007映画を1作目から製作してきたブロッコリ家率いるイオン・プロダクションが007の製作権利をAmazon MGMスタジオに売却したニュースに驚きました。
ダニエル・クレイグがボンド役を降板し、新しいボンドが誰になるのか?と話題になっていて、一時期アーロン・テイラー・ジョンソンが新ボンドになると言われていましたが、その後中々進展がなく、どうなるのかと思っていたらこのニュース。
1作目の『ドクターノオで』アルバート・ブロッコリとハリー・サルツマンが共同で製作権利を取得して歴史が始まりました。その後、紆余曲折がありながらも、ブロッコリ家(イオン・プロダクション)が全権利を取得し、娘であるバーバラが「ゴールデンアイ」で父親からプロデューサーを引き継ぎ(関与は17歳で「私を愛したスパイ」から)父親違いの兄弟であるマイケル・G・ウィルソンとのコンビで最新作の「No Time To Die」まで製作者として務めてきました。
ダニエル・クレイグのボンド役引退で、一区切りがついたという事でしょうかね。しかし、その後バーバラ・ブロッコリはボンド役の俳優を探しており、スクリーンテストも行われていたという報道もありました。主役のボンド役が中々バーバラの確信を持てる俳優を見つける事が出来ずに断念したのか、ここが潮時と判断した結果なのでしょうか、、詳細は分かりませんが、一つの時代の終わりを感じて切ない。
このニュースを受けて、1987年『リビング・デイライツ』、91年『消されたライセンス』で4代目ジェームズ・ボンドを演じたティモシー・ダルトンはバーバラとマイケルの撤退に悲しんでいるようです。
The Telegraphのインタビューでティモシー・ダルトンは
“素晴らしいストーリーと長い歴史を持った数少ない純粋なイギリス映画の1つだった。主役も脇役もイギリス人だからね。僕らが自分たち英国人の物だと呼べる唯一の作品でもあると思う。『ボンド』映画については誰もがそれぞれの意見を持っている。そうすると特別な感情がなくなりがちになるが、どうすれば良いのか分かっている人間に任せておけば、更に磨かれて良くなるものだ。バーバラにはその素質があった。
アマゾンが今後007をどうしていくのか想像もつかない。でもみんなと同様に、僕も子供のころから007映画見ていて生活の一部だったから、それが変わってしまう恐れがあるのは本当に悲しいことだよ。
Amazon MGMが製作する事で、ボンドが今までのイギリスらしさを失い、アメリカナイズされたアマゾンの ただの一つの”コンテンツ”に成り下がる(バーバラ・ブロッコリはこれが自分の映画に影響されるのを恐れていたと言われている)ことを懸念している人も多いと思うが、私も同じだよ。この映画は、映画界で数少ない最もイギリス的で素晴らしいストーリーの映画なんだ。
次にボンドを演じる俳優はイギリス人でなければならない。だって、ボンドはイギリスで生まれたんだからね。間違いないよ。100パーセントね。でも、アマゾンはヒットさせる資金力とパワーがあるから、僕はそれほど悲観的ではないんだ。”
ダルトンさん、思っていたよりは悲観的ではない様子。確かにAmazonには資金力がありますからね。とはいえいくら資金力のあるAmazonでも失敗してしまったら、先がありません。
もちろん、これで007映画が終幕してしまったわけではありません。あくまでも1作目から63年も続いてきたブロッコリ家によるイオン・プロダクションでの製作が終わり、新たにAmazon MGMスタジオが製作する事になるだけではあります。しかし、ダルトンの言うようにイギリス映画ではなくなり、ボンド映画はハリウッド映画になります。
Amazon MGMで製作される新しいジェームズ・ボンド映画が伝統のイギリス人キャストで従来の伝統を残すのか、そしてボンド役も伝統のイギリス系(スコットランド、アイルランド系含む)俳優を起用する“掟”を守るのか、、長い伝統とファンが定着している作品だけに、大きく変える事はないと思いたいですね。マンネリ打破したいとあまりに大変化を起こしてしまうと、ファンは拒絶するかもしれません。
そしてポリコレの影響で初の黒人ボンドも避けて欲しいところ。トランプ政権になった事でポリコレ、DEIなどは衰退の流れなので、Amazonが製作するにしても時期としてはタイミングが良かったのかもしれません。
いずれしろ、資金力のあるAmazon MGMがどのような新007映画を作るのか、、長年の007作品ファンでもある私も注目です。🔚
via TheTelegraph
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