マイクロソフトがXBOX GAME STUDIOで大規模再編。Turn10が規模縮小で『Forza Motorsport』が事実上の消滅、『Perfect Dark』開発中止について思う事。

, , , ,

正直、懸念はしていましたが、「Forza Motorsport」「Perfect Dark」の消滅は「やはり」という感じでしたね。

2025年7月、マイクロソフトによる約9000人規模のレイオフが明らかになりました。特に大きな影響を受けたのがXBOXゲーム部門で、ファースト・パーティ・スタジオの整理が進行しています。

  • 『Forza Motorsport』のTurn10 Studios:約50%がレイオフ
  • Rare制作の『Everwild』:開発キャンセル
  • 『Perfect Dark』の再始動を担っていたThe Initiative:スタジオ自体が閉鎖でゲームもキャンセル

「フォルツァ・モータースポーツ」は、ここ数作は大幅な方向性のシフトやバグなどで以前のような品質を保てていないな、という印象はありました。

そして本家「フォルツァ・モータースポーツ」のスピンオフとしてスタートした「フォルツァ・ホライゾン」が大ヒットし5作目までが作られ、おそらくセールスでも本家の「フォルツァ・モータースポーツ」を超えるまでの存在に成長、明らかに本家が霞んでしまっていました。

元々、打倒「グランツーリスモ」を目標に設立され、徐々に成長してきた「Forza Motorsport」。「グランツーリスモ」が「GT5」で躓いた時はリードしていたはずですが、方向転換で仇となったという感じでしょうか。

ちょっと前に、久々に人気の公道コース「富士見街道」が美麗グラフィックになって突如復活配信され、歓喜していたのにも束の間、結局これが最後の置き土産になってしまったという事に、、

そして、ソニーなど開発経験のある開発者など精鋭が集められて開発していたはずのThe Initiativeスタジオ「パーフェクト・ダーク」は一転二転、突如トゥームレイダーのリブートを見事に成し遂げたクリスタル・ダイナミクスと提携、共同開発を発表、その後シニア系開発者が次々にプロジェクトを離れていく状況から明らかに開発が混乱していたのは明らかで、このような結果になる事を予感していた人も多かったのではないでしょうか?案の定そうなってしまったわけです。

これらの動きは、XBOXの将来に対するファンとメディアの不安を一層高めているようで、多くの海外のジャーナリストも今後もマイクロソフトはゲームのキャンセルや、スタジオの閉鎖は続くだろうと悲観的な見方をしているようです。

◆ マイクロソフト全体のレイオフ:AI・クラウドへの集中とXBOX部門の「選別」

今回のレイオフは、単なるリストラではなく、戦略的な事業再編の一環として行われています。マイクロソフトはAI(CopilotやAzure OpenAI)やクラウド分野へのリソース集中を表明しており、その反面、収益性が低く今後の開発進展、成長が見込めない不採算ゲーム・プロジェクトが次々と整理対象となっています。

新型コロナウィルスのパンデミックによって巣篭もり需要が増加したことに伴い、多くの人員が補充されたのでその皺寄せが来ている側面もあると言えます。

これにより、XBOX部門もかつてないレベルで再編され、「成功していないスタジオ・プロジェクトの“選別と削除”」が更に進んでいるという状況なようです。

Turn10 Studios縮小、Everwild中止:レースとアドベンチャーにおける大胆な方向転換

Turn10 Studios:『フォルツァ・モータースポーツ』の未来は?

Turn10 Studiosは打倒『グランツーリスモ』を目指して『フォルツァ・モータースポーツ』シリーズ開発のために設立されたスタジオですが、2023年にリブートされた同作が評価・売上ともに低調だったことを受けて、開発体制の大幅な見直しが実施されました。今回のレイオフでは、スタジオ人員の約半数が削減対象となり、実質的な縮小となっています。

TURN10でコンテンツ・コーディネーターを務めた元TURN10のフレッド・ラッセル氏の話によると、既にTURN10「Forza Motrsport」開発部門は閉鎖されたとの事。この事から事実上、「Forza Motorsport」は消滅、「Forza Horizon」は継続するとの事。

現在のマイクロソフト(XBOX)はXBOX、PC独占だけでなく、プレイステーション、クラウドストリーミングプレイ対応、そして将来的に任天堂Switch2への展開も視野に入れているようなので、立ち位置的にほぼパブリッシャーに近い展開をしつつあるので、XBOX、PCの独占タイトルでプレイステーションで発売するにも「グランツーリスモ」と直接競合する「Forza Motrsport」は、現在の方針から外れていた事、そして直近で評価を落とし低調だった事でカットの対象にされた感は否めません。おそらく開発コストも相当膨れあがっていたかもしれません。

今後は、よりカジュアル志向でアーケード挙動で万人受けしてプレイしやすいオープンワールドの『フォルツァ・ホライゾン』(Playground Games)へと主軸が移される事になると見られています。「Forza Motorsport」で培われたノウハウが今後の「Forza Horizon」に活かされるのであれば、良いかもしれません。正直、私も『Forza Motorsport』はあまりプレイしておらず、「富士見街道」の配信で久々にプレイしたほどです。

● Rareの『Everwild』:新IPの期待潰える

Rareが長年開発していた新規IP『Everwild』は、神秘的な自然世界を舞台としたアート性の高いアクションアドベンチャーとして注目されていました。しかし、開発の迷走や方向性の不一致が続き、最終的には「中止(キャンセル)」という判断が下されたと報じられています。時間がかかりすぎていた事も要因かもしれません。

これにより、Rareは『Sea of Thieves』に完全回帰する形となり、新作への挑戦は一時ストップした形です。

そしてそれだけでなく、長年レアに在籍したスタッフも離れているようです。個人的にレアも将来的に閉鎖されて無くなるのではないかという不安があります。

◆ 『Perfect Dark』も頓挫:The Initiativeスタジオ、志半ばで閉鎖

XBOXのリブート戦略において注目されていたのが、The Initiativeによる**『Perfect Dark(パーフェクトダーク)』の再構築プロジェクト**でした。

● The Initiativeとは?

The Initiativeは2018年、XBOX Game Studiosの“スーパースタジオ”として設立され、『ラスト・オブ・アス』『アンチャーテッド』などを開発したNaughty Dogの元開発者やCrystal Dynamicsの精鋭開発者を集めたAAA級の次世代スタジオでした。ミッションはただ一つ、かつての名作『Perfect Dark』の再構築によって、PlayStationに対抗し得る独占フラッグシップ・タイトルを生み出すことでした

● しかし、現実は…

  • 開発の方向性が二転三転し、Crystal Dynamicsへの外部委託が強まる
  • 社内のクリエイター離反が加速し、主導権が不明瞭に
  • 最終的に「ビジョンの統一が不可能」と判断され、2025年夏にプロジェクト自体がキャンセル
  • The Initiativeは閉鎖、残った人材の一部はXBOX Publishing部門へ吸収との情報も

この閉鎖は、「XBOXが本気でハイエンド・シングルプレイヤー・ゲームを目指すことを断念した」象徴的な出来事と見なされています。

◆ XBOXの将来:“ゲーム機メーカー”から“ゲームサービス提供者”へ

今回のレイオフ・プロジェクト中止・スタジオ閉鎖の連続は、マイクロソフトがXBOXを「ゲーム機」としての存在から、「サブスクリプションとクラウドによるゲームサービス」へと舵を切った証とも言えるでしょう。

  • XBOX Game Passへの投資は継続
  • Activision Blizzardの買収IP(Call of Duty、Diabloなど)で補填
  • ファーストパーティの“質と数”より、“販売と提供の広さ”を重視

結果として、新作IPの開発は極端に慎重化し、安定した既存IP・他社との提携タイトルが今後の柱となる見通しです。

◆ 結論:プラットフォームとしてのXBOX終焉が近いのか?それとも進化の過程か?

Turn10の縮小、Rareの撤退、そしてThe Initiativeの閉鎖――これは単なるリストラではなく、XBOXが掲げてきた“プレイステーションに並ぶクリエイティブ主導型プラットフォーム”という夢が終わった瞬間かもしれません。

一方で、XBOXはクラウドゲーム、サブスクリプション、PC展開といった新しいゲーム・ビジネスモデルの先頭を走っていることも事実です。

XBOXブランドが「革新か衰退か」のどちらへ進むのかは、今後数年間の方向性次第と言えるでしょう。

XBOXは、PCストアにもアクセス出来る事実上Windowsベースの次世代XBOXを開発中であることを公式にアナウンスしているので、次世代のXBOXはコンソールとしてまだあるでしょう。

次世代XBOXはWindowsベースで、SteamやEPICストアなどPCストアにもアクセス出来、XBOXコンソールのレガシーライブラリーはエミュレーターで動くとも言われています。しかし、その先は不透明と言わざるを得ません。

マイクロソフトは、インディジョーンズに始まり、フォルツァホライゾン5、そしてXBOXの象徴的な「ギアーズ・オブ・ウォー」の1作目のリメイクである「Gears of War : Reloaded」もPS5でXBOX、PCと同時にプレイステーション5でも発売します。

そしてソニーのプレイステーションも「ヘルダイバーズ2」をXBOXに8月にリリースすることが発表されています。XBOXストアにある「ヘルダイバーズ2」には「プレイステーション・パブリッシング」と記載。まさかXBOXストアでプレイステーション・パブリッシングのゲームが見れるとは驚きですね。その逆も然り。時代は大きく変わりつつあるようです。

これも、ゲームの解像度、リアリティが向上し開発コストが年々高騰し続けているので、もう1プラットフォーム上だけでは到底儲からないという事ですね。1プラットフォーム上で独占タイトルで囲うという時代は少なくともソニーとマイクロソフトでは終ろうとしていますよね。

そこにAIが大きな変化をもたらしているので、ゲームエンジンにAIが本格的に採用されると、コスト削減にはなるかもしれません。

しかし、任天堂だけは1プラットフォーム独占タイトルの方式で安定して業界をリードしていますので、改めて任天堂は凄いなと感じます。とはいえ、将来的には任天堂にもその限界が来るのではないかなと思っています。

何年後かはわかりませんが、いずれは統一ハードが出てくれるとユーザーとしてはありがたいですね。

とにかく、今ゲーム業界は大きなパラダイム・シフトが起きている最中と言っていいでしょう。🔚

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

映画、海外ドラマ、音楽、ビデオゲーム、ガジェット、自作ハイエンドPC、車、バイク、政治、経済、株式投資、格闘技、70年代のTVドラマ、超常現象などが大好きな湘南在住の管理人です。東京に住んでいた頃は、ハイエンドオーディオ、ハイエンドホームシアターなど趣味で実践していました。現在は、ソニー4KブラビアX9500Gの85インチで洋画、海外ドラマ、ビデオゲームをYAMAHAのA3070AVアンプ経由で5-1-4 9.1チャンネルのDolby Atmos環境で楽しんでいます。映画やゲームレビューはこのシステムかサブシステムのLG 55インチNANO91 4K 120Hzで検証しています。様々な幅広いジャンルでの経験で得た知識、見識をレビューやエッセイも含め、色々と書き綴って情報発信していきたいと思っています。尚、当サイトで書く内容は、あくまで個人的な好みや価値観での意見を書き綴っていますので、あしからず。 YOUTUBEチャンネルでは、高画質をモットーに4K解像度のゲームプレイ、PCゲームのベンチマーク動画、グラフィック比較動画に加えて他に好きなものなど、色々と公開していきたいと思いますので、お気に召したらチャンネル登録をよろしくお願いいたします。  https://www.youtube.com/user/hidebusa720