3月25日に発売された『Ghostwire Tokyo』ですが、バイオハザード生みの親でもある三上真司氏率いるTango Gameworks(現在はベセスダと共にXbox Gameスタジオ傘下)が、今までのタイトルとは全く違う、新しい方向性を打ち出しているようです。
テック解析で知られるユーロゲーマーのデジタルファウンドリーがPS4とPS5での動作検証、そしてゲーム評価のビデオを公開しています。
まず、本作の特徴としてPlayStation 5 とPC でのみ発売されるタイトルで、前世代機には対応していない事です。
グラフィックス面で注目は、ハードウェア・アクセラレーションによるレイトレーシングなどの最先端の機能も利用されています。Tango Gameworksは、今までidTechをベースとした自社製「STEMエンジン」を使用してきましたが、本作ではUnreal Engine 4へと移行しています。
この自社エンジンからアンリアルエンジンへの移行という流れは、CD Projektもそうで先日「The Witcher」の新作発表の際に、今までの自社エンジンからアンリアルエンジン5で開発する事を発表しています。
DFが今回公開したビデオではPlayStation5版のみの検証しています。PCについては別途取り上げるとの事です。
「Ghostwire Tokyo」は公式のグラフィックモードは6種類ですが、非公式な組み合わせも含めると、全部で10種類もあるようです。
ゲームは、Far Cry に非常に似たコア・デザインになっているようです。メインミッションがあり、そこにサイドミッションやその他の探索要素も豊富に組み入れられ、Ubiのオープンワールドゲームのマップのように、プレイヤーがこなさなければならない多くのアイコンが埋め尽くされ圧倒されるゲームだそうで、UBI系オープンワールドが好きな人には違和感なく入り込めるのではないかとの事。
本作は、一人称視点のゲームで、ゲームメカニクスの面でもよく出来てはいるものの、残念なのはコントローラーの反応レスポンスが鈍いようで改善してほしいポイントになっているようです。
これは、アナログスティックの加速・減速カーブのチューニングが悪いのかもしれないとの事です。機能豊富なメニューシステムでカスタマイズは可能なようですが、インターフェイス操作などを快適なレスポンスにするにはまだ不十分のようです。
ゲームのグラフィックは主に雨で路面が濡れた街なみで構成されており、ハードウェア・レイトレース反射のために作られたようなものとの事。
唯一の欠点は、ガラスなどの透明な表面にマッピングされた反射は、スクリーン・スペース反射(キューブマップ)が採用されているようです。
ハードウェア RT はシャドウにも適用されるようですが、非常に限定してスポット的に使われているようで、あるオブジェクトは RT(レイトレーシング)を使用、他のオブジェクトは使用せずといった感じで、負荷とのバランスを考えてスポット的に採用しているようです。
当然ですが、PC版ではより高精度なハードウェアRTの効果を選択することが出来るようです。PS5版の品質プリセットは「低」レベルではあるようですが、それでも素晴らしい出来栄えではあるとの事。
これは、アンリアルエンジンの SSGI (ソフトウェア レイトレーシングを使用した、スクリーン・スペース・ベース・グローバル・イルミネーション ) にも当てはまるようで、PS5版、PC版にも搭載されていますが、PS5ではパフォーマンス向上のために、より低い品質のエフェクトが適用されているようです。ま、これは仕方ないと言えるでしょう。
本作には6種類のレンダリングモードがあるようですが、60Hzと120Hzのオプションを加えると、実際には10種類から選ぶ事になるようです。
基本的にはクオリティモード、パフォーマンスモード、そしてHFR(ハイフレームレート)モードがあります。HFRモードでは、ユーザーはVシンクを使用するか、完全にオフにするかを選択できます。PS5のダッシュボードで120Hzのサポートをオフにし、代わりに60fpsのHFRを実行するように強制することができるようです。
30fpsで動作し、ハードウェアRT効果とともに最高の解像度とグラフィック品質を実現する「60Hzクオリティモード」では解像度が1800Pのようです。しかし、16.7ms〜50msのフレームタイムもあるようで不要なジャダーが発生し『Ghostwire: Tokyo』の動作レスポンスが遅くなるので、このような事を気にする場合は、このモードはお勧めできないとの事です。
60Hzのパフォーマンスモードは1440p付近の静的解像度(AMD FSRを使用して2160pにアップスケールしている模様)で、レイトレーシング効果は無効になっているようです。動的な解像度のスケーリングが有効ならば、実際は更に良いパフォーマンスが出ているのかもしれないとの事。
60fpsを下回る動作は、PS5のVRR(可変リフレッシュレート)ディスプレイのサポート(数ヶ月以内に対応とソニーがアナウンス)が、ゲームプレイに大きな違いをもたらす可能性があると言えるかもしれません。
ハイフレームレート(HFR)モードは、主に120Hzのディスプレイをターゲットに設計されているようで、フレームレート上限を解除してゲームを60fpsより速く動作させることが出来るとの事。
HFRクオリティモードは、ハードウェアRTで1080P解像度くらいで動作し、60-70fps前後で推移するようですが、それ以下に落ち込むこともあるようです。
HFRパフォーマンスモードでは、解像度はそのままに、RTが削除。例外的な状況を除いて、フレームレートはほぼ60fpsを上回って推移するようです。
どちらのHFRモードでも、Vシンクのオン/オフを選択可能。Vシンクオンでは、全体的なパフォーマンスが低下、Vシンクオフでは酷いティアリングが出ていますが、パフォーマンスは向上しています。
PS5本体で120Hz設定をOFFにすると、非公式なHFRオプションにアクセスできるようになるようです。これは、HFRモードを60fpsに制限し、最も安定したパフォーマンスになるようです。重要なのは、Vシンクオフはティアリングが本当に酷いので、「Vシンクオン」がベストとの事。
これでRT機能が削除され、解像度は低くなったものの、HFRパフォーマンスモード(上限60fps)は最もスムーズな体験となりますが、全体のバランスを考えると、HFRクオリティモードがオススメとの事。
DFは、もっとシンプルで分かりやすいグラフィックオプションに簡単に変更すべきではないかと指摘しています。
最終的に、「ゴーストワイヤートウキョウ」は評価できる点が多いものの、もっとすべきことがあるように感じるとの事。
前述のように、コントローラーのレスポンスの改善、ゲームの30fps上限設定も修正すべき点として挙げられています。DFは、これらの問題は何年も前にアンリアルエンジン4では解決されているのに、なぜ本作ではこのような現象が起こるのか不可解だとしています。
60Hzパフォーマンスモードはあまり安定しておらず、おそらく動的な解像度スケーリングシステムを導入する(またはすでに導入されている場合は範囲を調整する)べきで、PS5のVRR 対応が実現するのを待っている化のようだとも指摘しています。
Tango Gameworksの前作『The Evil Within』とはまた別の意味で、ゲームメカニクスの面でも評価できる点が多く、見事なモーションブラーで強調された一人称視点のアニメーションも良いようで、EPIC Gamesの技術とTango Gameworksのユニークなビジョンが融合され、美しいゲームが誕生したと評価しています。
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