2021.12.04 Update:RTINGSがSONY A90Jの評価記事の記述を修正したので、一部修正。
TV、モニターの詳細な分析、レビューで名高いRTINGS.comが90台のTVを最新テストし、2021年ベストTV 5機種を選出しています。
自分が満足出来るTVを購入するには、テレビでどのような映像を多く見るのか、どのような環境の部屋に置くのかが重要なポイントになります。
現在のテレビの映像パネルには有機EL(OLED)とLED(液晶)の2種類がありますが、液晶にはVA、IPSなど、OLEDにもそれぞれに長所と短所があり、全てが完璧なテレビというものは現状存在せず、自分の用途や、機能や好み、設置環境に合った機種を選ぶ事になります。
RTINGSによると、「一般的に、最低価格帯の4Kテレビでもそこそこの画質は得られる。」そうです。そして、上位機種はネイティブ4Kコンテンツの視聴やゲームを高品質に楽しむなど、能力をフルに発揮する使い方をする場合という事になる。としています。
ベスト有機EL TV: LG C1 OLED
RTINGSがLGのOLED C1を「有機ELカテゴリーでテストした中で最も優れた購入すべきTV。」としています。
LG C1 OLEDは、ほとんどのユーザーが満足できる圧倒的な画質を実現しているようです。4系統のHDMI入力端子全てがHDMI 2.1に対応しているのは、国内メーカー機種にはない特徴ですね。更にVRR(可変リフレッシュレート)、ALLM(自動低遅延モード)、nVIDIA G-Sync、AMD Free Sync Premium、ゲーム専用のUIゲームオプチマイザーなど、ゲーマー向けの機能も超充実しています。
また、コンパクトなラックにも設置出来るヘアライン仕上げのセンタースタンドを採用しているので、「どのような場所に設置しても違和感のないデザインに仕上がっている。」との事。
「有機ELの特徴は、個々のピクセルを完全にオフにすることができることです。つまり、無限に近いコントラスト比を持ち、黒レベルが完璧で、明るいオブジェクトの周囲にブルーミングが発生しないのです。各ピクセルが全方向に発光するため、どこに座っても画像が正確に保たれます。」
これは液晶TVにはない、有機ELの大きな利点でもありますね。
「DVDやケーブルテレビなどの低解像度コンテンツのアップスケーリングも問題はなく、ネイティブの4Kコンテンツの表示にも問題はありません。日中にテレビを見たい場合は、素晴らしい反射処理をしてくれます。」
LGのTVのアップスケーリングは昔は問題もあったようですが、現在は問題ないようです。
しかし、「悲しいことに、有機ELには常に焼き付きのリスクがありますが、ニュースのような静止的要素を持つコンテンツをたくさん見るのでなければ、問題になることはないでしょう。」との事。
これは、有機ELの宿命というか、仕方ない事ではありますね。。レビューでも触れていますが、ニュースやTVなどで決まった位置に固定して静止的な要素があるソースは要注意ですね。これはゲームでも同様ですが、ゲームの固定UI画面を相当な時間表示したままにしない限りは、大丈夫なようです。
C1は、HDR10とDolby Visionに対応していますが、HDR10+には対応していません。RTINGSによると、「C1は、残念ながらあまり明るくないので、ハイライトの明るさを引き出せないかもしれません。それでも無限に近いコントラスト比によって、印象的なHDR体験を提供できます。また、広色域ではありますが、すべての色をうまくマッピングしているわけではありません。ほとんどの人は気づかないと思いますが、一部の色が不正確に見えることがあります。しかし、これはHDRで可能な限り最高の映画体験をしたい場合にのみ問題となりますが、それでもその優れたオールラウンドな性能を楽しむことができるはずです。総合的に見て、私たちがテストした中で最高のテレビの一つです。」
と評価しています。
LG OLED C1が素晴らしいのは、10月27日のファームウェア・アップデートで、Xbox Series Xの4K 120Hz Dolby Visionゲーミングにも対応(PS5は非対応)した事も特徴です。(G1、CX、GXのOLED TVも対応)
LGは、マイクロソフトとXbox Series Xオフィシャルパートナーとして提携もしていますので、そういった点でも、これらのゲーミング機能へのフットワークの軽さ、迅速さは素晴らしいと思います。これは、国内メーカーも是非とも見習って欲しいですね。。
RTINGSは、この他にベストPS5用 4K TV、ベストXBOX Series X用 4K TVとしても、このLGのOLED C1を選出しています。
記事でも指摘されているバンディングはネットでも話題になっているようですが、LGのOLED C1を使っている友人(映像マニアではない)の話では気になった事はないかな。と言っていました。
映画中心オススメ有機EL TV:ソニー ブラビア OLED A90J
映画メインでのオススメ有機EL TVとしてソニーブラビアの 「A90J」が選ばれています。記事では、
「LG C1 OLEDのような充実したゲーミング機能はなく、今後のファームウェアアップデートで搭載されるかもしれませんが、入力遅延が大きいためゲームには向いていません。」
(2021.12.03 Update:RTINGSがA90Jの評価内容全般を修正しており、特にゲームに関する記述が修正されています。以下が修正されたゲーム機能に関する記述です。)
「ゲームに関しては、機能が充実しているとは言えませんが、可変リフレッシュレート(VRR)に対応したアップデートが開始されています。」
「HDRでは明るくなるので、ほとんどの小さなハイライトが製作者の意図通りに際立ち、出荷時の精度が格段に向上、グラデーションの処理も改善されているため、色を正確に表示しバンディングも発生しない。」
との事。
「A90Jは、ドルビービジョンには対応していますが、HDR10+には対応していないため、一部のコンテンツはHDR10に限定される可能性がある。」
とも指摘されています。
「有機ELパネルを搭載したテレビの中で最も優れた製品を探しているならば、LGに間違いはありませんが、より優れた映画体験を求めるならば、ソニーを選択しても良いでしょう。」との事。
ベスト液晶TV「Samsung QN90A QLED」(量子ドットVA液晶、ミニLED)
サムスン QN90A QLEDは、「RTINGSがテストした液晶パネルを搭載したテレビの中で最も優れた製品。」との事。
液晶テレビの利点は、有機ELよりもはるかに明るくする事が出来るという利点があり、有機ELのような常に付き纏う焼き付きの心配する必要がないので、お気に入りのニュースチャンネルなどなど、ソースを問わず一日中つけっぱなしにしていても焼き付く心配もなく大丈夫な事です。
そして、「ゲームでも、暗い環境での映画鑑賞でも、深い黒を表現する高いネイティブコントラストを備え、120HzのパネルとHDMI 2.1入力、そしてPS5やXbox Series Xの4Kゲームを最大120fps、VRR、ネイティブFreeSync、G-SYNCにも対応しており、ゲームに最適。」としています。
ゲーマーにとっては、ラグが少なく、操作レスポンスが速いことはありがたい事です。そしてローカルディミング機能も充実しているものの、ゲームモードでは黒レベルが上がってしまうようで、あまり効果的ではないとの事。明るい部屋で使用したい場合は、非常に明るくなるミニLEDバックライトを搭載しています。
しかし、残念ながら、コントラストを犠牲にして視野角を向上させる「ウルトラ・ビューイング・アングル」レイヤーを採用しているため、一般的なVAパネルテレビよりもコントラストが低くなっているようです。
私が現在リビングでTVや映画視聴で使っている、ブラビアの85インチX9500GもXワイドアングルを採用したモデルで、コントラストが若干犠牲になっているようですが、単体で見て使用している限りではそのような印象はあまりありません、
また、画面の均一性に問題があるようで、スポーツや映画のロングパンなどのシーンで画面の汚れが気になることがあるようですが、これは機器によって異なるとの事。全体的には、「RTINGSがテストした液晶パネルを搭載したテレビの中で最も優れた製品。」だそうです。
しかし、サムスンのTVは日本では売っていないのですが、一応RTINGSにベスト液晶TVとして演出されているので、ご紹介しました。
ベスト廉価TV:HISENSE U8G(量子ドットVA液晶)
より安価なテレビのベストチョイスとしては、「Hisense U8G」が選出されています。視野角を拡大させる「ワイドビューアングル」のような技術は採用されていないようで、サムスンのQLED「QN90A」より視野角はかなり悪いようです。
しかし、その恩恵でネイティブコントラスト比は高く、より深い黒を実現しているとの事。また、ローカルディミング機能は、ゲームモードの中でも外でも素晴らしいようです。HDMI 2.1入力、VRR対応など、ゲーム向け機能も充実。応答速度は速いのですが、ゲームモードでは赤系のゴーストやモーションアーチファクトが気になるという問題があるとの事。
ドルビービジョンとHDR10+の両方のフォーマットに対応し広色域の表示が可能で、十分な明るさでハイライト部分を鮮やかにすることができ、優れたHDR体験を実現しているとの事。
RTINGSは、「LEDパネルを搭載した最高のテレビを求めるのであれば、ミニLEDバックライトを搭載し、視野角も広いサムスンを選ぶのが間違いないが、より安価なものを考えているのなら、ハイセンスに満足するはずだ。」との事です。
ベスト・バジェット・テレビ:Hisense U6G(量子ドットVA液晶)
ベスト・バジェットTVには、HisenseのU6Gが選出されています。
Hisense U6Gは、RTINGSがテストした中で、一定の予算内で購入できる最高のテレビ。と評価しています。量子ドット技術を採用したテレビで、低価格にもかかわらず、高価な製品に匹敵する素晴らしい画質を実現しているようです。作りもしっかりしていて、50インチから75インチまで様々なサイズがあり、自分の用途に合ったものを選ぶことができます。
リモコンのマイクを使えば、AlexaやGoogleアシスタントも使用可能。画質は暗い環境でも明るい環境でも良いパフォーマンスを発揮し、ネイティブコントラストの高いVAパネル、そしてローカルディミング機能も充実しているようで驚くほど均一な深みのある黒を表示可能。映画鑑賞でも印象的なパフォーマンスを発揮するとの事。また、映り込みにも強いようです。
しかし、残念な事に上記のテレビのようにHDMI 2.1ではなく、HDMI 2.0端子採用なので、VRRにも対応しておらず次世代ゲーム機の性能をフルに発揮させる事は出来ないようです。
視野角は、VA液晶なので狭く、HDRのピーク輝度は平均的。ただし、深い黒、広い色域、優れたグラデーション処理で、素晴らしいHDR性能を実現しているとの事。「総合的に見て特に予算が限られている場合には、最高のテレビの一つ。」との事。
他にも、今回の5機種以外のモデルもソニーのA80J、TCL6シリーず、VIZIO Pシリーズ、ソニーX85Jなどなど14機種もRTINGSのホームページでピックアップされています。
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