先日5月24日に、『ベター・コール・ソウル』のシーズン6（ファイナルシーズン）の前半の最終話である第7話が衝撃のラストで終わりました。共同製作者のピーター・グールド氏の予告通り、クリフハンガー（どうしても次の回が見たくなるような終わり方）でした。
シーズン6の後半は、7月11日（日本は7月12日夕方からNETFLIXで配信？）から再スタートし、残り6話で全13話構成（IMDB）となっているようです。
インサイダーが、前半を振り返って、いくつかの見逃していたかもしれない重要なポイントを紹介しています。今回が最後の3回目のご紹介となります。
留意点として、これから触れる内容は、「ベターコールソウル」シーズン6のネタバレとなる内容に触れており、まだ見られていない方は、みないことをオススメします。念のためここで警告し、行間を空けておきます。
マテオは最初からラロの替え玉として住まわされていた。。
シーズン5の最終話で、ガスが仕向けた傭兵の襲撃を辛くも逃げ切ったラロ・サラマンカが、最初に訪問した家に居た「マテオ」とその妻を殺すことに決めたのは、ラロがたまたま衝動的に殺したものではなかったようです。
「ベター・コール・ソウル・インサイダー」のポッドキャストで、製作チームは、
“ラロ・サラマンカは、いざという時の保険として、マテオをサラマンカ地区に住まわせ、彼のボディダブル(替え玉)として置いておいたのです。しかし、マテオは自分がラロのボディダブルという役割を担っているという事に、全く気づいていないのです。”
演出にもそれが垣間見れます。まずラロは、テーブルの上にあったハサミをバラして握りしめ、映像はマテオが髭を剃っているバスルームに顔を出すラロが映りますが、その時点でマテオの妻は既に殺害されているでしょう。
ラロの助言に従い、髭を剃って整えた鏡に映るマテオは、ラロに似ています。そしてラロは「男前だ」と言いニヤッとした後、徐々に冷徹で恐ろしい表情に変化していくのが映し出されるのは、マテオのその後の悲惨な運命を現しているわけです。
グールド氏は、マテオが実はラロの替え玉だと自分の立場を自覚し、認識させるべきなのか、、何度も話し合ったそうです。
“マテオと妻は、正直で良い人なので、ラロには色々と世話になっており、とても感謝しているのです。しかし、今、その代償を払うときが来たという事ですね。。”
とグールド氏は述べています。結果的には、マテオは自分の置かれた立場を知らずに殺されてしまう事になるわけです。。
シーズン6 第1話のマテオの家のシーンを見直すと、ラロとマテオの妻との歯医者の話、髭の話など一見たわいもない会話から、ラロの冷酷さが改めて浮き彫りに。
マテオの妻が、夫を歯医者に紹介してくれたラロに感謝したり、ラロがマテオに俺のような髭にしたらどうだ？と髭を剃るを事を進める会話は、マテオがラロの替え玉であることを知らないと、普通の会話に聞こえます。
ところが、ラロがマテオに歯医者を紹介し行かせたのは、シーズン6の第2話で見た歯の記録のように、後で自分の歯の記録とマテオを一致するようにしていたのです。
一見、面倒見の良い親切なラロに見えましたが、実は全てが自分のボディダブルに仕立てるためのお膳立てだった事を考えると、ラロという人物がいかに身勝手で冷徹で、残忍な男かがよく分かるエピソードだと思います。
シーズン6 第7話のラロが潜んでいた下水道にいるゴキブリは、ジミーを象徴しており、ラロ・サラマンカがジミーとキムの住むマンションに向かうきっかけとなっている。
「Better Call Saul Insider」ポッドキャストで、ピーター・グールドは、
シーズン5第8話、ラロ・サラマンカの保釈金を受け取って戻るはずのジミーが、一晩経過しても戻らないことを心配したキムが、ラロ・サラマンカと拘置所で面会した際に、ラロ・サラマンカはジミーのことを“ゴキブリ”の様に生き残るサバイバーと表現した事を指摘しています。
つまり、ラロはジミーの事を“ゴキブリ”のようにしぶとく生き残る奴と見ているわけです。
下水道でラロがゴキブリを見たことで、それまで頭からスッ飛んでいたジミーの事を思い出し、結果的にラロはジミーとキムの住むマンションに向かい、あの悲劇が起きてしまうのです。
シーズン5−8でジミーがラロの保釈金700万ドルを受け取り、拘置所に保釈金を運んでいる最中、ジミーが襲撃されマイクが助けましたが、マイクの車は銃撃戦でガソリンタンクを破損し、ジミーの車はオルタネーターを破損し走行不能になってしまい、已む無く車を乗り捨て、生死の境を彷徨いながら灼熱の荒野を渡り歩き、なんとか戻ってきたのです。
ラロが「どうしてそんなに時間がかかったのか？」と聞くと、ジミーは車のトラブルで砂漠を一晩中歩いたと、嘘の話を作りました。ラロはその話を信じず、砂漠で弾痕だらけの車を見つけ、ジミーが嘘をついていると考えました。しかし、その時はキムの度胸と機転でラロを押し返す事が出来ました。
しかし、ラロにとって最大の敵でもあるガスとマイクが組んでいることを知った今、ラロはもうジミーの言い分には納得しないでしょうし、冷静に引き下がることはないでしょう。ラロは現時点でガスへの復讐の鬼と化しているからです。
この事からもキムとジミーは、もうこの件で嘘をつき通す事は出来ないかもしれませんし、前回のような展開にはならないでしょう。前回のラロの訪問時とはラロの置かれている状況が違うのです。現在のラロは非常に危険な状態なのです。
しかもシーズン6前半の最終話の第7話では、目の前でハワードが殺されてしまった事を考えると、7月12日から再開する第8話は悲劇的な展開を予想する声もありますし、そうならないだろうという予想もありますが、気になってしまいますね。。
ピーター・グールド氏は、残り6エピソードはどれもクリフハンガーとなることを仄めかしています。再開後も視聴者は長い6週間を過ごすことになりそうです。。
しかも、『ブレイキングバッド』のウォルターとジェシーも出てくる事が公式確定しているので、その意味でも残りの6エピソードは非常に中身の濃い内容になりそうです。。🔚
via インサイダー
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