UAP情報公開法(シューマー法案)は、米国エネルギー省の秘密主義に挑む法案になり得るかもしれない模様。

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UAP Registerがシューマー・ラウンズ修正案は、UAP(UFO)に関する何世代にもわたるアメリカ人の疑問に答える一助なり、米エネルギー省(DOE)の独特な秘密主義と、このUAP問題との関係に光を当てることになるかもしれないとしています。

当ブログでも過去に「UAP(UFO)の秘密は、米エネルギー省(DOE)の奥深くに埋もれているかもしれない」というタイトルで記事を掲載しています。

【参照記事】

UFOのような常識を覆す超先端技術の隠蔽があるとすれば、それはFBIでもCIAでもNSAでもなく、米エネルギー省(DOE)に深く埋もれているかもしれない。

近日中に、米議会を通過しようとしているこのシューマー法案は、アメリカ国民、そして世界の未確認異常現象(UAP)に対する見方を大きく変える可能性があるようです。

これは、70年以上にわたるアメリカ政府のUAPに対する秘密主義の姿勢を覆すもので、第二次世界大戦以降、UAP関連資料を隠し続けてきた重要な役割を果たす機関として、特に米エネルギー省(およびその前身)を指摘しています。法案の内容は、7月に元空軍情報将校であるデイビッド・グラシュ氏が米議会下院UAP公聴会で行った宣誓証言と驚くほどよく似ているようです。

「2023年未確認異常現象開示法」は、間もなく提出される2024会計年度国防授権法の修正案で、7月にチャールズ・シューマー上院院内総務(民主党)が提出、マイク・ラウンズ上院院内総務(共和党)が共同提案したものとの事。

上院軍事委員会のメンバーでもあったマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)、クリステン・ギリブランド上院議員(ニューヨーク州選出)らもこの法案を支持しています。この法案は、1992年のケネディ暗殺記録収集法を大きくモデルにしていると言われています。

シューマー上院議員はこの法案を正式に発表した声明で

“何十年もの間、多くのアメリカ人がミステリアスで説明のつかないものに魅了されてきた。アメリカ国民は、起源が不明な技術、人間以外の知性、説明不可能な現象について知る権利がある。私たちは、政府がこれらの現象について過去に学んだことを機密扱いから外すだけでなく、将来の研究が公開されるためのパイプラインを作るために取り組んでいます。”

と述べています。

本法案の義務条項の中には、すべての連邦政府機関や官庁に対して「起源不明の技術」や「非人間的知性」に関する文書を含め、その保有するUAPに関するすべての記録を、改正案成立後25年以内に、国立公文書記録管理局(NARA)を通じて一般に開示することを求める条項があります。ある機関が公開を差し控えるべきだと主張する場合、その記録は公開すべきかを判断するため、議会で制定されたUAP記録審査委員会に提出されなければならない義務も発生します。

25年以内というのがやや引っかかりますが、、

提案されている審査会は、合衆国大統領によって任命された9人で構成され、記録の開示を控える、または遅らせるという機関の主張が正当かどうかを検討します。審査会のメンバーは全員、その情報を全て目を通す事になるので、その必要な高度なセキュリティ・クリアランス(かなり高位)を取得していることになります。

法案はまた、政府機関によって管理されますが、以前は連邦政府と契約していた、または現在も契約している個人または民間団体(軍事関連企業)が所有しているUAP記録は、開示の判断を仰ぐために審査委員会に送られることを義務付けられます。

ただしこの場合、政府機関は自分たちの管理下にありながら民間の手(民間軍事企業など)に渡っている回答可能な記録を特定しなければならないという壁があります。

大統領のアーカイブに属するUAP記録は、優先的に開示されるようです。例えば、バラク・オバマ大統領のライブラリーには、未確認の異常現象に関して数万件の記録があるようです。

そして、もうひとつの注目すべき法案条項は、連邦政府に「公共の利益のために、民間人、民間団体が管理する可能性のある、起源不明の回収された技術、人間以外の知性の生物学的証拠(乗組員の遺体など)に対して、土地収用権を行使する」権限を与えるというもの。

これは、航空宇宙企業が非人間的技術や非人間的知性の証拠を密かに保有していると疑い、それらの物質を連邦政府に引き渡せというものです。この点を強調するために、法案の中では「非人間的知性」(要は地球外知的生命体)という言葉が十数回も出てきます。

この事から公開を迫る本気度が伺えます。隠蔽した側からすると非常に厄介な法案でもあります。

『リベラシオン・タイムズ』紙のクリストファー・シャープ記者が最初に報じたところでは、バイデン政権がこの法案の作成について相談したかどうかも含め、シューマー、ラウンズ両上院議員の広報担当者は、コメント要請に応じなかったようです。

法案を発表した声明では、この法案を提出するきっかけとなったのは、「膨大な数の個人やグループ」(内部告発者)が、自分たちが関与しているとされる、あるいは自分たちが知っているとされるUAP関連プログラムについて、議会と情報を共有するために名乗りを上げたことに一部起因しているそうです。つまり、表面化していない衝撃的な内部告発も多くあるようです。

声明はまた、連邦議会の弁護士や情報機関の監察官によって吟味されたとされる政府の目撃者から提供された情報に基づき、連邦議会の一部の議員は、「行政府が、UAPに関する重要な情報を長期間にわたって隠蔽してきた。」と考えているようです。

その提供された情報のひとつが、7月に米下院のUAP公聴会で衝撃の証言を行った37歳の元空軍情報将校デビッド・グラシュ氏です。

グラシュ氏は7月、米国防総省の未確認異常現象対策本部(UAPタスクフォース)に勤務していたときに任務としていた、極秘のUAP墜落事故調査やリバース・エンジニアリング・プログラムなどの調査について、議会で宣誓証言しました。

グラシュ氏は議会に対し、

“自分はそのプログラムについて直接見たわけではないが、UAPタスクフォースでの4年間に渡る調査を通じて、そのプログラムについて知っているとされる何十人もの当事者、目撃者にインタビューした。”

と語っています。

グラシュ氏は2021年7月、彼が国防総省監察総監に、連邦政府の監督権限が及ばない極秘のUAPプログラムに資金を提供するため、連邦政府の資金が犯罪的に不正流用されたとして内部告発したことから始まっています。

グラシュ氏の暴露を最初に報じた『Debrief』も、グルシュの告発がリークされ、同じ年に「その暴露に関連した数ヶ月の報復」(見知らぬ車が自宅前で停止し監視していたり、正体不明のドローンが自宅上空に対空など数々の脅迫、嫌がらせがあった模様)が続いたと報じています。

グラシュ氏はその後、情報コミュニティ監察総監部(ICIG)に内部告発による報復を申し立てました。グラシュ氏とプログラムについて直接知っている他の人々からの宣誓と裏付けのある証言の後、ICIGは申し立てを「信頼できる緊急のもの」とみなし、グラシュ氏の申し立てを議会に付託しました。

この事から、グラシュ氏の証言内容は今までのような告発や証言とは別次元に重要で信憑性があるという事になります。

グラシュ氏は、7月の議会公聴会でアンディ・オグルス下院議員(テネシー州選出)から宣誓質問を受けた際、米エネルギー省(DOE)がUAPのデータを収集していることを示唆したようですが、グラッシュ氏は公の場ではこれを確認しませんでした。この短いやりとりは以下の動画で見ることが出来ます。意外とナーバスで重要な事実があると言えるかもしれません。

米エネルギー省(DOE)がUAPについて知っているかもしれないことについて、グラシュ氏が議会の場で明確な回答を避けたのは、シューマー・ラウンズ修正案によって、少なくとも部分的には解決するかもしれません。

シューマー・ラウンズ法案によると、議会は、DOEとその前身機関が、UAP問題の秘密保持のために、1954年の原子力法を過度に拡大解釈していると考えているようです。

上院はDOEの争点となっている“解釈”が、何であるかを明らかにしていません。その答えは、政府の秘密をめぐる法律の隙間の中にあるのかもしれません。

政府は通常、大統領令13526のような大統領令の権限に基づいて機密を管理している。この標準的な枠組みの下で、官僚は文書に分類レベルをマークし、クリアランスと区分に基づいてアクセスを制限する。政府機関は特別アクセス・プログラムを作成し、”知る必要がある “人だけに極秘情報を開示することができる。Debriefのティム・マクミランが調査したように、これらの情報管理システムは非常に複雑で簡単には辿り着けないようになっているようです。それだけ闇も深いという事でもあります。

UAP Registerによると、DOEには秘密情報を管理する特別な権限があるようです。1954年の原子力法(AEA)に基づき、DOEは “制限データ “と呼ばれる原子力関連情報をどうするかについて、唯一の決定権を持っているとの事。

政府職員がそうするまで情報が機密扱いされない標準的な手順とは異なり、制限付きデータは “生まれながらの秘密 “という事になるようです。言い換えれば、門外不出という事でしょうか。

DOEに独占的な権限を与えるだけでなく、原子力法(AEA)はその規定が制限データに関連するすべての事項に関する最終的な法律であると明言。つまり、他の法律が原子力法(AEA)の情報管理規則と矛盾する場合、DOEを含む政府は原子力法(AEA)に従わなければならないようです。この原子力法(AEA)最優先規定は、大きな意味を持つ事になります。

原子力法(AEA)には、“制限されたデータ”に「UAP=UFO」が含まれると明確に定義するものはありませんが、UAP情報の側面は、“制限されたデータ”という曖昧な定義で捕捉されるかもしれません。

原子力法(AEA)では「制限付きデータ」を「特殊核物質」「原子兵器」の2つのカテゴリーに分類される情報と定義しています。

ジェシー・ミケルスとの最近のインタビューで、デヴィッド・グラシュ氏は、AEAの特殊核物質カテゴリーに基づき、UAPとDOEの関係を推測しています。

グラシュ氏によれば、墜落したUAP=UFOの動力源などが放射線を発するのであれば、それは「特殊核物質」の定義に該当する可能性があると述べています。

しかし、AEAは特殊核物質をプルトニウム、ウラン233、ウラン235と狭く定義しているようです。原子力法は米エネルギー省(DOE)が他の物質をこの定義に含めることを認めているようですが、それは大統領と議会の委員会による一連の要請と承認を通じてのみだそうです。

UAPを「特殊な核物質」に分類することは、開示範囲を拡大し、記録の痕跡を残すことになります。極秘にしたい場合、そのような事をするか、、疑問ではあります。

UAP Registerによると、米エネルギー省の科学者であり弁護士でもあった故アーヴィン・クイスト博士は、1998年にオークリッジ国立研究所の分類責任者として引退、クイスト氏は情報分類の側面に関する多くの著作を残しているそうで、その著作の中でクイスト氏は原子力法(AEA)のTFNI(Transclassified Foreign Nuclear Information)規定が「外国に由来する原子エネルギー情報を“制限付きデータ”であることを明確に示唆している。」と書いているそうです。

クイスト氏は、1973年の原子力委員会の文書を引用し

「確かにこの法律は、外国の原子力計画に関する情報は原子力委員会によって特に削除されない限り、“制限付きデータ”であることを示している。」

と公式に述べているそうです。これが意味するのは「原子力」がUAPプログラムを隠すために使われる最も妥当な方法かもしれないという事になるようです。

UAPの情報は、TFNIの定義する「他国の原子力計画」に隠されているの可能性ですが、UAPと「放射線」の関係性に言及しているのは、グラシュ氏だけではありません。

スタンフォード大学のギャリー・ノーラン教授は、UAPと “UAPから発生するフィールド “に被曝した人々の脳障害を発見したと報告しています。

しかし、”他の国 “はどうなのでしょうか?UAP情報公開法では、20回以上も起源不明の技術や人間以外の知性に言及しています。このことは、米エネルギー省(DOE)が “他国 “を未知の、あるいは人類以外の起源を含むと解釈する可能性を示唆しているかもしれません。

UAP開示法では、DOEがTFNIをどのように解釈しているのか具体的な懸念を表明しています。DOEが何十年もの間、UAP関連情報をほぼ完全に管理してきたのは、このような理由からかもしれないようです。

以前に当ブログでも米エネルギー省の奥深くにUAP=UFO情報が埋没しているかもしれないという記事をご紹介しましたが、正に鍵は米エネルギー省かもしれません。

UAP Registerは、この法案に関する再三のコメント要請をDOEにしたようですが、回答はないようです。そして最近、内部告発者デイビッド・グルシュやシューマー・ラウンズ修正案などに対するDOEを調査する一環として、情報公開法(FOIA)を数回請求したそうです。

米エネルギー省とUAPの現在の関係について、公にはほとんど何も知られていませんし、日本国内の報道でもほとんど指摘された事はありません。しかし、エネルギー省の前任者たちが奇妙な現象に遭遇し、少なくともその研究に関心を示してきたという歴史的な証拠が文書で残されているようです。

原子力委員会(AEC)は、第二次世界大戦後のマンハッタン計画をきっかけに原子技術を管理するために設立されました。1974年、エネルギー再編法が成立、原子力規制は原子力規制委員会に移管、その後は原子兵器と特殊エネルギー開発計画の管理は、1977年にエネルギー省の一括担当となっています。つまり、核関連の秘密はほぼエネルギー省に集中しているわけです。

機密指定を解除された連邦捜査局(FBI)のある文書によると、ニューメキシコの原子力委員会施設、例えば、非核の国家安全保障技術を研究していたサンディア国立研究所、マンハッタン計画で重要な役割を果たし、後に水爆の開発に貢献したロスアラモス周辺などで、数多くのUAPと目撃や遭遇があったようです。

FBIのメモは、元NASA物理学者でUFO研究家のブルース・マッカビー博士によって入手され、UAP研究者ロバート・ヘイスティングスの画期的と言われた著書「UFOs and Nukes: Extraordinary Encounters at Nuclear Weapons Sites.」=UFOと核兵器:核兵器施設における驚異的遭遇事件(環健出版社)にも詳しく書かれているようです。

この著書では、米国の原子力発電所や核兵器工場職員、核兵器貯蔵施設などでの未確認異常現象(UAP)の歴史を網羅されています。日本でも翻訳本が発売されていて、非常に興味深い内容です。

そいて最近、NETFLIXで配信開始されたスピルバーグの製作会社アンブリン・テレビジョンとNETFLIX共同製作のUFOドキュメンタリー「Encounters ー遭遇ー」のエピソード1では、東日本大震災時に福島の上空に謎の発光体や、葉巻型の巨大な物体が出現したことなども取り上げられ、専門学者が

「彼ら(UAPの搭乗者)は、間違いなくこの地球の核関連施設に対して興味を持っている。」

と述べています。

以上のことから、核関連の秘密を一括管理している米エネルギー省の奥深くには、UAPの秘密は埋もれている可能性が高いかもしれません。そう指摘する専門家が多いのも事実です。🔚

via TheUAPRegister

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