政府関係者は、他の多くの種類の未確認異常現象(UAP)に加えて、世界中を飛び回る謎の金属球を目撃していると、水曜日に開催されたNASAのUAP独立研究チームの最初の公式公開会合で述べています。
公開会合では、より質の高いUAPデータを収集する必要性が強調され、このテーマを取り巻くスティグマ(汚名、嘲笑)が未確認現象を目撃してもキャリアへの影響を恐れて、報告をしにくくしていると懸念。
実際に、NASAのUAP研究チームの複数のメンバーが、この分野での研究に携わった結果、嫌がらせを受けていることを明かしているようです。
NASAの科学ミッション本部副本部長であるニッキー・フォックスは、会議の中で、
“パネリストがこのテーマを研究しているために、オンラインで直面した嫌がらせを聞いて、本当に落胆している。NASAはパネリストを支持し、こうした嫌がらせ行為は許容出来ない。このようなハラスメントは、UAP分野のさらなる汚名につながり、科学の進歩を著しく妨げ、この重要なテーマを研究する他の研究者の意欲をそぐだけです。”
と述べています。NASAが公の場でUAP=UFOに対しての嘲笑、汚名に対して公然と批判し、このような傾向を改善しなければならないと言及したのは、大きな転換と言えます。
NASAの独立UAP研究チームは、ほとんどが未分類(非機密化された物のみ)データを用いて、厳格な科学的基準でUAPの起源と性質を調査することを使命として、2022年に招集されました。
NASAや国防総省などの他の機関は、現在では広く知られているUFO(未確認飛行物体)の代わりにUAPという用語を使用していますが、これは研究対象の範囲を空中領域から海洋、宇宙、地上の不可解な現象に拡大するためでもあるようです。
NASAのUAP研究チームは、NASAの宇宙飛行士スコット・ケリー、海洋学者のポーラ・ボンテンピ、プリンストン大学の天体物理学者で研究委員長を務めるデイビッド・スペルゲルなど、さまざまな経歴を持つ一流の研究者16名のメンバーで構成されています。
しかし、NASAの公聴会では、NASAがペンタゴンの公式UFO調査官と“極秘のUFO事件”に関して緊密に協力することも明らかにされています。
カークパトリック局長によると、国防総省は「NASAエンベッド」と緊密に協力しており、“機密扱いのUAP事件”で、彼らの専門知識によって軍の調査官が謎の機体や事件の全容を特定するのに役立つと認められた科学者が働いているとの事です。これが公にはされる可能性は低いかもしれません。
昨日の公開されたライブ・ストリーミング会議では、この研究の主要な結果の一部が紹介され、米国防総省の全領域異常解決局(AARO)のショーン・カークパトリック局長が、地球上のさまざまな場所で目撃された原因不明の金属製オーブ(球体)の興味深い報告を行いました。
この発表は、カークパトリック局長が4月に上院軍事委員会に出席し、2022年に中東での定期任務中に米軍のMQ-9 Reaperドローン偵察機が撮影した、金属球の物体の1つの画像について説明した事を受けてのものです。
カークパトリック局長は、
“これは、私たちが最も多く見ているものの典型的な例です。我々は世界中でこのようなものを目撃しており、明らかに操縦されているもので、非常に興味深い。しかし、この物体は謎めいた技術的能力を示すものではなく、空中の安全に対する脅威でもないことを指摘しておきたい。我々はまだそれ以外のデータを持っていません。何らかの結論を出すことができるようになるには、より大きな分析を行うことができる類似の物体に関するより良い解像度のデータを得ることができるまで、時間がかかりそうです。”
更にカークパトリック氏は、AAROが「UAPの目撃情報のための専用センサー」を配備する計画だそうで、これまで通常の任務の中でUAPの証拠を拾ってきた、既存の軍事防衛センサーとは独立した装置です。」と述べています。
AAROに報告された未確認飛行物体の大半は、容易に説明可能な出所のありふれた特徴を示しています。AAROが保有する多くの目撃ケースは今のところ技術的には、未解明のままですが、これは主に関連するデータの不足によるものだそうです。
また、カークパトリック局長は、米国西部で航空機の訓練中に目撃され、民間航空機と仮認定されたUAP映像も新たに公開しています。
“AAROには月平均50~100件のUAPの報告を受けているが、2月の中国のスパイバルーン事件やスターリンク衛星の打ち上げなど、通常とは違う事が起きた際は目撃情報が急増することもある。報告されたUAP目撃情報のうち「本当に異常なもの」と判明するのは2〜5%程度”との事。
カークパトリックAARO局長は
“潜在的に異常な特性を示しているいくつかのケースのために、AAROは最高レベルの客観性と厳密な分析でこれらのケースにアプローチしています。AAROは、NASAが主導することを望む可能性のある科学的研究分野を議論するために、適切に承認されたNASAのチームメンバーとこれらのケースを共有しています。”
と述べ、NASAとも情報共有を行なっているそうですが、またも曖昧なグレーな報告になっています。
そして、ジョシュア・セメター(ボストン大学宇宙物理学センター所長)は、2017年に突如リークされ、その後米海軍が戦闘機から撮影されたと認めたUAPビデオ映像3つの内の一つである「Go Fast」ビデオで海面上を飛ぶ物体は、時速40マイル(約64km)しか出ておらず、これは高度13Kフィート(高度約4000m)での風速と一致すると説明しており、レポートではこのビデオに映っている物体をバルーンかドローンの類としたいようです。
研究委員長のデイビッド・スパーゲル氏は
“現在の既存のデータと目撃者の報告だけでは、すべてのUAPケースの性質と起源について決定的な証拠を提供するには不十分です。また、品質管理やデータの管理が不十分なため、情報が得られないことも多いのです。UAPをよりよく理解するためには、ターゲットを絞ったデータ収集、徹底したデータ管理、そして確実な分析が必要です。このようなアプローチは、説明のつかないUAPの目撃情報を見分けるのに役立ちますが、それでもすべての目撃情報が完全に説明される保証はありません。”
と述べています。
非機密化されたデータだけでもこのような状況なので、機密化されたデータも含めた場合、全く解明すらままならないという事も可能性がありそうです。
水面下では機密データの調査、研究もしているのかもしれませんが、おそらく公には公開されない内容が多く含まれたもので、非機密データ中心の調査ではありふれた結果になる事は予想されますね。
しかし、興味深い発言もありました。
今回のパネルのメンバーの一人、宇宙生物学者でNASAの宇宙探査戦略のアドバイザーでもあるデビッド・グリンスプーン氏は、今日の公開ミーティングにおいて
“広大な宇宙で地球外生命の「バイオシグネチャー」や「テクノシグネチャー」などといった高度文明の活動の痕跡を探すことが、UAPの調査を支援し協力する上で重要な役割を果たします。現在のところ、UAPの地球外起源を示唆する証拠はありませんが、これらの既存のNASAプログラムは、「この問題」に関連しています。
太陽系で異星人文明が作った『地球外人工物』を見つけることは『当然の事』だ。NASAは、将来の惑星探査ミッションの中で、そのような人工物の探索と特定を試みるべきだ。”
と述べ、今回のパネルメンバーの中では最も宇宙にまで拡大し意欲的に言及した1人でした。
研究チームは、より質の高いデータの収集と、より効率的な情報共有システムの構築に向けた提言を報告書に盛り込み、今夏以降に完全な報告書として一般に公開される予定だそうです。
今回の会合を受けて、元米海軍のパイロットで2014年に米国、中東などで頻繁にUAPに遭遇した事実を、現役海軍パイロットとして初めて公表したライアン・グレーブス氏は、
“これは、正しい方向への一歩であることは確かです。私たちの機関、特に科学的な専門機関がより多く関与することが、このテーマを前進させることになるでしょう。”
と述べてポジティブに受け止めています。
グレーブス氏は、UAPなどを目撃した軍、民間パイロットらがキャリアを脅かされたり、嘲笑、侮辱される事なく、パイロットがよりオープンに目撃した事実を証言出来る団体を設立して活動しています。
グレーブス氏は、現役海軍パイロット時代、米国の訓練区域で数年間、ほぼ毎日のようにUAP物体を目撃したと証言、派遣先の中東でもUAPと遭遇した事を、米の有名な調査報道番組「60minutes」でも明かしています。
2004年に起きたニミッツUAP遭遇事件では、米海軍のパイロットのデイビッド・フレイバー氏とアレックス・ディートリッヒ氏が、目の前で煙のように消えてしまったかのように、急加速して飛び去った全長約12mの白いTIC-TAC型(アメリカで有名なラムネ菓子の形状に似ている事からの呼称)の物体を目撃した事も上の60minutesの番組内で証言しています。
しかもその物体を米海軍の空母打撃群が高精度のセンサー、レーダーで補足し記録しており、当時のシニアレーダー技師が証言しています。
更にその記録データが事件後数十分でヘリコプターで飛来し空軍の制服を来た連中に持ち去られた事を、当時のデータ管理担当でデータドライブを渡した乗組員本人が証言しています。
この事から、明らかに高精度で詳細で正確なセンサーデータが実在しているにも関わらず、空軍がデータを持ち去り(隠蔽?)、そして国防総省の調査チームは正確なデータが足りない。と述べているあたりで、違和感と同時に闇の深さを感じますね。
おそらく空軍の一部の人間は何らかの事実を知っていると思われますが、空軍は米議会での調査に非協力的な姿勢を貫いています。
この状況証拠から感じるのは、やはり米空軍?の革新的なドローン?航空機で、公にしたくないのと、他国には明らかにしたくない安全保障上の問題でもあるので、機密化、そして有耶無耶にしていると考えるのが自然ではあります。
隠す側からすれば、「未確認飛行物体」「エイリアン」としておけば、都合が良いのです。少なくとも半世紀以上、軍はそうやって隠蔽した事は事実です。
公開機運は高まってはいますが、この低調な公聴会の繰り返しでは期待出来そうにもなさそうです。🔚
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