米国の上院議員4名が、マイクロソフトとアクティビジョン・ブリザードの合併案について懸念を表明するため、連邦取引委員会(FTC)に6ページに渡る書簡を送付したようです。
MicrosoftがActivision Blizzardを687億ドル(当時のレートで約8兆円)で買収する意向であることが今年の1月に発表されましたが、これはゲーム業界では過去最大の買収額でもあり、Microsoftの買収規模としても最大規模です。
Microsoftは、この買収案が米当局から承認されれば、Call of Duty, Warcraft, Overwatch, Crash Bandicoot, Guitar Heroなどの有力フランチャイズを傘下に置く事になり、ゲームパスなどにこれらの強力な新作群を発売初日からリストに入れる事も可能になります。
現在、FTCはこの買収案が反トラスト法に該当するかどうかを判断するため、審査が開始されており、買収規模があまりにも巨大な為にその審査は長期間に及びます。
そして木曜日に、エリザベス・ウォーレン、バーニー・サンダース、シェルドン・ホワイトハウス、コーリー・ブッカーの米上院議員らが、FTCのリナ・カーン議長に書簡を送り、この取引がActivision Blizzardにおける社内での性的不正行為と差別問題の疑いで「今回の買収案が、説明責任を求めるアクティビジョン社員主導での要求を脅かす」ことへの懸念を表明しました。
書簡を見ると、「この合併案は、すでに組合結成の努力を妨げ、説明責任を求める労働者の声を損なっている。」と書かれています。
更に、アクティビジョン・ブリザードの従業員1,800人以上が、組合の主要な要求の1つである、同社CEOであるコティック氏が組織からの退任を求める書簡に署名しています。
マイクロソフトが提案したActivision Blizzardとの契約では、コティックCEOが買収完了予定とされる2023年(6月?)までにCEOの座に留まり、それまでに数億ドル(数百億円)の利益、もしくはコティックCEOが自発的に退任しない場合でも1450万ドル(約17億円)を超える追加のゴールデンパラシュートと呼ばれるボーナスが保証されています。
これは、「株主や従業員、世間からコティックCEOが作り上げた?悪しき社内文化に対して責任が追求されている状況下で、このようなマイクロソフトの買収提案内容(特にコティックCEOへの高額報酬などの待遇)は容認できない。」という事のようです。
確かに、数々の訴訟が起こされている中で、コティックCEOに対して多額のボーナスが保証されているのは、被害者感情からも納得出来ないのかもしれません。しかし、これらのボーナスはアクティビジョン・ブリザードをここまで大きくしたコティックCEOへの評価、報酬としてコティックCEOが受け取れる権利でもあるので、難しいところではあります。コティックCEOがこれらの報酬を辞退し、被害者の補償へ充当するとなると、多少話は変わるかもしれませんが、、
今回のこの問題は、今後のFTCの買収審査に対して大きな悪影響を及ぼしかねない事であり、マイクロソフトにとってみれば厄介な問題でもあるので、マイクロソフトとしても難しい対応を迫られそうです。🔚
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