソン・ロナルド氏のインタビューでした。

重要なことを多々お話ししていましたが、なぜXboxSeriesXでPS5の可変クロックを使わなかったのかについては、開発者が最適化し難くなるというのは素人から見て意外な理由でした。ハードウェア開発チームは当然、マイクロソフト傘下のファースト・スタジオ開発現場の開発者の声も聞いて開発しているそうなので、そういうことなんでしょうね。

SSDはやはりXBOXベロシティーアーキテクチャーがキーポイントになりそうです。実際ゲームが出た時に、PS5とXboxSeriesXでの違いがどうでるのか非常に興味深いところです。

HDMI2.1に関しては4K 120HzやVRR(可変リフレッシュレート)、ALLM(自動低遅延モード)など次世代機で備わる機能を活かしたい方は、HDMI2.1端子搭載のTVが必要になりそうです。しかし、国内メーカーは年内に4K 120Hz入力や、HDMI2.1端子搭載4K TVが出る可能性が低そうで、ソニーは現時点で秋発売のモデルではなし、東芝も年内の対応は厳しいとの記事を見かけました。

その点では、LGのOLED、NANO CELL4K液晶TVがHDMI2.1端子搭載、4K 120Hz入力にも対応し、FreeSync(または、G-Syncコンパチ)などにも対応した製品が出ており、国内メーカーよりリードしています。TV自体の出来も正直なところ、国産メーカーに負けない完成度になって来ていて、馬鹿に出来ないレベルで驚かされます。私が購入した4K 120Hz入力、FreeSync(GーSync動作確認済)、VRR、ALLM対応の4K液晶TV、LG NANO CELL NANO91 55インチのレビューも近日中にご報告したいと思いますので、今しばらくお待ちください。

しかし、PS5を出す当事者でもあるソニーでさえ、日本国内で4K 120Hz入力対応の予定が年内はないというのは疑問です。

現在、Xbox One Xが現行ゲーム機として唯一120Hz出力( WQHD「2560x1440P」まで)と、VRR(可変リフレッシュレート)に対応したゲーム機で、私もXboxOneXは120Hz 2560x1440Hzで接続しています。60Hzと違い操作レスポンスも格段に良くなり、VRR効果のせいかティアリングもなく4K解像度2160Pから1440Pに落ちたデメリット以上に恩恵があると感じています。

レイトレーシングに関してはマイクロソフトは明確にレイトレーシング専用のハードウェアであるDXR(DirectX Raytracing)があると明言しており、ハードウェア仕様に関して詳細な解説をしていますが、ソニーに関しては先日のショーケースの映像でそれらしき効果のあるものが散見されましたが、マイクロソフトの様にハードウェアレイトレーシング対応とはアナウンスしているものの、レイトレーシングハードウエアの詳細な解説に関しては言及がありません。

と言うことで、次世代機の情報が次々と明らかになってきています。7月にはマイクロソフトがようやくファーストパーティータイトルを中心に披露するデジタル・ショーケースイベントが開催されます。まずはこのイベントでどのような情報が公開されるのかに要注目と言えそうです。🔚

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