【ネタバレ注意】『 ベターコールソウル 』シーズン6 第9話「楽しい駆け引き」の感想。

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「ベターコールソウル」最新のシーズン6の第9話が配信されたので、早速視聴した上で自分なりに感じた感想を書いていきたいと思います。

これから書く内容は完全にネタバレとなるので、まだご覧になられていない方は、ご注意ください。念の為に、行間を空けておきます。

                   

                   

                   

                     

                     

                    

                    

                    

                     

                   

                   

                   

                    

                  

今回のエピソードは、前回でラロとガスの決着など、緊張感のあるハードな展開でしたので、静かで中休み的にペースダウンした内容になるかと思いきや、、確かに静かな展開でしたが、内容として大きな転換点になるエピソードでしたが、色々と切ない内容でもありましたね。。

このエピソードは、最後の数分間で2つの衝撃を与えてくれます。

1つ目、それはキムが弁護士とジミーとの結婚生活の両方を一気に捨ててしまうという、衝撃の決断をしたこと。その気になる理由は、ジミーと一緒にいると自分にも他人にも迷惑をかけ、周囲の人たちを不幸にしてまい、一緒にいると毒になるという事。

これは、明らかにハワードの死が決定打となったのは間違いないでしょう。ジミーとキムが仕掛けた罠によって、ハワードは周囲の信頼を落とし、ジミーとキムの住むマンションまで来てしまった事で、命を落としたのです。キムが悔恨の念を持って当然と言えるかもしれません。キムにとってハワードは恩人でもあるのです。

キムは予測不可能な判断を下す事は、過去のエピソードでも明らかです。ジミーと絶対に別れるだろうという事が何回かありましたが、結果的にキムはジミーと結婚という予想外の判断を下した事もあります。

そして、キムはラロが生きていることをマイクから聞いた事を、ジミーに知らせなかったのは、何が起こるかわかっていたからだと言っています。それは、ジミーが彼女を守り、一緒に隠れて、ハワードに対する悪戯を終わらせるだろうと。

キムは、他人に害を与えていたにも関わらず、ジミーとの悪戯があまりにも楽しくて、多くの人間を不幸にしてしまった共犯者という立場から退かなければいけない。と考えたということです。ジミーに「愛している。」と言われ、キムも「私も愛している。でもそれが何?」と言い放つほど、キムは精神的にもこれ以上一緒にいると、多くの人を不幸にするかもしれないかもしれない事が、耐えられなかったという事ですね。

まさか、弁護士まで辞めるとは予想外でしたが、全てを投げ打ってリセットしようとするのは、キムらしい決断だったと言えるかもしれませんね。。これで最後?の生き残りだったキムが去りました。しかし、キムはこのままもう登場しないんでしょうかね、、

2つ目の衝撃、それは今シーズンのオープニングで見た豪邸の再登場。

売春婦と寝ているジミーの姿から、ローマ風の装飾品や美術品で満たされた正に「ブレイキングバッド」でのソウル・グッドマンの派手な生活へとチェンジします。髪型も「ブレイキング・バッド」の初登場時と同じ様に、やや長めになっています。

結果的にキムとの結婚生活が突如終わったことで、ジミーはやや、焼け気味で開き直って大変貌することになった様にも感じられます。ちょっとこの間の過程がすっ飛ばされた感もあり、もう少し描写してくれてもよかったかな、、と感じています。

ソウルはジミーの中に潜んでいて、キムとの別れによるトラウマ(傷)によって加速度的に現れたと考えるべきかもしれませんね。ソウル・グッドマンの愛車の白いキャデラック、キムに言われた正義の大聖堂事務所、そしてTV CMの宣伝文句も全てがキムからのアイデアによるものだったのです。

ソウルは「ブレイキング・バッド」の終盤で、夜逃げ屋エドによって急いでアルバカーキを出て、ジーン・タカヴィッチという冴えない名を語り、オマハでシナモンロールショップ「シナボン」を経営する男に落ち着く事まではわかっています。

一方、ガス・フリング(ジャンカルロ・エスポジート)は国境の南にある自分のボスである、ドン・エラディオ(スティーブン・バウアー)の家に呼び出され、ドン・ヘクター(マーク・マーゴリス)からラロを殺して組織を乗っ取ろうと企んでいると非難されます。

ガスはこの疑惑に対し、言葉で言い表すにはあまりに荒唐無稽な話だ、言わんばかりに反論はないと冷静に言い放ちます。そして、エラディオと彼の部下で右腕のヴォルサ(ハビエル・グラヘダ)が、ガスに代わって状況証拠を列挙し、フリングは無実という結論を出します。

ヘクター・サラマンカは到底納得行かず、抗議のために必死でベル(ラロ・サラマンカからもらった)を鳴らすしかありません。このあたりでもガスの巧妙さ、冷静さが際立ちます。

そして、ガスはプールを見つめます。その場所は数年前、「ブレイキングバッド」シーズン4 第8話でヘクター・サラマンカが、ガスの最愛の恋人だったマックス・アルシニエガを撃ち殺した場所です。

その時、ガスはマックスの隣で、ヘクター・サラマンカがマックスの側頭部を拳銃で撃ち、マックスの返り血を顔に浴び、床に押さえつけられマックスの生気を失った顔とプールに血が滴り続けているのを間近で見せられたのです。。

このシーンからも、ガスが復讐をまだ忘れていない事を示唆していると思われます。これこそがガスというキャラクターが誕生した瞬間でもあるかもしれません。

ガスは、その後の「ブレイキングバッド」シーズン4第10話でその復讐を達成します。

そして、全ての処理が終わり、ガスは、アルバカーキの自宅に戻り、敵もいなくなり安定した日常を取り戻すのを実感します。

行きつけのレストランを訪れたガスは、ウェイターでワイン愛好家のデヴィッド(リード・ダイアモンド)とワインについて長い会話を交わします。

ここのシーンは興味深いシーンで、これほど長くガスと楽しく会話した人物はいませんでしたし、デイヴィッドが話している間、ガスは心地良いのか、心から笑顔を浮かべて聞いています。これは、視聴者も今まで見たことがない、ガスの一面と言えるでしょう。

しかし、ガスはデヴィッドをデートに誘う事もなく、希少なワインのボトルを取りに行っている間に、さっさと帰ってしまうのです。しかし、201ドルは高いと思いましたが、、w

このガスの行動は、もう自分は傷つかないと決めたのか、それとも自分のような状況下の男には恋愛は向かないという結論に達したのか、どちらかでしょう。ガスの敵にとって、ガスの愛する人物は格好の標的であり、それは弱みでもあるからです。

このバーでのガスのシーンだけで、6分近くもかけているのは興味深いですね。シーンの最後に、ガスの顔をズームで寄っていくショットでは、 リラックスした表情から、緊張した冷たい本来の表情へと変化していきます。このシーンは一言の台詞もなく、ガスがかたい決心をしているのが分かります。この時のガス役のジャンカルロ・エスポジートの演技は素晴らしいの一言。

そして、マイクはハワード殺害現場で掃除屋の仕事を終え、考えた末に休みを利用してナチョ・ヴァルガの父親であるマヌエル・ヴァルガ(Juan Carlos Cantu)を訪ね、彼の息子であるナチョ・ヴァルガ(マイケル・マンドー)が、もう戻らない(死んだ)ことを伝えます。

そして、マイクはナチョを殺した犯人はいずれ正義が下されるだろうと言います。しかし、彼は「正義?それは正義ではない。単なる復讐だ。終わりがない。ギャングに“正義”などない。あんたらは皆同じだ。」マイクのような正義感の強い男でも、絵に描いたような善良で真面目なマヌエル・バルガにとって見れば、ただのチンピラと同じという事です。。その言葉を聞いて立ち尽くすマイクの姿が、またなんとも切ないですね。。

そして、ソウル・グッドマン事務所が完全に「ブレイキングバッド」時と同じ完成形となります。そしてソウル・グッドマンと化したジミーの姿で6−9は終わります。

残りのエピソードは4話。。確実に「ブレイキングバッド」の時系列に近づいてますね。これで、ウォルターとジェシーの登場のお膳立てが整いつつあると感じる終わり方でした。

残るはスーパーラボの完成、トゥコ(レイモンド・クルーズ)の出所、ゲイルの登場(デヴィッド・コスタビル)、あとは闇医者で獣医のカルデラから闇社会のリストが書かれた黒手帳の譲渡シーンでしょうかね、、まだまだ描かれるべきシーンは沢山ありますので、残りの4エピソードも、充実した内容となりそうです。🔚

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