長年Xboxの象徴的な独占タイトルとして君臨してきた『Gears of War(ギアーズ・オブ・ウォー)』シリーズ。その最新作であり、1作目のリメイク的作品となる『Gears of War Reloaded(ギアーズ・オブ・ウォー リローデッド)』が、正式発表されましたね。
何より驚くべきは本作がPlayStation 5(PS5)でも発売されるという事実。これはXboxとPlayStationというゲームプラットフォームの間にある「壁」が崩れつつあることを象徴する、大きなニュースと言えます。
その兆候は、既にXBOXの象徴的なレーシングゲームの一つでもあった『Forza Horizon 5』がプレイステーション5に登場し、大ヒットしていた事で予想はされていました。
Gears of War Reloadedとは?|リブート&リメイクの融合作品
『Gears of War Reloaded』は、2006年にXbox 360向けに登場した初代『Gears of War』の完全再構築版です。単なるリマスターではなく、最新の『Unreal Engine 5』(以下、UE5)を用いたグラフィックの一新に加えて、ストーリーやゲームプレイ面でも大幅な刷新が行われています。ゲーム史において象徴的なフランチャイズ である「Gears of War」シリーズの記念すべき第1作目の主な特徴は以下の通り。
主な特徴
- 4K 解像度に対応
- キャンペーン モード: 60 fps
- マルチプレイ モード: 120 fps
- HDR対応
- Dolby Vision & 7.1.4 Dolby Atmos 対応
- 7.1.4 3D 空間オーディオ対応
- 可変リフレッシュ レート (VRR) 対応
- 4K アセットおよびリマスターされたテクスチャ品質
- 強化された視覚効果
- 改善された影と反射効果
- 改良されたアンチエイリアシング(AA)による超高解像度
- キャンペーン中のロード画面の削除
オリジナル版の魅力をそのままに、現代的な高解像度映像、立体音響、ゲーム体験へと生まれ変わった本作は、『Gears of War』シリーズのリブート(新たなスタート地点)とも言える存在です。
おそらく、PS5Pro Enhancedにも対応すると思われ、より安定したフレームレート、より高品質なエフェクトなどで、コンソールでは最高品質の体験になると思われます。

4K解像度の公式スクリーンショットはこちらからダウンロード出来ます。
異なるプラットフォーム間の連携が強化
『Gears of War: Reloaded』は、フレンドと体験を共有するために様々な機能が追加。一つの画面を分割してプレイする場合や、オンラインの場合でも、キャンペーン・モードは 2 人まで参加可能。対戦マルチプレイ モードでは最大 8 人まで参戦可能。
すべてのプラットフォーム間でクロスプレイが可能なため、プレイする場所に関係なくフレンドたちと一緒にプレイする事ができます。この際に、Microsoft アカウントの連携は必要ないとの事。これは良心的な仕様。
ただし、Microsoft アカウントにサインインすることで、各種クロス プラットフォーム機能が利用できるようになり、キャンペーン モード、対戦マルチプレイ モードの進行状況が引き継がれるようになります。
また、Xbox から PlayStation 、Steam から Xbox へ、などといったプラットフォームをまたぐ形で友人をゲームに招待することも可能になります。
特に異なるプラットフォーム間でフレンドとプレイする場合はマイクロソフト・アカウントにサインインした方が利便性も格段に向上するので、必須と言えます。
開発者インタビューより:「ファンの記憶を超える体験を目指した」
発表後に公開された「 The Coalition 」スタジオの開発者インタビューでは、以下のようなコメントが寄せられました:
「Gearsの原点に立ち返りつつも、今のテクノロジーで“記憶以上の体験”を実現したかった」
― The Coalition スタジオ代表
また、PS5への展開については次のように言及:
「ギアーズの世界観をもっと多くの人に届けるチャンスだと思った」
― クリエイティブディレクター
この発言からも、MicrosoftとThe Coalitionが従来の“Xbox独占”の枠を超え、ゲームの価値と文化的広がり、「より多くのユーザーに自社ゲームを届ける」事を重視している姿勢が読み取れます。
なぜPS5で発売されるのか?マイクロソフトの戦略転換
『Gears of War』は当初「EPIC GAMES」が開発していましたが、現在はMicrosoftの傘下である「The Coalition」スタジオが開発しており、長らくXbox独占タイトルとして展開されてきました。しかし近年、Microsoftは「ゲームはサービス」という戦略のもと、複数のプラットフォームでの展開を視野に入れ始めています。
特に以下の動きは象徴的です:
- 『Hi-Fi Rush』や『Pentiment』がPS5/Switchへ移植
- 『Forza Horizon 5』のPS5への移植
- クラウドゲーミングやGame Passの拡大
- 収益重視のマルチプラットフォーム戦略
この方針のもと、『Gears of War Reloaded』がPS5でも発売されることは自然な流れとも言えます。そして、同時にそれは「Xbox=Gears」の終焉を意味します。
既に『FORZA HORIZON = XBOX』が崩れているので、今後のタイトルでも起こり得るでしょうね。
発売日・対応機種・予約情報
発売日は8月27日で、以下のプラットフォームで発売が予定されています:
- Xbox Series X|S
- PlayStation 5
- Windows PC
- Game Pass Ultimate, PC GAMEPASS(発売日から追加料金なしでプレイ可能)
- Gears of War : Ultimate Edition デジタル版(海外版のみ)所有者は無料でアップグレード
予約やデジタル版の詳細は、近日中に各ストアにて発表される予定です。
『Gears of War: Reloaded』は Xbox Series X|S、Xbox PC、Xbox Cloud Gaming (Beta) でプレイする場合、Xbox Play Anywhere に対応します。
Gears of War : Ultimate Edition デジタル版(海外版のみ)所有者は無料でアップグレードは嬉しいですね。私も既に『Gears of War : Ultimate Edition』デジタル版は所有しているので、無料で製品版としてプレイ出来るのは、非常にありがたい。逆に無料で良いのか?とさえ思います。
試しに最近、Xbox Series Xで久々に『ギアーズ・オブ・ウォー : アルティメット・エディション』をプレイしてみたのですが、解像度こそ4Kではありませんが、シングル・キャンペーンは余裕で60fpsプレイする事が出来ました。
XBOXの公式ニュースサイトの「Xbox Wire」日本語版で『Gears of War Ultimate Edition』デジタル版所有者の無料アップグレードという記述が削除されているのは、日本版での発売がなかったからでしょうね。
まとめ|『Gears of War Reloaded』は新時代の幕開け
Xboxの顔とも言える『Gears of War』シリーズがPS5でも遊べるというニュースは、ゲーム業界にとってパラダイムシフトとも言える出来事でしょう。
『Gears of War Reloaded』は、シリーズのファンにとっては懐かしくも新しい体験でもあり、これまで手を出せなかったPlayStationユーザーにとっては、『ギアーズ・オブ・ウォー』の原点となる1作目に触れる絶好の機会となるでしょう。
それは同時に『Gears of War』というゲームにより多くのユーザーが接する事にもなるので、将来的に発売が予定されている1作目の前日譚となる完全新作『Gears of War : E-DAY』にとっても大きなプラスになるでしょう。
『FORZA HORIZON 5』、そして『GEARS OF WAR』と来ているので、流れ的に考えると『HALO』のPS5への登場も時間の問題かもしれません。そしてSwitch2でも先々登場する可能性すらあります。
こうなってくると、もうコンソールとしてのXBOXとしての存在の意義が薄れている気がしますね。
しかし、「ゲームパス」という超お得なサービスを利用できる唯一のコンソール(家庭用ゲーム機)は、現状XBOXだけですので、その点での利点はあります。というか、それが凄く大きいでしょうね。
私は、それこそがXBOXを所有し続けている大きな理由ですが、「このゲームがあるからXBOX」という概念はなくなりつつありますね。これも時代の流れと言えるのかもしれません。
私は現在、XboxSeriesX と PS5Pro を所有していますが、XBOX GAME PASS Ultimateの恩恵が非常に大きいのは事実。
例えば、大型新作の最高エディションに1万4,000円出さずとも、約4,000円程度のアップグレードだけでUltimate、もしくはDeluxe Editionの仕様でマイクロソフト傘下の新作大型タイトルがプレイ出来てしまうのは超お得です。
しかし、それでもXBOXではなく、PS5で1万4,000円でも購入してプレイするユーザーが多いのも事実。結果的に「ゲームパス」という非常に大きな利点があるにも関わらず、XBOXが売れなかったというのは重い現実と言えるかもしれませんね。
次世代XBOXでは、XBOXのライブラリにアクセス出来て、SteamなどのWindows PCでのゲームにアクセス出来てしまうようなので、XBOXというブランドはコンソールだけでなく、より広範囲に広がっていくのでしょう。
従来のプラットフォームとして残って行くのは、結果的に任天堂だけなのかもしれません。Switch2ではコンソールの大作タイトルでもある『サイバーパンク2077』『エルデンリング』までもリリースされるのは驚きで、今後コンソールの大作もSwitch 2で発売されるとなると、ソニーにとっては脅威かもしれません。
その点、マイクロソフトは徐々にプラットフォーマーから巨大パブリッシャーへと移行しつつあるので、マイクロソフトにとってはより利益を増やせる状況になりつつあるのかもしれないので、早々にXBOXだけの固執を諦めて、方針転換したのは、結果的には正解だったのかもしれません。🔚
via XboxWire JAPAN , XboxWire USA
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