昨日開催された米下院小委員会でのUAP公聴会。
証人のルイス・エリゾンド氏が墜落、回収された物体には軍事企業関連の物から、人間の物ではない物とあると明言するなど、衝撃的な内容も一部ありました。
しかし、元国防総省高官でUAP情報公開推進派のクリストファーメロン氏が事前に言っていた通り、非機密(機密ではない)の場なので、核心を突く質問されると「この場では答えられません。非公式の場でお答え出来ます。」という回答が目立ちました。これも仕方がないかもしれません。エリゾンド氏らは今もNDA(秘密保持契約)に縛られていることもあります。シェレンバーガー氏も情報提供者の安全を考えて情報提供者に関しての質問ではお答えできませんという回答が多かったです。
ですので、ここから前進するには、議会が内部告発者をNDAから保護する制度が早急に必要になるでしょうね。そうでなければ、この繰り返しになるだけです。この件はエリゾンド氏もシェレンバーガー氏も「議会が内部告発者が安心して出て来て証言出来るように願う。」と述べていました。
公聴会に証人として出席したニュースレター「パブリック」を主催する調査ジャーナリストのマイケル・シェレンバーガー氏が、証言前に議会に提出した12ページにも及ぶ「UAP=UFO存在の証拠と政府の隠蔽工作」をまとめた文書の一部をご紹介したいと思います。
あまりにも膨大な量なので、個人的に重要と思われる部分を抜粋翻訳でご紹介します。これでもまだ不足していると思うので、後日また日本語訳でご紹介したいと思います。
一応、12ページの全文をお読みになられたい方は、「こちら」からご覧ください。
国防総省の否定と矛盾
1947年に制定された国家安全保障法は、諜報機関による極秘作戦とアクセス制御プログラムを議会に報告することを義務づけています。
しかし、以前はUFOと呼ばれていた未確認異常現象(現在はUAPと呼称)について、政府が知っていることを議会にさえ透明(報告していない)にしていないという証拠が増えつつあります。
ドナルド・トランプ次期大統領やバラク・オバマ前大統領は、政府は公表していないUAPに関する多くの情報を持っていると述べています。
2023年、デビッド・グラシュという元情報機関の高官が議会で、アメリカ政府は回収された出所不明物体と人類由来のものではない生物物質(人間ではない乗組員)を所有していると調査の過程で当事者から聞いたと証言しています。
今年4月、米国防総省は、国土安全保障省(DHS)のプログラム案が、回収されたUAPを所有し、リバースエンジニアリングすることを意図していたことを示す機密解除文書を公表しました。
両党の政治指導者たちは、UAPの目撃者や内部告発者の信頼性を保証しています。
マルコ・ルビオ上院議員(昨日、トランプ新政権で国務長官に内定と報道)は昨年、「(UAP内部告発者の)ほとんどは、政府内で非常に高いクリアランス(秘密接近許可)と高い地位に就いている。」と述べています。
グラッシュ氏や他のUAP内部告発者の証言によれば、政府は彼らに報復、脅迫し公表を止めさせようとしたのです。
2021年、トランプ前大統領の下で国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ(トランプ新政権でCIA長官に内定と報道)は、UAPは『我々が所有している物ではなく、率直に言って、我々には防御する能力がない未知の技術』を示したと述べた。ラトクリフ氏は、4人の海軍パイロットが海上で遭遇した有名な『チック・タック』UAPの背後に他国の敵がいるわけではないと、米国の情報アナリストは『高い確信』を持っていると述べた。
そして、ラトクリフは、『公表されているよりも多くの目撃情報がある』ことも確認してます。
米国民が知るべきことは、米軍と諜報機関は膨大な量のUAP=UFOの映像情報、その他の情報、驚くほど鮮明なビデオ、写真、その他の詳細なセンサーデータ情報を所有しており、それらは非常に長い間保持されてきたということです。
「イマキュレート・コンステレーション」(新たに発覚した国防総省のUAP情報統合組織)
UAPの内部告発者として活動している現職または元米国政府高官が…『行政府はしばらくの間、おそらく数十年にわたり、議会の知識、監督、承認なしにUAP、NHI(人間ではない知的生命体)問題を管理してきた。』という報告書を書いています。
議会と共有された報告書によれば、「IMMACULATE CONSTELLATION組織は、UAPの「タスクのある収集プラットフォームとタスクのない収集プラットフォームの両方による」観測を統合する中央または「親」(Unacknowledged Special Access Program=非認可スペシャル・アクセス・プログラム)の役割を果たしている。」ようです。
ある情報筋によれば、SAPはホワイトハウスによって管理され、合衆国法典第10章の遵守を避けるために国防総省によって実行、管理されているようです。
元国防情報センター職員は、『あのプログラムはOSD[国防長官室]で運営されており、彼らはそれが実在することを認めたがらない』と、『イマキュレート・コンステレーション』の存在を『パブリック』(シュレンバーガー氏主催のニュースレターメディア)に認めています。
ある情報筋は、『Immaculate Constellation(完璧な星座)』という名前を印刷するだけで、外国情報監視法(FISA)に基づき、それを公表した者を政府が監視する引き金になりかねないと警告しています。 彼らはコメントしないが、それについて話すと危険水域(要は自らが危険になる)に入る。』 彼らは精力的に秘密を執行する』と。
議会への報告書には、さまざまなUAPが詳細に記述されています。 1991年から2022年まで、このUSGデータセットで報告された最も一般的なUAPの形状は、球体、オーブ、円盤型、ソーサー、楕円形、ティックタック、三角形、ブーメラン、アローヘッド、不規則、有機物であった。』
政府の秘密主義と偽情報
1953年以来、、CIAのロバートソン・パネルは、目撃されたUAPと政府の内部告発者を退け、嘲笑するために専門家を利用する戦略を推奨しました。
機密解除された1971年のオーストラリア政府のUAPに関するメモによれば、CIAは反重力を動力源とする機体を開発する努力の隠れ蓑として、UFO目撃談の否定を促したのです。
アメリカ政府の偽情報を裏付ける文書は他にもあります。 キャロル・H・ボレンダー准将は、空軍がUAPの目撃情報を空軍のUAP研究プログラムであるプロジェクト・ブルーブックから隠したという1969年のメモに署名しています。
情報公開法(FOIA)を利用し、政府が知っていることを探っているUAP研究の第一人者で「Black Vault」主催のジョン・グリーンウォルド氏は昨年、米政府がUAP情報の提供を求める彼の要求を拒否する傾向が強まっている。と「パブリック」に語っています。
政府は何十年もの間、UFOへの関心を否定してきました。しかし、グリーンウォルド氏が集めた文書は、『舞台裏では、まったく別の話だった』ことを示しているのです。
政府の偽情報は今日まで続いている、とグリーンワルドは指摘しています。CIAは、1950年代に目撃されたUAPは、アメリカ政府のU2偵察機の飛行を人々が目撃したものだとする情報をツイートしていました。
議会とホワイトハウスは行動を起こすべきです
2021年以来、議会議員は軍と情報部が具体的な情報を明らかにしないことに不満を募らせています。
2025会計年度の国防情報授権法は、法律で義務づけられているように、議会に報告されない『特別なアクセスや制限されたアクセス制限の下で保護されている[UAP=UFO]に関わるあらゆる活動』への資金提供を打ち切るでしょう。
UAP情報公開法は、米軍、情報IC、そしてあらゆる民間団体に、回収された「起源不明の技術」と関連する「生物学的物質」を引き渡すよう強制し、すべてのUAP記録を公開の可能性のある独立審査委員会に提供します。
この法案は、内部告発者の保護も拡大するでしょう。
UAPは謎に包まれたままですが、米政府が米国民に対して“誠実でない”ことは明らかです。
トランプ次期大統領は、政府の透明性を高め、長年の機密を公開することを公約に掲げて立候補し、当選しました。
私は議会が、リスクのある内部告発者への保護を拡大し、国防総省と情報通信研究機構(IC)の組織の透明性を推進するリーダーを配置し、UAP情報公開法を成立させるなどして、次期大統領がその公約を実現するのを支援することを奨励します。
私たちは『真実を知るに値する』のです。
おおよそ掻い摘んでご紹介しましたが、本当に膨大な記述量なので、近日中にまたご紹介出来ればと思います。
他にもエリゾンド氏、マイク・ゴールド氏の証言も近日中にご紹介したいと思います。元海軍少将のティム・ギャローデッド氏の供述書の日本語訳は、昨日当ブログでご紹介してありますので、「こちら」からご覧ください。
しかし、トランプ新政権の主要ポストの報道見ていると、マルコ・ルビオ氏が国務長官、司法長官にはマット・ゲーツ氏、ジョン・ラドリフ氏がCIA長官などなど、UAP公聴会に出席、もしくはUAP情報の透明化に前向きな面々が重要なポストに就いているのは気のせいでしょうかね。この人事を見ていると、UAP情報開示がしやすい人事になっているような気がしますが、これも偶然でしょうかね。
UAP情報の透明化推進のティム・バーチェット議員も、トランプ大統領は何かすると思うし、分かっていると確信していると述べていますし、来年2025年は何か大きなことが起きそうな気がします。
懸念されるのはトランプ新大統領の身の安全ですね。ここまで大きな変化を起こそうという時は、様々な事件が起きているのは、過去の歴史が証明していますので、その辺りも心配ではあります、、🔚
via X @shellenberger
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