マイクロソフトの初代XBOXに携わった当時の関係者の語る内容が面白い。

ブルームバーグの記事で初代XBOXに関わっていた関係者のインタビューが非常に興味深く、面白い内容でした。

ソニーがPS2を発表した当時、ソニーが「プレイステーション2はコンピュータの世界を再定義する」と言い出したことが、マイクロソフト社内で注目を集めたとケビン・バッカス氏 (サードパーティ・リレーションズ担当ディレクター)は述べています。当時、確かにソニーはリビングルームのPCをプレイステーションに置き換えると言ってましたね。これは、PlayStation3の時も久夛良木健氏が言っていたのを思い出します。

XBOXテクノロジーオフィサーのジョナサン・ブラックリー氏は、当時「プレイステーション」のゲームを作っていた人は、みんなPCでゲームを作っていた。そして、私たちができる事は、PCをゲーム機にしてしまうことだと気付いた。」そうです。

ソニーは当時、プレイステーションの描く未来として「どの家庭にも3台か4台のプレイステーションがあり、パソコンはなく、リビングルームの中心にはプレイステーションがある。」というパソコンを排除し、パソコンに取って替わるのが、プレイステーションと言わんばかりのアピールがマイクロソフトに火をつけたようで、会議でも度々このことが取り上げられたようです。

興味深いのは、ブラックリー氏とバッカス氏が率いるDirectXのゲーム開発ツールのグループの他に、もう1つのチームには、失敗に終わったPanasonicのゲーム機「3DO」部門で働いていた従業員も含まれていたそうです。3DO懐かしいw当時は様々な会社が参入しましたが、結果的に淘汰されて現在に至ります。。

当時、マイクロソフト社内では、DirectX BOX(略してXBOX)と呼ばれていたのは有名ですが、意外と知らない方も多いのではないでしょうか?XBOXの原案は、「ゲーム機のふりをしたPC」という感じだったようです。そのアイデアがそのままビル・ゲイツに提案されたようです。

面白い話としては、スティーブ・バルマー元CEOは、顧客からもらったベースボールバットでよく遊んでいたとの事で、そのバットを社内では頻繁に持ち歩いていたとか、、それが一部の社員には怖いと感じられていたらしいようですが、あの顔と風貌でバットを持ち歩いているとなると、、妙に納得してしまいますw

XBOXの当初の計画では、ゲーミングPCを設計し、それを他の会社に作ってもらおうとしていたそうですが、うまくいかなかったそうです。

当時マイケル・デル氏は、「ゲーム機ビジネスの問題点は、ソニーがプレイステーションの値下げを発表すると株価が上がり、PCの値下げをすると言うと、株価が下がる」と語っています。確かに、ソニーが価格を下げると、より売れるとの思惑から株価が上昇しますが、PCなどの場合はネガティブに受け止められる事が多いかもしれません。

Xboxチームで初期に働いていた人たちの中には、Xboxが失敗してマイクロソフトでのキャリアが終わってしまうのではないかと心配し、XBOXの事を「コフィン・ボックス」(棺桶ボックス)と呼んでいた人もいたそうです。今となっては笑い話で済みますが、当事者からするとその当時は不安と混乱の中、相当なストレスだったんでしょうね。。

当時、上層部は「Windowsソフトウェアのないコンソール」に大金を投資する計画に納得していなかったようで、ビル・ゲイツ氏も当初は、これは私が今までしてきた事に対する侮辱だ!と怒鳴り散らし激怒したようですw

現在ベセスダのディレクターでもあるトッド・ハワード氏は、2000年のGDCで初めてXBOXの存在を知ったようですが、マイクロソフトがどれだけ本気なのか半信半疑だったと述べています。

板垣氏は、「マイクロソフトは、PCに非常に似たアーキテクチャを導入し、そのスタイルを業界のデファクトスタンダードにした。これでゲーム開発が非常に楽になったので、これは大きな貢献だと思います。」と述べています。

更に板垣氏は、当時マイクロソフトと初めてミーティングした時のことを振り返り、マイクロソフトから「ゲーム機を作っているんだけど、参加するかしないか?参加しないのか? と言われ、それから色々な話をした。マシンのパワー、その他の技術仕様、発売日、発売時の設置計画などです。しかし、全てが口頭で、書類は一切ありませんでした。1時間ほど話をして、私の心は決まった。当時の私のチームのミッションは、世界最高の格闘ゲームを作ることであり、そのためにはXboxが必要だった。XboxはPS2の4倍から6倍の性能を持っていました。」と述べています。

ボブ・マクブリーン氏 (事業開発責任者) によると、マイクロソフトが最初に買収を申し入れたのはEAで、次に任天堂だったようです。

スティーブ・バルマー氏の後押しで、買収を検討してくれるかどうか、任天堂に会いに行くことになったそうですが、任天堂では大笑いされたそうです。バッカス氏曰く「1時間、誰かに笑われ続けるのを想像してみてください。そんな感じのミーティングでした。」と、笑われてしまい散々な結果だったようです。

マクブリーン氏によると、実際に2000年1月に任天堂をマイクロソフトに招き、合弁事業の詳細を検討してもらったそうで、そこで「あなたたちは、マリオなどのゲーム部分ではずっと優れている。ハードは私たちに任せてくれませんか?と。でもうまくいかなかった。」と回想しています。

正直なところ、マイクロソフトの交渉の仕方に問題があったとしか言いようがないというか、、w

他にもスクウェア(現スクウェア・エニックス)との交渉では、オファー金額が低すぎて断られ、モータルコンバット擁するミッドウェイ・ゲームズは買収に乗り気だったようですが、上手くいかなかったようです。

BUNGIEの経緯については、エグゼクティブ・バイス・プレジデントだったピーター・タムテ氏から突然電話がかかってきたそうで、BUNGIEが財政難に陥っていたことを知ったそうです。この時点で既にTake-Twoがオファーを出していたそうです。

当時は、スティーブ・ジョブズがAppleに復帰したばかりで、1999年のMacworldでHaloを初めて公開しました。


結果的にBUNGIEは、マイクロソフトに買収されましたが、それは財政面とコンソールでフラグシップタイトルとしてリリースされる事が魅力だったようです。しかし、買収後はマイクロソフト社内の文化と、BUNGIEの独特の社内文化があまりにも違い、対立など相当に苦労したようです。

結果的に、マイクロソフトはBUNGIEの独立を許しますが、マインクラフトのMOJANGスタジオ買収の際は、トップがゲームをよく知るフィル・スペンサー氏だった事も大きかったのか、過去の失敗から買収したスタジオ独自の文化を尊重する事を学び、その後はスタジオ買収しても非常に上手く機能しているようです。

更にXBOXゲームスタジオを統括するマット・ブーティさんの存在も大きいのかもしれません。その事に関しては以前、当ブログで日本語訳を掲載したので、ご興味のある方は是非お読みになってください↓

【良記事必見!】マインクラフトとMojangがXbox(Microsoft)にスタジオの買い方を教えた方法。

最初に作られた試作機のXBOXの故障率はなんと20〜25%だったそうです。試作機の段階で既にDVDドライブに問題を抱えていて、特に映画の再生が上手く機能しなかったようです。その問題とは別に、XBOXはDVDドライブでディスクに傷がつく問題が発覚氏交換対応する事で、多額の損失を出す事になります。

マイクロソフトの現在のマーケティングボスでもアーロン・グリーンバーグ氏は、「日本で成功するにはどうしたらいいか、そしてそれがどれほど困難なことなのか、私たちは少し甘く見ていた。」と述べてます。

マイクロソフトの共同創立者ビル・ゲイツ氏は、「マイクロソフトでの私のお気に入りの仕事の一つは、他の人には不可能に見えるかもしれない大きな新しいアイデアを探求することでした。初期のXboxの時代は、ゲームが巨大なものになることを知っていて、まったく新しいことを始めることになっても、マイクロソフトが果たすべき役割があると信じていた人たちがいたことが良い例です。」

と述べています。記事では他にも沢山の裏話が詳細に語られており、興味深い話ばかりですので、オススメです。

via Bloomberg

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