VGCが面白い記事を書いていたので、一部ご紹介したいと思います。
2019年にGoogleは、ビデオゲームの革命を起こそうと同年のGDC(ゲーム開発者会議)でStadiaストリーミング・ゲーム・サービスを発表しました。当時のハイエンドスペックPCのハードウェアをサーバーに設置し、ローエンドデバイスでもクラウドを介してハイエンドグラフィックでプレイ出来るというものでしたが、悲しいことに、今回の革命はあまりにも大きすぎました。
Stadiaは、ユーザーがインターネットを介して様々なデバイスでプレイすることができる、フリクションレスなゲームプレイ手段として構想を描いていましたが、しかし、現実はそうは上手くいきませんでした。シリコンバレーのように高速インターネット環境を持っている人は世界的に見ればまだまだ限定的で、多くは高速な環境ではないのです。
この事実はさておき、GoogleはStadiaで、これまで以上にプレイしやすくなったゲームの未来のユートピア的な夢を描いて、多くの理想的な構想をアピールをしていました。そのビジョンは少しあやふやなものでしたが、いよいよグーグルが本腰を入れてゲームに取り組もうとしている姿勢を感じる発表でした。
ゲームのことをほとんど知らないと自認している社長のスンダル・ピチャイCEOが、GDCの発表会に来たこともあったそうです。
しかし、発売に向けてのGoogleの戦略には、「ファーストパーティのタイトル」がないという不安要素もありました。
ファーストパーティーのゲームの重要性は、そのプラットフォームでしかプレイ出来ないという売りにもなり、存在意義という意味でもユーザーを引き留めておくにも必要な存在です。
一般的にプラットフォームのハードウェアを最大限に活用するために、そのプラットフォーム専用で開発した人たちと密接に連携できるファーストパーティのスタジオが必要になります。プラットフォームに飛び込んできた人たちを本当に驚かせ、プラットフォームに来てくれたユーザーにお金を使ってもらうための強いタイトルが必要です。
Googleはファーストパーティ・スタジオ、Stadia Games and Entertainment(SG&E)を2019年10月にカナダのモントリオールにオープン。Stadiaがリリースされる1ヶ月前でした。Googleはまた、Typhoon Studiosを獲得し翌月にはカリフォルニア州プラヤビスタに別のファーストパーティの開発者を設立しました。
モントリオールスタジオが設立された際、Stadia Games and EntertainmentのボスであるUbisoftではアサシンクリード、そしてEAで活躍したJade Raymond氏は、Googleのスタジオが何を作るかを見るまでに「数年かかるかもしれない」と発言していました。このファーストパーティの開発が閉鎖されたことで、彼女のプロジェクトが何を開発していたのかを見ることができなくなりそうです。つまり、Jade Raymond氏はプロジェクトから抜ける事を意味します。
大作ゲームは、作るのに非常に長い時間がかかることは知られています。開発者がどのようなゲームを作ろうとしているかにもよりますが、Stadia Games and Entertainmentから何かが出てくるのを見るまでには、最低でも3年から4年はかかります。
グーグルは新製品にリスクを賭けることを恐れていませんが、その一方で、新製品の多くには実際に成功するために必要な時間を与えていないのも事実です。VGCによると、グーグルは新製品やサービスをリリースしてから平均4年後に手を引いてしまいます。これは、ビデオゲームの開発には理想的とは言えません。
実際、マイクロソフトはマインクラフトのMOJANGスタジオなどのスタジオ買収によって、「スタジオそれぞれ独自の文化があり、それを尊重し大切にする事と、忍耐強く投資続ける事を学んだ。」とXBOXボスのフィル・スペンサー氏、Xbox Game Studioのマット・ブーティー氏も述べています。
参考記事:【良記事必見!】マインクラフトとMojangがXbox(Microsoft)にスタジオの買い方を教えた方法。
しかし、Googleの親会社であるAlphabetは、財務報告書の中で一度もゲームサービスについて言及していません。四半期ごとの電話会議の中でも、投資家にゲームサービスがどのように機能しているかも触れていません。
VGCによると、Destiny 2のStadia上のプレイヤーベースがローンチ後数週間で50%以上も減少したとのことです。
Googleがこのような中途半端なゲームストリーミングをしているのは非常に残念です。この種のゲームストリーミングには、特に新興国市場には大きなチャンスがあります。インドのような大国は、これまでゲームをするために高価なコンソールやPCを買う余裕がありませんでしたが、最高級のファイバーインフラの導入とストリーミングのおかげで、それが可能になるかもしれません。
現在、世界中のインターネット網も徐々に改善されており、Stadiaのようなサービスを利用してゲームをプレイできる人が今後は増えていくでしょう。
Stadia自体が閉鎖されているわけではありません。Googleはコンテンツを作るのではなく、Stadiaというプラットフォームそのものにフォーカスすることにしたようです。
ビデオゲームのクラウドコンピューティングには大きな可能性があります。最近発売され大問題となった『Cyberpunk 2077』、実は当初ほとんど問題なくプレイ出来たのはStadiaだけでしたが、しかしそれは「僅かな賞賛に過ぎない」と厳しい声も聞かれます。
VGCは、STADIAはハード部門から撤退したセガと似たような問題に直面しているようだとしています。
しかし、日本のパブリッシャーがドリームキャストの人気の無さからドリームキャストを殺してしまったとき、同社には開発者の豊富な人材がいましたが、それに対して、「今のGoogleは誰もが欲しがらないようなプラットフォームを持っているので、人々がそれを使う理由はほとんどない」という厳しい言葉で結んでいます。
正直、Stadia発表時には未来感も感じさせてくれました。高速回線環境使っている方には素晴らしいですが、世界を視野に見てみると、まだ世界にはネット環境が遅い地域や国は意外とあるようです。
今後、STADIAが巻き返すのか、それともこのまま尻すぼみしてしまうのか、、「グーグルの忍耐次第」と言えるのかもしれません。🔚
via VGC
クラウドゲーミングは、クラウドであるという事自体が現状大きなハンデですので、MSのゲーパス相当のサービス、料金体系っていうのが最低限必要だったと思うんですよね…。
値段はどのくらいに設定するかはともかく、新作全部サブスクまでやれば(無理?w)
フィル・ ハリソンの見込みがお花畑すぎると当初から思いましたし、ソニー、MSに続いてGoogleも彼に騙された仲間に加わりましたね
フィル・ハリソンさんw
懐かしの伝説的なPS3プレゼンテーションからMS、そしてGoogleと要所要所で
必ずいらっしゃる印象ですよねw
クラウドゲーミングはやはりネットワークインフラがまだまだ全世界的に見ても偏りがあるので
難しいですよね。。今後、ネットワークインフラの整備が進み、多くの人が高速環境を
手に入れた時は計り知れない可能性があると思いますけどね。。
この分野に参戦出来るのは自社サーバーを世界的に展開できるGAMだけですよね。GもAも一旦は後退ですかね。あくまでも後退で何か別の道で再び参戦してくるのは間違いないですが・・・Mは現状で利益を出せていそうなので、EA、UBI等と協調してGAMEのNetflixを目指していそうです。サブスクではカタログが全てなので他方はなかなか追いつけないのではないでしょうか?Xcloudも回線次第ではRPGなどはイケるみたいなので。スマホ、タブレットでスカイリムとかやってみたいですね。