今週火曜日、マイクロソフトはMachineGamesスタジオが開発する『インディジョーンズ:大いなる円環』が、今年12月にXboxとPCでリリースされた後、来年2025年春にソニーのコンソールプラットフォームであるPS5でも発売されることが発表されました。
結果的にマイクロソフト傘下での開発とはいえ、「時限独占」だったという事ですね。
『インディ・ジョーンズ:大いなる円環』は、2月に発表された4つのマルチプラットフォーム向けゲーム、6月の『ドゥーム:ダークエイジ』に続き、PS5向けに発表された最新のXboxファーストパーティゲームです。
ただし、インディジョーンズの権利はディズニーにあるため、ディズニーとしてもビジネス観点的に、コンソールでXBOXより倍以上の大きなインストールベースを持つPS5に出さないという事は、あり得ないという事でもあるでしょう。マイクロソフトとしても同様だと思います。
しかし、今年2月に行われたXboxのポッドキャストで、マイクロソフトのゲーム部門ボスであるフィル・スペンサーさんは、インディ・ジョーンズがPS5に登場することを明確に否定していました。おそらく作品の発表段階でPS5版の開発は水面下でかなり進んでいたでしょうし、フィルさんの否定発言はマーケティングの都合によるものでしょうね。
そして、昨日のGamescom2024でフィル・スペンサーさんは今週の発表についてコメントを求められ、以下のように述べています。
“最初にマルチプラットフォーム展開した4つのゲームの成功から学んだのです。Xboxのプレイヤー数は今年かつてないほど増えて強力になっています。業界はプレッシャーにさらされており、それは我々全員にとって変化となるでしょう。
私が見ているのは、私たちのXBOXフランチャイズが強くなっていること、今年のXboxコンソールのプレイヤー数がこれまで以上に高いこと、だから私はそれを見て、私たちのプレイヤー数がコンソールプラットフォームで上昇していること、私たちのフランチャイズがこれまでと同じくらい強いこと……そして、私たちはビジネスを運営していることです。
私たちは、会社から素晴らしいレベルのサポートを受けています。ですから、私はこのように考えています。私たちのゲームを可能な限り強力にし、コンソール、PC、クラウドの両方でプラットフォームが成長し続けるようにするにはどうすればいいかという事です。
過去1年半の間にマイクロソフト社内の多くを含む数千人の雇用が失われたゲーム業界が直面している「プレッシャー」について言及し、
“業界として今、大きなプレッシャーがかかっているということです。 長い間成長し続けてきた業界ですが、今、我々は成長する方法を模索しています。
ゲームのファンでありプレイヤーである私たちは、ゲームの伝統的な作り方や流通の仕方にさらなる変化が起こることを予期しなければなりません。
しかし、最終的には、より良いゲームをより多くの人がプレイできるようにする必要があります。もし私たちがそのことに集中していなければ、間違ったことに集中していることになると思います。”
ハリウッドの市場規模を超えて年々勢い良く成長してきたゲーム業界も、現在頭打ちになっており、その過程で膨らんできた人材などに対して、現在はコスト削減に転じている状況で、数年前の右肩がりの時と現在では状況が一変しているという事なんでしょうね。
事実、多くのパブリッシャー、スタジオでレイオフなど数千人規模の解雇が頻発している事です。
膨らみ続けるゲームの開発コストなどにも対応しないといけないので、業界はコストカット以外にも、更なる成長のために今までとは全く異なる変化が求められているようです。
フィル・スペンサーさんが強調していたのは、
「より多くの人にゲームを届け、より多くの人にプレイしてもらう。」
この事からも、マイクロソフトがXBOXというプラットフォーマーから徐々に巨大なゲーム・パブリッシャーになりつつあるのかなと感じます。
これはXBOXプラットフォームがなくなるという事ではなく、プラットフォーマーでありつつ、パブリッシャーとしても強力に成長していくという事なんでしょうね。
とはいえ、ソニーのプレイステーションとのシェアが一向に縮まらず、2倍近い差が今後も続くようですと、XBOXのハードウェア・コンソールをいつまで開発、展開していくのか、、その不安は多少なりともあります。🔚
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